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#81_【読書】人生・キャリアのモヤモヤから自由になれる 大人の「非認知能力」を鍛える25の質問/ボーク重子(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

昨日、中村淳彦さんの「ずるい傾聴術」という本を紹介した中で、「共感力」「人は自分のことを知ってほしい」「自分軸と他人軸」あたりの話題を出しました。

今回はその延長でもう1冊、ボーク重子さんの「人生・キャリアのモヤモヤから自由になれる 大人の「非認知能力」を鍛える25の質問」を紹介したいと思います。

以前教育現場に足繁く通っていたことがあり、その中で「非認知能力」という言葉を度々耳にしていました。単純に解釈すると「認知できない能力」となりますが、教育プログラムの効果を調べるために、「非認知能力を測る」という哲学的な文言を目にすることもあり、なんだろなと思っていました(゚∇゚;)☆\(-_-;)。
具体的には、自己肯定感、自信、自制心、主体性、好奇心、柔軟性、やり抜く力、回復力、楽観性、共感力、協働力、社会性などの目に見えない能力のことを指すようです。

では、なぜ近年「非認知能力」が注目されるようになったのでしょうか。
グローバル化や、地球温暖化をはじめとした環境変動、AIの台頭をはじめとした技術革新などにより、社会がめまぐるしく変化し、将来がますます予測しにくくなっている中で、「認知能力」(ざっくりですが、学校のテストの点数で測れる能力など)だけでは生きていけない世の中へと変化しているからです。少し前に、「VUCAな時代」に突入した。なんて言われ方もしていましたね。

VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった言葉

小学校教員のための教育情報メディア「みんなの教育技術」by小学館
2022年11月21日

本書の中で、もっともはっとさせられた記述に「変化の激しい社会では、「逆算型」だと自分がデザインしたとおりの人生が手に入りにくい」という一文がありました。
事業計画を立てるときもそうですし、SDGsなんかもそうですが、近年「バックキャスティング型」の考え方(過去の実績や現状や課題から未来を考えるのではなく、ありたい姿やあるべき姿を考えたうえで、そこから逆算して計画する思考法)が主流だと思います。
計画性のない私からすると、きちんとしているよなぁと感心すらしていましたが、ゴールを見据えるあまりに、周囲の変化を見逃したり、ほかの可能性や選択肢を失うこともあります
では、そんなことにならないようにするためにどうすればいいのか。「行動することで知識・経験・出会いという点を増やし、偶然や予期せぬ出来事の起きる確率を高めてキャリアをつくっていく」、そのために「つなげることができる点(経験、知識、出会い)を増やす」ことが大事、となるわけです。

よく事業で成功している方々が「つべこべ言うな、すぐやれ!」といいますが、まさに行動を起こすことで経験や出会いを増やしている、という面があるのでしょう。
「非認知能力」は見えにくいものだけに、フワッとした話になりがちですが、それを使って何を達成するのかが大事な話で、鍛えることばかりに注力してもしょうがないということも、意識しておきたいです。

さいごに。
本書の中に「あなたに巻き込まれていく多くの人が、あなたのキャリアをつくっていく」とありました。他人が関わると、相乗効果が生まれる反面、自分の意図せぬことも起こります。
まさに偶然を楽しめるくらいでないと、道は拓けてこないということかもしれませんので、年内までに新しいチャレンジを始めたいと思いますo(^-^)。

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