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オランダ備忘録(3)乙女チックなルームメイト

何日か一週間弱だったか。ルームメイトのベッドは空いていた。

まだ自分の部屋に入れない、到着したばかりの学生が、他の人の部屋に泊まらせてもらうという習慣があった。
とある日本からの留学生が探してたので、空いてるよ~とメッセージ。

当日、けっこう夜まで連絡つかなかったので、大丈夫だったかな~? と思ってたけど、なんとかMちゃん無事到着。
その後も一緒に出かけたりすることになる。

そして、相方の中国人留学生が到着。
部屋に帰ったら着いてて、荷物を広げていた。

見た瞬間の感想は
「わあ、ラブリー!」というもの。
すんごい乙女チック~~な空気をまとっている。

大きなシルバーのトランクは、唇模様が一面についてるし、
私がドアを開けた時には、

ピンク色っぽい寝間着ワンピースで、お顔はパックの真っ最中。

洗濯ものを干すのには、彼女のスペースを通ってベランダに出るんだけど、その時も棚に、色んな化粧品が並べられてて、これまた女の子っぽい。

丸顔で、顎がしっかりしてて、眼鏡。
やっぱり同じ東アジア人なんだけど、そこはかとなく中国風。
なんだかシルクロード商人の賢い中国人の末裔といったエキゾチックな雰囲気を勝手に感じる。

「お父さんとお母さんは、毛皮コートを売る商売してるんだ」と実際言ってた。わりと裕福なんだろうと勝手に推測。

私が、髪おろしてると結んでる方が似合うという。
丸顔を隠したいんだよね~というと
「私も同じプロブレムを抱えてる」などと言っていた。

それから「化粧しない自分はアグリーと感じる」とかも。

それにしてもこの子はすごく純真な感じの子だったんだけど、いつも彼氏と長電話していて、ときたまそれにいらいらした。

長電話・・・ほんとに長いのだ。四時間くらいは普通に話している。
起きた瞬間にベッドの中で話していて。
大学から帰って来て。夕飯後から今度は眠るのでベッドの中でも、
くすくすうふふと話している。

もちろん中国語だから、何言ってるかわからないんだけど
「めいよー(no)」くらいか。。
こっちが勉強とかしようとしてるとけっこう気になってくる。
ちょい、静かにしてくれと言ったような言わないような。

しかし、私がノートPCでアクション映画とかみてると、
音が「怖い!」とかいっていやがっていた。

怖いといえば、一回夜中に、部屋のチャイムが鳴ったことがあって、
その時は妙に怖くて二人で顔を見合わせて震え上がったものだ。

なんであんなに怖いと思ったのか不思議。
どうせ酔っぱらった学生か何かが、間違えて部屋番号押しただけだと思うけど。

身をすくませてシーンと息をひそめてて、もう鳴らないのを確かめた。
彼女が怖がりだったから、その感情が伝染したんだろうか。

そういえば、彼女が最初に来た夜に「ここはお化けとかでないよ~」と言ってあげたのを覚えている。

留学生のオリエンテーションウィークの時には、
グループで初めて会うほかの留学生7人くらいと、あと案内人二人とキャンパスと街をめぐるツアーがあった。
(これはまた追って)

その時に、他のグループに混ざっている彼女を見かけた。
手をふる。

帰ると、
「あ~。ヨーロッパ人みんな英語うまいから、気まずくって」みたいに言ってて、完全同意。

やっぱり言葉が似てるから、フランス人もドイツ人もみんな英語流暢である。事前に英語勉強していったとはいえ、
私のレベルでは、なかなかまず聞き取りもできず、会話には苦労した。

ルームメイトには何回か、中国料理を作ってもらって、日本で食べてる中華は一体!?と思うほどに別物ですごく美味しかった。
特にスパイスを使った、カシューナッツと鶏肉、甘栗の炒め物なんかめちゃうまかった。

他に中国の人とも交流が少しあったけど、これについてはまた追って書こう。

ルームメイトは、アメリカに留学するのが夢、みたいに言っていた。
今頃どうしてるのかな。
アメリカに行ったんだろうか。
元気で過ごしてくれてるといいなと思う。

――続く――




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