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『「人間ではないもの」とは誰か:戦争とモダニズムの詩学』(青土社)、詩集『遠さについて…

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『「人間ではないもの」とは誰か:戦争とモダニズムの詩学』(青土社)、詩集『遠さについて特装版』発売中!詩歌/哲学/創作

最近の記事

オランダ備忘録(16)なぜか無口認定

英語のクラスには、他にオランダ人の身長190㎝以上ある男子(そう珍しくない)、韓国人の陽気な男性、中国人女性、などがいた。 学生以外の人は、仕事でオランダに滞在してるって人が多かった。 自己紹介すると、それだけで 「ははあ、日本人だろ!」とゆわれる。 日本の名前は、ぜんぶ子音と母音がセットになってるのですぐわかるらしい。 ちなみに、イタリア語もそうなんで、そうゆー名前を聞くと 「イタリア人だね」 とも言ってた。 韓国人の男性は、細くていつもスーツを着ていて、平均的サラリー

    • オランダ備忘録(15)英語のクラスは多国籍。

      授業はそれほど沢山取らなかったのだけど、+αで、なぜか英語の授業を受けに行っていた。 オランダは、だれしもが流暢に英語を話すので、オランダ語を覚えずに帰ってしまうというのは有名な?話。 私も例にもれずであった・・・。 いくつかの基本単語だけ断片的に覚えたのではあるが。 本当はもっと勉強したかた。 お、話がそれた。 英語の授業。 これは川沿いの比較的新しいコンクリの建物で。 友達がアグリーと称するビルヂングで行われた。 とはいえ、階段の大きな窓からは、目の前の運河、そこに

      • オランダ備忘録(14)入れ墨兄ちゃんによる外国人登録と、市役所でもたついた件

        到着して数週間くらいのうちに、市民登録でいくつか手続きがあった。 まず「外国人登録証」みたいなカードを作る。顔写真つきの身分証明書で、ビザの種類などが書いてある。 登録は小さな部屋で行われた。 顔写真を撮影。しかも、三つくらいの角度から撮るので、ホログラム的に顔写真が浮き出る。 その方が、本人特定が容易とゆうことなんだろか。 小さなテレビみたいな撮影機の前に顔を固定。さらにこの時、指紋も一緒に撮られた。指を特定のガラス面に押し付ける感じ。 見方によっては、やや警察権力

        • オランダ備忘録(13)うっかり即ジ・エンド

          たぶん、外国人がオランダに行って、一番やってしまいがちなミス、しかもうっかりした瞬間の見落としが重大な結果につながってしまうもの・・・といえば、 sleutel!! 鍵!! である。 ホテルのオートロックで締め出されてしまった経験は、誰しも一度くらいはあるかな。 オランダは、ほとんどの家の鍵が、こうゆう仕組みなのだ。 オートロック。 うっかり鍵を持って出るのを忘れると大変なことになる。 なんでこんな危険な仕組みにしてあるのだろうと思うのだけど・・・。オランダ人には、うっ

        オランダ備忘録(16)なぜか無口認定

          オランダ備忘録(12)スキンヘッドの司書

          大学図書館は、なかなかにスタイリッシュだった。 外見は煉瓦造り。 入り口の左側にはカフェスペースがあり、カフェの扉の入り口のところでは、いつも白い煙がもうもうと立ち込めていた。 一休みした学生たちが煙草を吸ってるのである。 わりと、喫煙者は多かったかもしれない。 ただ、街中の路上で吸ってたりする人はなく。指定されたスペースで。 図書館に入ると、まずは吹き抜けになっている。 学生カードを通して入る改札があり、もってなければカウンターで申し込む。学生でなかったら、その場で写真を

          オランダ備忘録(12)スキンヘッドの司書

          オランダ備忘録(11)学食のあれこれ

          ライデン大学のキャンパスは、とにかく絵になった。 街全体もそうなんだけど。 灰色っぽいレンガが斜めに組まれた道の左右に、赤茶色の煉瓦で組まれた建物が並んでいる。 ぴかぴかと大きな窓のまわりは、アーチで囲まれて簡明に装飾されてる。 なんとも統一感があり、煉瓦独特の、ハンドメイド感。ぬくもり。 人工であるけど、自然の中にいるような落ちつく感覚になるのだ。 レンガの建物も多かったけれど、一つくらいか、コンクリ建てのものもあり、たくさんある小さな窓に鎧戸があって、どことなく、かさ

          オランダ備忘録(11)学食のあれこれ

          オランダ備忘録(10)「闇鍋部」はないよ。

          オランダはライデン大学に交換留学してたのだけど、 日本の総合大学とくらべると、サークル活動の数は少なかった。 それぞれも、割とこじんまりしているし、日本みたいに「闇鍋部」とか謎の活動をしてるカオスな団体はなし。 全体的に行儀がいい感じだろうか。 カオス感がないというのは、オランダ全体で言えることかもしれない。 日本だと、アスファルト道路にカラスがゴミ撒き散らしてたり、ホームレスが都会では路上や公園で集団生活してたり、なんというか 意外と貧富の差があって、みすぼらしかったり混

          オランダ備忘録(10)「闇鍋部」はないよ。

          オランダ備忘録(9)自転車回収もあったり

          オリエンテーションウィーク中には、他に自転車を借りにいったり、サークルの案内テントを回ったりもした。 オランダはなんといっても自転車で有名な国。 これは、平坦な地形のおかげでもある。 坂道がほとんどないから、自転車で走るのがとても楽。 留学生も、もれなくみんな滞在中は自転車をレンタルすることになる。 たまにいいのを買う人も。 英語圏女子のピンク色の自転車は、かごにお花が絡ませてあってラブリーだった。 自転車置き場に、たくさん大小の自転車が並んでて。 日本のよりは全体にご

          オランダ備忘録(9)自転車回収もあったり

          オランダ備忘録(8)運河沿いの芝生がチルスポット、林檎スナック、ダンス

          オリエンテーションウィークのことを思い出すと、あとは公園にある滑り台を大きな風船で作ったような遊具とか、バドミントンとか、通り沿いのカフェでお茶したとか、そういうことが浮かぶ。 運河沿い、芝生の公園では飲み物食べ物の屋台、ダンスステージが用意されてて、梟の絵のついたチケットと食べ物を交換できた。 オランダは、建物が立て込んでないので空が広かった。 北欧だけあって、金髪サラサラストレートの男女も多い。 印象的だったのは、川べりがたむろスポットというか、チルスポットになって

          オランダ備忘録(8)運河沿いの芝生がチルスポット、林檎スナック、ダンス

          オランダ備忘録(7)酒場の上の部屋で飲み会

          オリエンテーションウィーク中は、それぞれのグループで飲みに行ったりもした。 印象的だったは、メンバーの一人の中国人女子が住んでるアパートのお邪魔した時のことか。 この子は、オランダ女子に負けない勢いで背が高くて、黒髪ロング、がっちりしていて陽気でセクシーな感じだった。 友達と下ネタで豪快に笑ってたりも。 黒いロングドレス来ているイメージ。 サングラスかけてると、アジア人なんだけど、なんかそこはかとなく欧米圏の匂いを感じさせる。英語か何かしゃべりだしそうな。こういう人っている

          オランダ備忘録(7)酒場の上の部屋で飲み会

          オランダ備忘録(6)出会って一週間でカップル誕生⁉

          オリエンテーションウィーク中には、非公式活動として飲み会とか浜辺でチルアウトとか、(チルって言葉、オランダで初めて覚えたわ) もあった。 砂浜は、北海。ガトウィックってとこまで行ったかな。 すみずみまで磨かれた窓みたいな、完璧に整備された公園のような住宅地のようなところを通って行った。 オランダは住宅地がそのまま公園のように緑が多くて美しいのがいいところ。 北海の砂は白。薄曇り。 けっこう穏やかで全体的に白っぽい印象の海と空だったと思う。 実は、砂浜の砂は不足していて、地

          オランダ備忘録(6)出会って一週間でカップル誕生⁉

          オランダ備忘録(5)もっと早くに来ていれば…。

          オリエンテーションウィークで、最初に圧倒されたのはやっぱり向こうの教会だろうか。 街の中で一番大きな教会。ややゴシックぽい尖塔。ゴシックほど尖ってないから、ロマネスクなのだろうか? ちょっと建築には詳しくないので正確なところは不明。(後期ゴシックだそうです) 高い窓から日光が入り、円柱が巨木のように内部に並んでアーチ型になった天井を支えている。 内装は白っぽい。柱、床、天井が白大理石からできている。 清潔で明るい雰囲気。 オランダはプロテスタントの国だから、中世まであっ

          オランダ備忘録(5)もっと早くに来ていれば…。

          オランダ備忘録(4)何ゆえオランダに?

          授業が始まる前に、交換留学生向けの一週間のオリエンテーションウィークがあった。 ビーステン・マルクトという、運河に面した広場。 ビースト・マーケットはその名の通り、獣市場。昔は動物を売り買いしていた場所らしい。 石畳で、噴水が噴き上がっている。ぐるりには、商店が並んでた。 建物はみんな煉瓦でデザインも統一されてるので美しい。 煉瓦に白の飾りぶち。 そこに、ぞろぞろと売られる羊や牛のように集う私たちであった。 グループは7つとかにわかれていて、それぞれ二人の案内人が旗かプラ

          オランダ備忘録(4)何ゆえオランダに?

          オランダ備忘録(3)乙女チックなルームメイト

          何日か一週間弱だったか。ルームメイトのベッドは空いていた。 まだ自分の部屋に入れない、到着したばかりの学生が、他の人の部屋に泊まらせてもらうという習慣があった。 とある日本からの留学生が探してたので、空いてるよ~とメッセージ。 当日、けっこう夜まで連絡つかなかったので、大丈夫だったかな~? と思ってたけど、なんとかMちゃん無事到着。 その後も一緒に出かけたりすることになる。 そして、相方の中国人留学生が到着。 部屋に帰ったら着いてて、荷物を広げていた。 見た瞬間の感想

          オランダ備忘録(3)乙女チックなルームメイト

          オランダ備忘録(2)水と緑の住宅地

          大学からアパートの鍵を受け取って、スマラグドラーン(宝石の名前エメラルドだったかな)へ。 ライデンの中心地は、城壁に囲まれていて、その外、郊外に建てられた新興住宅地である。 新興住宅地のストリートは、ぜんぶ宝石の名前が付けられてた。 部屋は、普通の団地の一部屋。学生が多いけど、それ以外の一般住民も。 普通の団地といってもやはり日本のとは佇まいが違っている。 建物は、全体的な作りが大きくて、窓が広くて天井が高い。 たいていの団地が、窓枠などにペイントされていて、レゴ感という

          オランダ備忘録(2)水と緑の住宅地

          オランダ備忘録(1)到着まで

          初めての海外滞在として、オランダに半年いたのが2016年夏から2017年明けるまで。 生きてきた中で、今までで一番幸せだった、といっても過言ではないほどの時期だった。 なんでそんなに幸福感を感じていたのかは、たぶん異文化との出会いの初期段階の陶酔効果というものもあるんだとは思うけど。 けどなんだか、すごく、自由になったような、世界が広がったような感じがしたのは事実である。 今までも、ちょこちょこ書いてはいたけど、忘れ去ってしまう前に、少し備忘録として記しておこうかと思い。

          オランダ備忘録(1)到着まで