見出し画像

【宿題帳(自習用)】「図画工作」をやり直してみる

大人のおさらい8科目目は図画工作。

ん?

これは、何を、どうやり直せば良いのか?

まずは、図画工作の歴史を振り返ってみます。

次に、なぜ小学校図画工作が「製作」で、中学校美術では「制作」が用いられているのかについて確認してみましょう。

そして、小学校学習指導要領(平成29年告示)では、以下の通りです。

表現及び鑑賞の活動を通して、造形的な見方・考え方を働かせ、生活や社会 の中の形や色などと豊かに関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 対象や事象を捉える造形的な視点について自分の感覚や行為を通して理解するとともに、材料や用具を使い、表し方などを工夫して、創造的につくったり表したりすることができるようにする。

(2) 造形的なよさや美しさ、表したいこと、表し方などについて考え、創造的に発想や構想をしたり、作品などに対する自分の見方や感じ方を深めたりすることができるようにする。

(3) つくりだす喜びを味わうとともに、感性を育み、楽しく豊かな生活を創造しようとする態度を養い、豊かな情操を培う。

これが図画工作科の目標であり、大切なのは製作過程、同教科の取組には、一律の正解はないそうです。

正解があるとすれば、それは製作者である子ども本人が決めるのであって、子どもの「やってみたい!」を生み出す教科と言えるかもしれません。

これって、小学生の頃は、やってみたいことだらけだったよね(^^)

そう言えば、仲山進也氏の著書「組織にいながら、自由に働く。」で「自分がやりたくてやっている、「自分に理由がある」のが「自由」。 他人がやりたくてやる、「他人に理由がある」のが「他由」。」と語っていました。

「組織にいながら、自由に働く。」仲山進也(著)

子供も、大人も、何かを作ることを、自分がやりたくてやっていると感じられるかどうか。

自分がやりたくてやっている状態をつくりだし、自分自身で自分にとっての答えを追い求める自由さが、子供の頃には、たくさん有ったように感じます(^^)

ただ、自分にとっての答えが見つからない場合もありますよね^^;

グシャグシャになったり。

きたなくなっちゃったり。

思った通りにならなかったりと。

でも、それで全然構わないんだろうね。

できないことも解るし、次は、どうすれば思った通りになるか、無い知恵を絞って考えることで、自分がやりたくてやっている状態がつくられ、自分にとっての答えに向けてチャレンジできていたのかなと、今、そんな風に感じます。

合言葉は、とにかくいろんなことに興味を持って、やれることは片っ端からやる!だな(^^)

そんな造形遊びの面白さを知ったのは、学校の図画工作の時間ではなくて、実家の庭に増築したお風呂場の建設作業だったかな(^^)

今で言うところのお風呂場をDIYで作るという子供にとっては壮大な図画工作&お手伝い(@@)

もう、趣味とは言えない本格的な建物をひとつ作る作業だったので、手間と時間がかかり、簡単な作業とは言えませんでしたね^^;

子供だからと、簡単なお手伝いではなくて、どうせ手伝うならと、かなり重要な工程を父の指導の元で、あたふたとしながらも作業を手伝っていました^^;

特に、記憶に残っているのは、電動ノコギリで木を裁断したり、生コンクリート作り。

その当時は、良く分かっていなかったけど、コンクリートを作る時に使用する材料、「セメント」、「水」、「砂」、「砂利」の混ぜ方や、

・セメント1:砂3:砂利6の割合で混ぜるのが一般的です。

作るタイミングとか、

・水の量が少ないほど強いコンクリートになりますが、枠型に流し込む時はやわらかめに仕上げて、すみまで行き渡るようにします。

・また、砂利の大きさも大小混ざっていた方が表面がきれいに仕上がります。

役に立ってる実感が得られて嬉しかったかな(^^)

大人になると、創造力を高める学びの場を、自分で探し出さないといけないけど、遊びの特性をもった学習設計がポイントになるのかなと考えています。

遊びについては、様々な研究がされています。

まずは、遊びの概念と人間、そして、文化の関係を考察したホイジンガの著書「ホモ・ルーデンス」が有名ですが、「遊び」の概念を次のように定義しています。

「遊びとは、あるはっきり定められた時間、空間の範囲内で行われる自発的な行為もしくは活動である。

それは自発的に受け入れた規則に従っている。

その規則はいったん受け入れられた以上は、絶対的拘束力をもっている。

遊びの目的は行為そのもののなかにある。

それは、緊張と歓びの感情を伴い、またこれは「日常生活」とは「別のもの」という意識に裏づけられている。」

「ホモ・ルーデンス 文化のもつ遊びの要素についてのある定義づけの試み」(講談社学術文庫)ヨハン・ホイジンガ(著)里見元一郎(訳)

この理論は、ホイジンガの継承者と言われているカイヨワによって、さらに、遊びの定義、遊びの分類などに新たな考察を加えられており、カイヨワは、遊びが持っている特徴として、以下の6つの活動に集約しています。

1.自由な活動:

すなわち、遊戯が強制されないこと。

もし強制されれば、遊びはたちまち魅力的な愉快な楽しみという性質を失ってしまう。

2.隔離された活動:

すなわち、あらかじめ決められた明確な空間と時間の範囲内に制限されていること。

3.未確定の活動:

すなわち、ゲーム展開が決定されていたり、先に結果が分かっていたりしてはならない。

創意の必要があるのだから、ある種の自由が必ず、遊戯者の側に残されていなければならない。

4.非生産的活動:

すなわち、財産も富も、いかなる種類の新要素も作り出さないこと。

遊戯者間での所有権の移動をのそいて、勝負開始時と同じ状態に帰着する。

5.規則のある活動:

すなわち、約束ごとに従う活動。

この約束ことは通常法規を停止し、一時的に新しい法を確立する。

そしてこの法だけが通用する。

6.虚構の活動:

すなわち、日常生活と対比した場合、二次的な現実、または明白に非現実であるという特殊な意識を伴っていること。

「遊びと人間」(講談社学術文庫)ロジェ・カイヨワ(著)多田道太郎/塚崎幹夫(訳)

さて、現在は、大人も、子ども関係なく、面白い、楽しいコンテンツが溢れている世の中です。

それらは悪ではないし、否定されるべきものではありません。

もはや日常です。

また、習い事や各種講座等においても、その多くがパッケージ化されており、安全安心、効果的で、効率的です。

子供向けも、大人向けも、ある特定の大人によって、そのゴールまでが計算された枠の中で、利用者(子どもや大人たち)が取り組んでいるケースは少なくありません。

確かに、カイヨワの挙げる前述の遊びが持っている特徴と比較してみると、遊びの要素を含んでいますが、前述の「3.未確定の活動」についての過ごし方が、多くの点で欠けていると感じています。

やってみないとわからない。

先行き不透明。

不確かなもの。

それらは、大人でも不安で怖いものです^^;

ただ、遊びにおいては、不思議とそれは気になりませんし、むしろ、だからこそ、面白いと感じる要因です。

【参考文献】
遊び概念―面白さの根拠―

それに対して、遊び以外では、何だか常に、目標や目的があり。

それを、如何に達成できるかというような活動ばかりが目立っているのではないでしょうか。

「遊び」を辞書で引くと、「機械などで、急激な力の及ぶのを防ぐため、部品の結合にゆとりをもたすこと。」とあり、工学分野において、接合部などに設けられた隙間や緩みのことも意味します。

余白や遊びと、隙間や緩みのない目標や目的。

昔は、わざわざ、こんな事を考えなくても、多くの余白や遊びの時間がありました。

しかし、それが失われつつある今。

本来、必要のなかった学びの場にも、遊びや余白、そして隙間や緩みを加えてみる。

どの教科も探究学習であるとの位置づけで考えてみると、遊びの特性の有効性は共通していると考えられます。

この遊びの特性の有効性については、コロナ禍が続く中、小惑星「リュウグウ」から「玉手箱」を持って帰るなど、明るい話題を提供したJAXAの探査機「はやぶさ2」のミッションを果たすため、国籍も年齢も所属も専門的分野も異なる600人を越えて組織されたスペシャリスト集団を、5年半に渡って牽引したプロジェクトマネージャーである津田雄一教授の心得「常に現状に安心したり、満足したりしないで、よりよいものを探究し続けていくこと。それと同時に、暇さえあれば、面白いことをやってしまう遊び心」が、七つの世界初の実現の上で、最も大切なことの一つだと述べていましたね。

例えば、以下の様に、自身の学びの過程を再設計するとしたら、この「遊ぶ」を一番手に持ってきたいと思います(^^)

①遊ぶ:まずは遊ぶ。とにかく遊ぶ。未確定で非効率でもいい。

②価値付け:思いもよらない発見やアイデアを生み出すためには、いったん成果は忘れて、活動そのものを楽しんでいる状態をつくりだす。

③日常との接続:問いかける

④課題発見

⑤課題解決

【関連記事】
日本人の遊び心
https://note.com/bax36410/n/ne0bb47d75937

【宿題帳(自習用)】「算数」をやり直してみる
https://note.com/bax36410/n/n1f33a6570109

【宿題帳(自習用)】「社会」をやり直してみる
https://note.com/bax36410/n/ne56a9f0f0366

【宿題帳(自習用)】「外国語(英語)をやり直してみる
https://note.com/bax36410/n/n1fd2df5a44c8

【宿題帳(自習用)】「国語」をやり直してみる
https://note.com/bax36410/n/n276bf21a48b3

【宿題帳(自習用)】「理科」をやり直してみる
https://note.com/bax36410/n/ne787e401d43a

【宿題帳(自習用)】「プログラミング」をやり直してみる
https://note.com/bax36410/n/nf7a9d8b5c8d4

【宿題帳(自習用)】「音楽」をやり直してみる
https://note.com/bax36410/n/n33e7fc90543b

【宿題帳(自習用)】「道徳」をやり直してみる
https://note.com/bax36410/n/n713bcdcd4fed

【宿題帳(自習用)】「保健体育」をやり直してみる
https://note.com/bax36410/n/naa7c2f12f112

【宿題帳(自習用)】「家庭科」をやり直してみる
https://note.com/bax36410/n/n90ce454fee04

【宿題帳(自習用)】「総合的な学習」をやり直してみる
https://note.com/bax36410/n/ne8a165a33328

この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?