【ソロ】好きな理由
おはようございます、音楽家の河野一之です。
お知らせ
まずはお知らせをさせてください。
①10/30 17:30~19:30
金管バンドを練習して楽しむ会
コロナ禍になり、金管バンド難民となられた方々のために音楽、アンサンブル、そして金管バンドの楽しさをもっと味わってもらえる様に、本番一切なし、初見、上手下手関係なしの会を開設しています。
今回はPhilip Sparkeのハイランド讃歌で楽しみましょう。
③12/19 18:30予定 河野企画5周年企画「The Tuba Recital」
場所:埼玉県南越谷駅、新越谷駅徒歩5分サンシティ小ホール
The Tuba Recital -Project Kouno 5th Anniversary-
出演
河野一之、今井斐、清水初海、Riverside British Brass
プログラム
Concerto for Bass Tuba / Ralph Vaughan Williams
Tuba Concerto / Philip Sparke
A Time for Peace / Peter Graham他
④stand.fmにて音声配信中
【ソロ】好きな理由
高校三年生の頃にチューバのソロに出会ってからチューバのソロ曲が好きというよりかは伴奏と共に
自分を中心に演奏できる
という独奏=ソロが好きです。でも結構地獄の連続で、何度もチューバを辞めてやろうと思ったのもこのソロがきっかけなことばかりでした。
初めて人前でピアノ伴奏も付けてもらい吹いたのは確かトトロのネコバス、それぐらい僕の中でチューバのソロなんていうのは知らないもので、今思えばそういった王道みたいなものをあまり知らずに業界に入ったのが今の自分を形成しているのかもしれません。
ソロ=競うためのジャンルだった
その後音大に入ると「ソロを吹きたい人ー!」というオーディションがあったり、年度末には必ず怖いしかめっつらをした先生方の前で数分間チューバのオリジナル曲やクラシックの曲を演奏することが求められました。このソロの出来栄えで翌年1年間の授業の履修内容の選択肢が変わります。(成績が良い方が良いオケや吹奏楽、またはオケの中でも選曲によって選ばれる奏者が変わるわけです。)
つまり音大ではソロ=誰かと競合するためのコンペティションとして使われるばかりでした。「ソロを楽しむ」「ソロの演奏を楽しむ」という感情はあまり生まれませんでした。
やりたい放題で自由気ままにやっていた僕ですら、とにかく「ちゃんと吹かなきゃ」というのが先行していた気がします。
なのでとにかく大学4年間ではソロ=緊張することばかりでした。めちゃめちゃガッチガチになったり演奏中の数分間の記憶がないことなんてザラでした。さらに演奏終了後、先輩から「君の音には魅力がないね」など言われることだってありました。
さらにそんな感じのソロの演奏だったので音大での4年間はチューバの同級生の中では万年ビリ、つまりソロの演奏に対して自信を持てる機会なんてほぼありませんでした。
あえて”ほぼ”と書いたのには理由があります。それはブリティッシュブラスバンドという授業で金管バンドに出会い、Eb Bassというチューバに出会ったのです。
詳しいことはこちらに
ソロの固定概念が崩れた
今まで吹いていたTuba in Fではなく、Tuba in Ebしかもフロントアクションではなくトップアクションの僕がその昔チューバを始めた頃に使っていたタイプと似ている楽器です。
この楽器でフィリップ・スパークのソロを吹いた時に年度末の試験ではないにしろ学内で四年生だけが履修でき、その履修生同士で競い合うソロのコンテスみたいなもので上位に食い込め選抜をしていただいたのです。(後日、「君の場合は演奏の成績だけじゃなく出席も良かったからだよ」と余計な一言は言われましたが)
4年間でたった1度だけ、それが僕の中で自信になりました。
その後、大学を卒業し、Tuba in EbのBesson BE981というタイプの楽器を購入しブラスバンドの世界で生きようと思います。
そしてブラスバンドの世界でソロを吹いたり、イギリスへ留学しソロやバンド活動を通じて
「ソロの楽しさ」
を知っていったのです。
ソロの楽しさ
恐らく一人っ子気質+鍵っ子だったという成長過程から僕はひとり遊びに関してはプロです。
一人で0から1を生み出したり、その1から10~100と何かを発展させて自分の世界を作るのが得意です。
ソロも同じ様なものです。演奏うんぬんは大前提ですが、どういうホールでどういうテンションで、どんな人に、どんな衣装で
全て任せてもらった方が得意なのだということがわかりました。さらに言えば聞いてもらう人は審査員ではなく、音楽を純粋に好きな人が良いです。(僕のことが好きとかなら尚更です笑)
もともと上記の様な気質があるので、勝負事があまり好きではなく、競う相手もあまりいなかったので誰かと競い合うというのにもそんなに興味を持てません。
それよりも自分が素晴らしいと思うものを創意工夫して作っていく方が好きです。なぜならコンテストの審査員が例えば5人いたらその5人の価値観に合わなくてはなりませんが、そうでなければ地球上の70億人の誰かに刺されば良いわけです。日本で言えば1億2千万人です。
なのでこの自分が素晴らしいと思う演奏をするために練習をし続けます。そうすると「ここはもっとこうしてみよう」とか「ちょっとここら辺はうまくアイディアが浮かばないから他の人が演奏しているのを聞いてみよう」など自分との対話というか昔レゴやゴジラやウルトラマンで遊んでいた頃の様な感覚が蘇ってくるのです。
まとめ
そんな河野のソロ、今日聞けます。場所は埼玉県川口駅最寄リリアで開催します。
もしご都合宜しかったらお越しください。
Thank you
Kazz
サポートして頂いた支援は全て金管楽器や金管バンドの奏法の研究、音楽を使ったエンターテイメントの発展に使用させていただきます。