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【オランダ】アムステルダム市立美術館へ行こう!

オランダ・アムステルダムの一人旅、2月26日。午前中はゴッホ美術館を訪れた。

その足で、午後はアムステルダム市立美術館へ。隣接しているので、徒歩一分以内で行ける。美術館にあふれる街、最高…。

まずは腹ごしらえ。ピザを頼んだら予想外にでかくて高かったけど、これから更に大きな美術館を鑑賞するのだ…と自分を納得させてひたすら食べる。

でけぇなあ。


さあ、アムステルダム市立美術館、レッツゴー!!!

ここは予約なしでも当日券で並ばず入れました

ここでのオーディオガイドは無料だが、英語とオランダ語しかない。英語を選択していざ館内へ…。がしかし、いきなり見慣れないものを発見する。(写真)

周りをきょろきょろしながら確認していると、どうやら折りたたみ椅子のようだ。肩に担いで館内に入っていく人を多数目撃する。実はこれ、その後別の美術館でも見ることになるので、この美術館だけ・オランダだけの取り組みではないのだろうが、私にとっては初体験で、しかも結構感動的だった。

実は「絶対に叶わないけど一度はしてみたい夢」の一つが、「美術館に住む」ことだ。名作と言われる作品を時間をかけて、ゆっくり鑑賞したい。それなら住むのが一番いいだろうと思うのだ。

もちろん、その夢が叶うわけではないけれど、この折りたたみ椅子は長時間の滞在を美術館が認めてくれたような、「どうぞゆっくりしていってね」と言われたような気がして、心強い相棒のように思えてくる。


まずは一階の展示室から。小部屋がいくつも連なったような構成になっており、一部屋入るごとにオーディオガイドを聞く。

最初オランダ語が流れて焦ったが、その音声に被せるようにして英語の音声が流れてくる。流れているのは、どうやらインタビューというか、オランダ人の一人語りのようなものらしい。

聞こえてくるのは「こんにちは、私は当美術館のキュレーター○○です。私は△△というテーマでこの部屋を…」という音声。

めちゃめちゃ感動。この部屋の作品をどのような意図で集め、展示しているのか、私たちはキュレーターから直接聞くことが出来るのだ。

一階が小部屋に分かれているのも、毎回違うテーマを旅しているようで楽しい。正確には覚えていないが、ある部屋は「女性の芸術への進出について」他の部屋は「オランダの学校について」さらに、「第二次世界大戦のオランダ」など様々だ。

特に感動したのは「植民地支配とオランダ」という小部屋だった。勉強不足で、部屋に入って解説を聞いてから「あ、オランダってインドネシアを植民地支配していたんだったな」と思い出した。作品は、インドネシア美術から影響を受けたオランダの画家であったり、植民地支配に対する風刺画だったり様々だ。

日本が東南アジアを植民地支配していた時代の風刺画も発見した

今までなんとなく、「芸術は高尚なもの」として、歴史や市民の生活と深いかかわりはないのでは、と思っていたが、芸術を通して歴史を学ぶことも可能なのだなと思った。インドネシアの芸術や風刺画も展示することで、彼らの痛みや苦しみがストレートに伝わってくるような気がする。歴史を学ぶ際には、「何を伝え、何を伝えないのか」選別された状態で勉強することも珍しくないと思うのだが、芸術は時にありのままに、その凄惨な歴史を伝える力を持っていると感じた。


一階の展示を見終わって二階に上がろうとしたのだが、なにやら騒がしい音が聞こえる。階段のちょうど裏側、白い壁に囲まれた小部屋を発見した。こここそ、私が一番印象に残った箇所、”SOUND”LAB”である。

説明書きがまず好き

そして中に入ると、そこら中から聞こえる様々な種類の音、音、音…。

左右の壁には、とにかく音が鳴る素材や身近なものを集めて、自由に音が鳴らせるように。

正面にはホワイトボードに様々な図形がマグネットで貼り付けられ、それらを剝がしたり付けたり、位置を変えたりすると、そこから流れている音が微妙に変化する。

その向かい側、階段を下った先には小さなベルトコンベアーがある。まるで小さな工場のようだ。ベルトコンベアーには黄色や灰色のキューブが乗っけられ、それがベルトに乗って最終的に地面に落ちるというシンプルな遊びだが、その「地面に落ちる音」が色によってどう違うかを比べるものらしい。

小さい子向けではあるが、小部屋に入って音を浴びるだけで十分楽しい。子供が遊んでいるのを見てさらに可愛い、楽しい、面白い。


1階は歴史的な展示も多かったが、2階は現代寄りの展示が多いようだ。もともと美術に詳しいわけではないし、現代アートなんて本当に分からないのだが、分からないものを見て(なんなんだこれ…)と思うだけで十分に楽しい。そもそも日常で(これなに!?)と興奮できるような年でもないから、その非日常感が楽しいのかもしれない。

なんなんだろう…これ…。

分からないので作品の解説も読みたいが、英語なので分かりにくいし時間がかかる。しかし…

テッテレー!!! 私には相棒がいたのをお忘れか。折りたたみ椅子を使いながらゆっくり鑑賞出来て、切実にこの取り組みが日本にもほしくなった。


2階の展示の鑑賞を半分ほど終えたが結構疲れていたので、一旦ミュージアムカフェへ行くことにした。日本では一度美術館の外に出なければカフェへ入れないケースが多いが、このカフェは完全に美術館の一部となっている。折りたたみ椅子と同様、長期滞在を見越しての取り組みっぽくて嬉しい。

今回滞在したホテルはカプセルホテルのような形態で、個室ではないので飲食が禁止されていた。どうせなら、オランダでご当地のお酒を飲みたかった…。と思ったら!カフェだけど!ハイネケンがある!!!

ということでハイネケンをいただき、残りの展示を鑑賞する。一階は比較的昔の年代の展示品が、そして二階はより現代的な展示品がある。その一角に、「日本コーナー(的なもの)」を発見した。

日本で開催される美術展は西洋画だったり、日本画がそこからどう影響を受けたのかを知る機会の方が圧倒的に多いため、改めて「日本の芸術の魅力」みたいなものを見るのは新鮮だった。それにしても、どうしてこれなんだろう…。

産経新聞…?


そんなこんなですべてを見終わるころにはあっという間に4時間経過していた。今日だけで7時間半を美術館に費やしたのだ。すごい体験。


濃い濃い一日が終了したが、翌日はもっと濃い。
朝から「アムステルダム国立美術館」へ向かうのだ!!!
ということで、次回はアムステルダム国立美術館です。幸せすぎて死ぬんちゃうか…。




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