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農ファッション農ライフ no fashion no life vol.18

今日あなたが着ている服はどんなものですか?

お気に入りのブランドのもの?
シルエットが気に入ってる?
着心地が良い?

では、それは何処で誰が作ったものですか?
素材は何で、その原料は誰がどのようにして育てたものから出来ていますか?

と聞かれたら私はおそらく、、、いや100%答えに詰まる。

かわいいふわふわの綿


身近な素材の代表格と言えば「綿」。

コットンと呼ばれるこの素材は畑へ蒔いた一粒の綿の種から出来る自然由来の素材。

今回はその「綿」を畑から育て、「綿」を糸紡ぎし帽子を作ったり着物をお洋服にリメイクしちゃう農ファッションの達人、中田 辰美さんにご登場いただきました!

中田 辰美/Tatsumi Nakata(Tata)

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12月上旬 綿はほぼ借り入れた後の畑にて

・ベスト 古布の藍の布(リメイク)

・ワンピース 綿麻の布

・パンツ 古布の藍の布(リメイク)

・靴 スニーカー

ご自身のブランドは「Tata」

古い着物をほどき、新しく手を入れこみ、全く違った形に作り替える。

着物がワンピースに、藍染めの古布がベストに変わったりする。

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刺し子が素敵なベスト

この日の農ファッションはほぼ全て自作のもの!
すげー!

服を作れるって凄い。
何せ私は専門学校はファッション学部卒なのだ。

授業の一環でシャツを作ったことがあったが前身頃だの袖だのそれぞれがパーツに分かれてる!
という時点で気持ち的にアウトだった。
パターンが引ける自分に憧れてたのに。
すぐに憧れを憧れのままでとどめた。
仕上がったシャツも完全にアウトだった。
それ以来、服を作れる人には凄さしか感じない。

中田さんのベストは表裏に刺し子!
白いワンピースも、もんぺっぽいパンツも全て作ったものって、、、!

あぁ貴方はきらめいています。
超えられない壁が私には見えます。

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城山が見える畑では綿と野菜も栽培している

刺し子というものは、その存在に気付くとどんどん可愛く見えてくる不思議な魅力がある。
ジワジワ系。

手間だろうな~、好きじゃないと出来ないよな~、とは思うのだがこの手間があると無いとでは仕上がりのイメージが全く違ってくる愛すべき手間。

パンツのシルエットはサルエルとはまた違うもんぺスタイル。

股の部分にゆとりがあるシルエットのものは立ったりしゃがんだりという動きが多い農の作業にはもってこいのタイプだ。

いわゆる洋品店に売っているもんぺではなく、自作のパンツなので小柄な中田さんに調度良いボリューム感。
自分のサイズに合わせて作れる、というのが自作の良いところだろう。

この時期は暑さは過ぎ去り、これからやってくる寒さの方が気になる空気だったが、12月なのに日よけが必要な日差しだった。
手拭いを頭に巻いていた中田さんだったが、竹で編んだ傘、すげ笠で日差しを防いでいた。
これ、めっちゃ使い勝手いい、って噂しか聞かないやつ!
頭が蒸れないらしく、特に夏場は調子がいいって噂!

農グッズを入れて持ち歩いていたのも自然素材の籠。
すげ笠と籠に加え、三種の神器と言っていい、こいつも登場した!

三種の神器の1つ

これこれこれ!!!!
これは、みの!
こちらも夏場の農作業の際、背中が焼けるのを防ぐってんでめちゃめちゃ勝手の良いやつ!
あるとないとじゃ違うって使ってる人たち皆言うやつな。

一面パクチー

他に野菜も色々と栽培されていたが、とんでもねー面積のパクチーを見つけてしまったので記録に残しておく。
中田さんは思ったよりもダイナミックだ。

・綿摘み

ぴろ~んと伸びるかわいい綿ちゃん

綿ってやつは可愛い。
花が咲いたと思ったら弾けてそこからふわふわの棉が出てくる。
そのふわふわ具合といったら他に例えようの無い良さがある。

いわゆるポリエステルの綿はごめん。
あれ、はっきり言ってニセモンだべ。

ニセモンなりになきゃ困るし、良さもあるだろう。
しかーし!こちとらモノホンは本家本元。

触れば触るほど触りたくなるふわふわしっとりの感触は一度体感の価値ありやで。

花の部分が綿に

綿摘みを体験させてもらった。

私のような素人では小さなビニール袋1つをいっぱいにするには、やはり時間がかかる。

しかし、達人といえども手作業でこの綿を摘むのは根気がいるだろう。

既に大分摘んだ後だった

この畑の他に、あと2つ畑を借りていてそちらでも綿を栽培しているのだそう。

静岡県伊豆の国市にある布工房Tata
綿の種類によって色が違う、どちらも綿

中田さんの布工房にはめーっちゃ綿ありますやん!

な状態で布団が夢じゃないんだな、というレベルだった。

種を取った後の綿

畑から摘んだ綿の中には種がある。
それを一つ一つ取り除いて、さらにそれを糸にする。

綿を糸にしている様子

綿を糸に、、、?
と最初意味が分からなかった。
だって生地屋に売ってる「綿」ってやつは布じゃん、って。
それがあんな風に畑で綿を育てて、種を取って、糸にして、そこから線維にしていくってこと?

実はロードバイクで伊豆を走っているアクティブな中田さん

工程の多さに驚いたし、手作業で糸を紡ぐ姿を見て自分が普段着ている洋服に一体どれほどのあのふわふわが使われているんだろう?と思うとなんだかちょっと切ない気持ちになった。

糸車
糸車

オーガニックコットンの肌触りの良さは土から始まり、人の肌に触れるまでに相当な工程を経て得られるものなのだと知った。

もちろん今は全て手作業ではないだろう。
ただ、畑で摘み取ったしっとり柔らかなふわふわがみょーんと伸びる、あの感触を知ると知らないとではお洋服への関りが変わってくるのではなかろうか。

綿のワークショップも開催されているので(中田さん主催ではないですが)気になる方はwebをチェックしてみて!


伊豆国市ふるさと博覧会

植物って不思議なもので、種から育ってそれなりに形になってくると我が子のように愛おしさが芽生えることがある。

特に綿は花が咲くとポン!とふわふわが顔を出して主張してくる、たまらぬ可愛さがある植物。

今年もまた、畑でたくさんの可愛い子が弾けるのが楽しみだ。

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