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オランダ備忘録(12)スキンヘッドの司書

大学図書館は、なかなかにスタイリッシュだった。
外見は煉瓦造り。
入り口の左側にはカフェスペースがあり、カフェの扉の入り口のところでは、いつも白い煙がもうもうと立ち込めていた。
一休みした学生たちが煙草を吸ってるのである。
わりと、喫煙者は多かったかもしれない。
ただ、街中の路上で吸ってたりする人はなく。指定されたスペースで。

図書館に入ると、まずは吹き抜けになっている。
学生カードを通して入る改札があり、もってなければカウンターで申し込む。学生でなかったら、その場で写真を取って、顔写真付きの学外者向けカードを作成。

吹き抜けはそう広くなく、真ん中に検索機がおいてある。
そして一階、二階、三階までの通路がコの字型になって取り巻いていた。

一階、右側の通路を進んでいくと、閲覧&自習スペースに出る。
これがわりとスタイリッシュ空間。
カーマインレッドのファブリックで包まれたカフェチェア―に、
ボール型の間接照明が下がっている。

PCも並んでて、スクリーンは大きい。
席はおおかた埋まってて、みんな据え付けのデスクトップPCと向かい合ってるか、机だけの席でラップトップを広げている。

さらにここを抜けると、ちょっと空間が広くなり、レファレンスコーナーがある一角に出る。

検索した本は、取り出しをリクエストすることもできた。
本は、ローラーコンベアにのせて運び込まれる。
黒ぬりで、数字と英字を記したロッカーが並んでいるコーナーがあって、
この中のボックスのどれかに、自分あての書籍が届けられるのだった。

レファレンスにいつもいるおじさんは、スキンヘッドでメガネ。体格もそこそこいい。
あまり司書って感じの雰囲気ではない。
法律系の公職についていそうな、どこか抜け目なさそうなところがある。
てきぱきしてたけど表情があまりなくて不愛想だったと思う。
あまり現状に満足していなさそうな?

図書館のフロア自体は、それほど広い印象はなく。
細かくセクションごとに区切られているせいかもしれないけど。
大きな窓のきわに、四列くらい書架が並んでいるイメージである。
本のサイズは大きめで重たいものが多かったと思う。

セクションごとに厚いガラス戸で区切られてた。



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