見出し画像

河野が金管バンドを愛する理由

おはようございます、河野企画代表、チューバ奏者、指揮者の河野一之です。

オーケストラや吹奏楽、ポップス、ジャズ、様々なジャンルがある中

河野が金管バンドを愛する理由

画像5


1、良い意味で単純、そして奥深い

金管楽器と打楽器のみで構成されている金管バンド

楽譜もト音記号表記のIn Eb&Bb、ベーストンボーンとTimpや音程付き打楽器だけト音&ヘ音記号のIn C、そして他打楽器は打楽器譜。と大きく分けてこの三種類

さらに金管楽器のみゆえバジングとピストンやスライドを動かすことさえできれば演奏できちゃう。

この単純明快、超実力主義な金管バンドの世界がすごく好き。

またオーケストラや吹奏楽に比べ楽器の種類が少ないことから1つの楽器に求められる役割がとても多い。=知識や経験がもろに出るジャンルだ。そこも超実力主義で好き。単純明快でオーケストラ編曲や他のジャンルの曲を演奏する際に不勉強な人はすぐ音でわかるし、勉強の上での演奏はまるで金管バンドではないかのように聞こえる。

画像1

2、求められる役割が多い

例えばチューバ、オーケストラや吹奏楽でははっきりとSop, Alto, Tenor, Bassとあったら最低音域のBassパートとしてバンドの音色や音程の根底を務める。(2%ぐらいソロも出てくるけどね)

でも金管バンドではTenorパートも演奏する必要があるし時にはずっと旋律だ。また木管楽器や弦楽器のような連符の応酬やオーケストラの本気のpのように静けさに緊張させられるような強弱のコントラスト(ダイナミクス)も使う。必要とされる音域も近年ではとても広い。

オーケストラや吹奏楽でもEb Bassは使うし、それぞれ全く表現の仕方は異なるけれども、金管バンドも同様で吹き分けを強く求められる。

画像2

3、ファミリー

同じバンドの人たちは家族だ、バンズマン同士は家族だ。と教わった。

この考え方がすごく好きで年長者は若者を息子や孫のように可愛がり、若年層は敬意を払って共に演奏する。日本式の年功序列の良いところだけを取り出した感じだ。その反面もちろん人間性が乏しい人は同じバンドに所属し続けるのは難しい。

家族だ、親友だ、友人だ。このぐらいの信頼度がないとオーケストラや吹奏楽と比べ奏者間の距離も近く、同属の楽器同士で演奏するこのジャンルは”合わない”。この”合わない”はタイミングだけでに止まらず音色、音程の上に成り立つ表現もである。

人同士の絆や信頼関係がもろにでるジャンルであると思う。(これは他の音楽にも言えるね。)

画像3

4、プロとアマチュア

僕たちの母国、日本では
・年功序列
・専門的知識がある、楽器が吹ける=先生、上の人。
習う人、楽器がある人より吹けない人=生徒、下の人。

のような文化を感じる。(人それぞれなのはわかっているのでここは僕の意見)

でもオケや吹奏楽に比べプロがいない金管バンド業界では上手い下手、プロかそうではないかというのが身分に関係せず(日本で言えば)年齢ぐらいでしか反映されないのですごく好きだ。

プロ=先生、ちやほやされる

という図式が苦手で、この業界では自分が職業音楽家なのを忘れられる。つまり河野一之、Kazz、チューバ一本、指揮一本で勝負できるところが好きだ。

英国の僕の友人たちや指揮をしている素晴らしい音楽家でさえ金管バンドではフランクに接し合うし彼ら自身も毎年様々なコンテストで優劣を競い合っているから偉ぶったりしない。偉ぶる人は指揮者として呼ばれない。=挑戦し続けている人は人に偉ぶったり高圧的な態度に出る暇がない。

また日英両方とも、プロより素晴らしい演奏をする奏者はごまんといる。つまりただそこに存在するのは音楽を職業としているかしていないかの違いだ。なので金管バンド業界はいい意味でトップからロウまで超実力社会なのだ。単純明快素晴らしい!

画像4

5、人が好き

この業界にいる人たちの人柄が好きで、河野の超偏見だけど

・酒が好き
・楽器が好き
・人が好き
・金管バンドが好き
・心が暖かい人が多い
・良い意味で変な人が多くて好き(反応や物の見方がこちらの想像を超えていて好き)

もう一回書くけど、僕の偏見の上での意見だからね

でもこういう人たちが僕には多く見えてすごく好きだ。

まとめ

この時期になると英国留学を終える直前の記事がFacebookに上がってくる。

そこには帰国の寂しさと帰国してからの新世界へのワクワクな気持ちが溢れ出る記事ばかりだった。

あの時選べた選択肢で、例えば頑張って英国で働き口を探して在英期間を伸ばすこともできたかもしれないけれど、僕の気持ちの中では留学を決めた時の日本金管バンド業界をもっと面白くしたいという気持ちが強く帰国を決意した。(日本金管バンド業界のためではなく、僕がただそうしたかっただけ)

帰国して7年、今こうして振り返ってみてもいまだに僕はもっと自分の人生同様金管バンドを面白くしたいとしか考えていなく毎年この時期は原点回帰の気持ちでいっぱいだ。

Japan United Brass Projectしかり、金管バンドして、気なんか使わず飲んで騒いで褒めあって、みんなで大笑いする時間が待ち遠しい

今日はそんな話







この記事が参加している募集

サポートして頂いた支援は全て金管楽器や金管バンドの奏法の研究、音楽を使ったエンターテイメントの発展に使用させていただきます。