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自分の録音が下手に聞こえる
おはようございます。河野企画代表、チューバ奏者、指揮者、金管バンド専門家の河野一之です。
Mokuji
チューバ奏者として指揮者として活動をしていると自分が理想とする音楽をお届けし、お客様にお喜びいただくために練習を行う。
そういう中で自身が演奏するのもそうだし、指揮をさせていただくときも”録音”を行いその演奏を客観的に観る時間を作ることが多い。
そうした中で特に本番での録音を本番直後に聞いた時、その心理状況によって物凄い聞こえ方の違いがあることに気づいた。
これは人生における世界の見え方にも共通することに気づいたが、僕たち人間の、とりわけ僕の思い込み、想いの力というのは想像を超えた強さである。
思い通りにいかなかった、想いが薄い所ばかり覚えている
大多数の人たちに覚えがあるだろうが、自分が演奏し終わったあと覚えているのは”うまくいかなかった場所”であろう。これはネガティブからくる部分もあるが、より上手になりたい!思い通りに演奏したい!という想いから”その箇所”を覚えておき後々に活かすという習性からも来ている。
そのため演奏後の録音を聞いても良かったところに着目できずにより改善できそうな所ばかりが聞こえ前向きであればいいが、そうでない場合凹んだりする。
過去の大失敗
高校まではソロなどやらず吹奏楽部で楽しく吹いてきた。でも音大に入るとソロの成績でそれぞれの合奏授業への配分が決まることがほぼ100%だった。そのためソロの成績がとても重要視される。
なので12歳からチューバを演奏していて17歳の受験間際になって初めて僕はソロを練習し始めた。それまでチューバにソロがあるなんて知らなかったしね。
そうして音大に入り突然のサバイバル、日本中から集まった素晴らしい奏者たちが切磋琢磨する場で右も左もわからない、しかも強気な性格なため反対咬合の手術から帰ったばかりなのに選ぶ曲は難しいものばかりといった具合に無茶ばかりしていて、大学でのソロの本番は9割方失敗だったかなという思い出が強い。おかげさまで前にも書いたが大学4年間のソロの成績は万年ビリであった。
そうした記憶があるので自分自身のソロにはトラウマ的な緊張をいまだに持っている。なので今だに自分の録音を聞くと失敗した箇所や改善点ばかりに耳がいきとても凹むことが多い。結構出てくる気持ちは”またか”とか”やっぱり”とかだ。恐らく自分で引き寄せている部分も多いだろう。
理想も高く、比較もしている
昔からプライドだけや理想はめちゃくちゃ高い、また自分が素晴らしいと思う奏者がいたとしたらそれらみんな気持ち的にはライバルに感じることが多い。
なので自分の演奏と他者を比較し少しでも劣っている箇所に着目してしまい凹んだりするのだ。本当は自分自身にも唯一無二の素晴らしい点があるのにも関わらず。
ここで1つ衝撃だった例をあげる。
昨年のリサイタル初演の終了後、Youtubeにアップする曲を選び数曲アップした。
反応は上々で自分自身初めてにしては満足の結果となった。
その後ある時とても自分の演奏に悩んでいた時があった。そういう悩みに陥った時自分の癖で何もかも嫌になる時がある。それは”今”や”未来”という時制だけに関わらず”過去”の自分の演奏さえ否定してしまうのだ。
でも現実は異なる時の方が多いようだ。ある時先ほど書いたように”大学時代の自分の演奏はひどかった”という内容の記事を書いた時実際に当時同級生だった友人から”そんなことなかったと思うけどな”という一言をもらった。
また上に書いた何もかも嫌になった時期に本当かどうか今一度当時の録音を聞いてみたのだ。
あの時はあの時で全力だった
当時の録音を聞いてみると確かにネガティブな思考で聞いたらミスが誇張して聞こえやすいが心を落ち着かせ客観的に、自分が知らない人が演奏しているのをポジティブな気持ちで聞いているような感覚で聞いてみた。
めちゃめちゃいい演奏だった。
過去に教わった自分自身の改善点や癖が100%改善できているかといえばそうではないが、確かに物凄い成長を感じられるし、今の自分でさえ”こういう風に音楽を表現するだろうな”という点がしっかり表現されていた。
なので全てはネガティブな気持ちが見せていた幻影だったし、想いが強すぎるために見せていた勘違いであった。
まとめ
河野の弱点はチューバ奏者なのだけれども、チューバに関してめちゃめちゃネガティブであるという点である。
演奏会を企画したり、人前で喋ったり、大人数をまとめる運営をしたりするのは全く問題ないのであるが演奏に関してネガティブすぎるのである。なのでこうやって恥ずかしながらもアウトプットをすることにより自分と向き合ってるのである。
僕自身へのエールでもあるけれども、もし同じようにこういう気持ちになる人がいたら
・自分が思ったよりも僕らはいい演奏をしている
・自分の失敗=聞き手にとっての失敗ではない
・完璧な演奏は存在しない
・どんな素晴らしい奏者もその時その瞬間のベストを尽くしているだけ=ベストが出せているとは限らない
・ベストを尽くしてきたのであれば、過去を否定する必要はない
・何もかも違う他人と自分を比較する必要はない
こういうことが言える。
また結局この悩みや葛藤、試行錯誤は今や今後悩まれている人たちへのエールにもなるだろうし、自分にとっても糧になることは間違いない
とにかく好きなのであれば、僕らは練習続け、前へ進み続けるしかないのだ
よく妻にストイック過ぎると言われるが気づけない河野でした。
Thank you
Kazz
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