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オランダ備忘録(14)入れ墨兄ちゃんによる外国人登録と、市役所でもたついた件

到着して数週間くらいのうちに、市民登録でいくつか手続きがあった。

まず「外国人登録証」みたいなカードを作る。顔写真つきの身分証明書で、ビザの種類などが書いてある。

登録は小さな部屋で行われた。
顔写真を撮影。しかも、三つくらいの角度から撮るので、ホログラム的に顔写真が浮き出る。
その方が、本人特定が容易とゆうことなんだろか。

小さなテレビみたいな撮影機の前に顔を固定。さらにこの時、指紋も一緒に撮られた。指を特定のガラス面に押し付ける感じ。

見方によっては、やや警察権力?による圧迫も感じさせる場面だ。
治安の面で、外国人はやはり潜在的な犯罪者として見られているのだなあ。

イスラム国による大規模テロなんかも欧州各国で起きていた時期である。

けど、面白いのは、この外国人セキュリティプロセスというべきなものを実行してる人たちが、生粋のオランダ人というよりは、
移民系の人びとだったこと。

トルコ系?の黒髪、黒い目の人々で、太い腕に入れ墨とかも入ってるような兄ちゃんたちがやってる。

これは、移民系の人々が同じく移民というか入国してくる外国人に対処することで、オランダ当局の権力性を見えにくくしてるのかもしれん。
写真撮られる方も、強圧的なものを感じにくいのだろうか。
なんとなく、このへんのストラテジーがオランダは巧みだよなあという気もした。

それはともあれ、出来上がったカードはなかなか綺麗だった。青や赤など何色か刷りで、傾けると、ホログラムで顔が立体的に浮き上がって角度を変える。裏面にはサインが印刷されている。

あと、市庁舎にも行った。
市庁舎といっても、16世紀に建てられたファサードが美しい、壮麗な建物。
いくつものアーチで装飾された鐘楼は、定時になるとベルで色んな曲のメロディーを奏でた。
「カラーん、からーん」という単なる鐘の音でなくて、鐘の音で奏でるメロディーだった。
これが流れるだけで、街の素敵感が底上げされる。

市庁舎の中は、モダンなつくり。3階くらいまで吹き抜けで、ぐるりとカウンターが並んでる。
真ん中の空間には大きな植物の植木。

発券機で番号札を引いて、手前のロビーで壁の貼り紙などを見て待っている。
日本の市役所だと、20分は待たされる・・・ところ、
すんなり呼ばれた。
あまりに早かったため、呼ばれてることに気付かなかった。

「私も日本に行ったことがあるよ」
と、頭のつるつるした、丸っこい体つきのメガネのおじさん。
「今度はあなたが”ガイジン”ですね」と言われた。
そして、席に着いてから、書類を出すのにもたもたして、かばんを手探りしていると、
「カモン、日本人はもっと整理整頓きちんとしてるでしょ」といわれた・・・。
すまそ、私は例外なんですよ、と思ったが、まだ慣れてなくてあまりちゃんと返答もできなかった覚えがある。

市庁舎は裏口に広場があり、そこに自転車をとめた。オランダ出身キャラクタであるミッフィーちゃん(オランダではナインチェと呼ぶ)の、人間大の人形が鎮座していた。



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