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「社員が働きたくて仕方ない会社」を創る方法_心理的安全編
セミナーやコンサルで企業に伺うと、経営者からこんな相談を受けることがあります。
取り立てて、大きな問題があるわけじゃないんだけど。。。
● 業績が上がらない
● 社員の元気がない
● 社員から上がる報告は、耳障りの良いことばかり
そんなときは、社員の皆さんにも話しを聞くようにしているのですが、大体こんな答えが返ってきます。
● 上司は人の話を聞かない
● 余計なことを言わない方が、評価が上がる
● 上手くいっていることだけ報告すると、上司は機嫌が良くなる
こんな上司と社員の隔たりは、悩ましいものです。
今日は、社員が働きたくて仕方なくなる会社にするためには、どうすれば良いかについてお話します。
1.インナーコミュニケーションに隠された本音
先ほどの企業のコミュニケーションは深刻な状況でした。
一見すると、上司も社員も仲が良さそうで、アフター5は飲みニケーションを頻繁にやっていました。
時々私も参加して、彼らの話を聞くと驚くべき本音が出てきました。
幹部の本音は
・ 自分の指示を部下がちゃんと理解しているのか不安を感じる
・ 今の指導育成プログラムで、メンバーは成長するのか不安を感じる
メンバーの本音は
・上司は私を理解してくれているか分からないから、何も話したくない。
・上司は話す度に言うことが違うから、分かったフリしておけばいい。
私は、これを『忖度コミュニケーション』と名付けました。
これじゃ質の高い情報なんて上がるはずもありません。
2.上司の不安も、メンバーの不安も、「心理的安全」環境がないことから生まれている
成果を上げるためには、質の高い情報共有が必要不可欠です。
そのためには目的、目標、成果に焦点を合わせて、なんでも気軽に話せる「心理的安全」が保証されていなければなりません。
では「心理的安全」とは、なんでしょうか?
それは、次の4つの不安がない環境を言います。
1.無知だと思われる不安
・ 質問すると無知だと思われるリスク
2.無能だと思われる不安
・ 失敗を認めると、無能だと思われて仕事を任せて貰えないリスク
3.ネガティブだと思われる不安
・ 批判的なことを言うと厄介な奴だと思われるリスク
4.邪魔をする人だと思われる不安
・ 意見を求めたりすると、面倒な奴と思われるリスク
つまり「心理的安全」が保証されたチームは、情報を素早く共有できる環境だと言えます。
3.「心理的安全」があるチームは、メンバーが働きたくて仕方ない組織になる
きっと読者は、こんな印象を持たれたのではないでしょうか?
「不安がなければ、社員は生き生きと仕事したくなるのは当たり前だ」
もちろん、人は不安がなくなれば安心感を得られます。
しかし、そこに成長している実感がなければ、安心に慣れきって生き生きと働くモチベーションはやがて失われていきます。
これからお話することは、最先端の心臓外科手術式のMICSを導入しようとしたA病院とB病院の実話で、「心理的安全」の意味を分かりやすく教えてくれています。
A病院は、自院のブランドや医師の名声のために、新たな術式を取り入れようとしていました。
そのため、医師は上意下達のトップに立ち、看護師や麻酔外科医などのスタッフは、あくまでヘルパーとして扱いをしていました。
B病院は、Micsという新たな術式でひとりでも多くの患者を救うことを目的としていました。
そのため、医師とスタッフは一緒になってMicsについて、各々専門分野における学習を実践し、定期的に情報を共有し、知識を体系化していきました。
その結果、どうなったか。。。
A病院は、医師の能力だけではMicsを使いこなせず、医師とスタッフは何も学ぶことができず、Micsの導入は頓挫してしまいました。
B病院は、各分野のスタッフのスキルがあがり、Micsの統合化された知識によって独自技術を生み出すことができました。
B病院の看護師は、こんなことを言ったそうです。
「Micsが当病院のブランドになったことは喜ばしいことです。」
「しかし、それよりも私達は学習したことを実践し、次への学びに繋げて多くの患者さんを救うことが、最も大きな喜びでした。」
この話から分かることは、
メンバーの「心理的安全」の源泉は、チーム全員で目標に向かって学習し、実践し、知識を体系化して社会に貢献することです。
4.「心理的安全」環境は、リーダーが創る。
では、どうすれば「心理的安全」環境ができるのか?
それは、まずリーダーがメンバーの話を聴き切ることです。
メンバーから上がる情報を論理的に整理しながら聴き切ることです。
例えば、What、Why、Howをメンバーと一緒に実践する内に「心理的安全」が醸成されるコミュニケーションです。
What(現状把握) 何が起こったのかを、主観を交えず聴き切る
Why(仮説設定) 何故それが起こったのか、一緒に考える
Why(課題設定) 解決しなくてはならない問題を一緒に見出す。
How(戦術設定) 課題を解決するための戦術を一緒に考える。
さらにWhat~Whyを時系列に記録をとって、常にメンバーとにコミュニケーションをとっていけば、一緒に変化を観察し、課題を見出しながら学習と実践をメンバーと一緒に行うことができます。
リーダーが、率先してそれをやれば、メンバーは安心して情報を上げられるようになります。
やがて「メンバー働きたくて仕方ないチーム」になっていきます。
皆さんのお考えはいかがでしょうか?
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