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いま、なぜ「微分積分」の本を手に取ってしまったのか?~読書の話3/21

 高校は文系専攻、大学もずばり文学部、その後の仕事も理系とはあまり縁のないエンタメ業界、メディア分野なのですが、先週、横浜駅地下街の有隣堂書店をぶらぶらしていて、思わず「微分積分」の本を手に取り、買ってしまいました。

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「難しい数式はまったくわかりませんが、微分積分を教えてください!」

という本です。著者は教育系youtuberのたくみさん。AbemaTVの「ドラゴン堀江」にも出演し、堀江貴文さんも絶賛するほどの方です。

 内容は、対話形式でとてもかみ砕いて、かつ厳選して「微分積分」の基本を教えてくれるもので、数学がわからなくても、つまり「算数」程度の知識でも理解できる、要するの小学生でも理解できる構造になっているのです。

 2時間くらいで読んでしまったのですが、なるほどなー!と思ったくだりが、Lesson4「世界では微分がどのように使われている?」です。

株価のデータをすべて追わくても、その微分、すなわち接線の傾きを見てさえいれば、その値がゼロになった瞬間が株価の天井や底値だとわかるわけです。

 ほんとうに今、株価がすごいことになっていますよね。イケダハヤトさんも毎日のようにtwitter、youtubeやVoicyなどで「株価やばいっすねー」って言ってますが、おそらくイケダさんは「微分」の知識をお持ちで、俯瞰して株価の動向を予測されているのかもなーと思います。

 微分は

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で表される!こんなシンプルな公式だけで、日本経済の行く末を少しだけでも俯瞰視できる道具の一つが「微分積分」だったのですね!俄然、「微分積分」が身近なものになってきましたよ。

 そうえば自分は、高校では数学Ⅲも学び、大学は文学部といえども史学科地理学教室で、人文地理学の授業では大型コンピューターを使った「多変量解析」をやったり、三年生以降の専門分野である「気候学・気象学」では、気圧傾度や低気圧の解析に、微分積分が欠かせなかったなあーと思い出しました。

 そうなると、もう少し深く解説されている他の「微分積分」の本を読みたくなってしまいます。 偶然にも手に取った一冊の本から「微分積分」の火がついてしまったのですね。

 そうして手に入れたのが、数学・科学といえばブルーバックスシリーズのこの二冊。

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『「超」入門 微分積分 学校では教えてくれない「考え方のこつ』(神永正博著)

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『マンガ・微積分入門 楽しく読めて、よくわかる』(岡部恒治著 藤岡文世絵)

 松岡正剛著「多読術」(ちくまプリマー新書)によれば、

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いわば「複合読書法」みたいなもので「インターテクスチュアリティ」(間テキスト性)的に関連する本から本に移り渡っていくのですね。『マンガ・微積分入門』では、いきなり冒頭から「トイレットペーパーの長さはいったい何メートルか」を「微分積分」で解き明かしていくなど、すっかり数学から遠のいてしまった感覚を少しづつ覚醒させてくれるものです。

 『マンガ・微積分入門』でも「物価の上昇率の伸びとは」(p138)の項目では微分積分を用いてマクロ経済を紐解いています。また、『「超」入門 微分積分』では「株価予想は単純な微分では解明できない、確率微分方程式を使っても株価の完全な予測は不可能である」などと冷静に分析し、単純に紐づけすることへの警鐘を鳴らしています。こうなると、さらに詳しく「株価と微分」について研究した本を読みたくなってきます。

 3月19日の日経平均株価16,552.83円で前日比-173.72(-1.04%)という厳しい状況の中ですが、こうした経済現象を俯瞰視する目を養うきっかけになった本に巡りあえたことに感謝です。

最後までお読み頂きありがとうございました。





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