生活インフラ研究会

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初学者が学ぶ生活インフラ:「トラック運編」

日常生活を送るうえで欠かすことができないインフラである運輸について,調査します. 最近,以下のようなニュースが出ていました. このニュースでは,トラック運送業者の57%が赤字状態であり,小規模事業者ほど慢性的な赤字がとなっている事が言われています. この結果をみて,そもそものトラック輸送業界の全体について気になったので,まとめて行こうと思います. 参考資料は以下のリンクになります. 日本のトラック輸送産業の現状と課題2023 食品ロス削減ガイドブック(令和4年度版

    • 物流業界を理解する②3PL

      <3PL(サードパーティーロジスティクス)> 前回の記事では物流というのは 「モノ(商品)が生産され、消費者にいたるまでのモノのながれ」 であり、さらにそれは生産から消費までの流れに沿って大きく4つのフローに分かれているということを知りました。 一般的にはこの流れにおいて、荷主が配送先となる顧客などに対してものを届けたい時には、運送会社を介して物を運ぶケースがほとんどです。BtoBやBtoC、さらにはルートとして陸海空などに分かれておりそれぞれの運送を担う企業が存在します

      • 物流業界を理解する①<物流のフェーズ>

        「物流業界を理解する」と題して、これから何回かに分けて物流業界とは何ぞやということを掘り下げてみようと思います。 第一回は物流のフェーズについてです。 そもそも「物流」の定義ですが、例えば以下のように表現している例を見つけました。 さらにこの「ながれ」を分解すると以下の4つのフェーズに分けることができます。 上から順番に調達=>生産=>販売=>静脈という順番で流れています。 この販売物流に当たる部分は、企業が生産した製品を消費者に届ける部分にあたるため、我々が一番物流の

        • 貿易(空と海の補完性)

           世界の物流は、貿易量(トン)ベースでは、国際貿易の大半が海上輸送により担われている一方、貿易金額ベースでは航空運送が多く活用されている。例えば、貿易金額ベースでは、日本の場合は約4割、米国の場合は約3割が航空輸送を活用している。これは、付加価値の高い製品の生産については、国際的な分業が拡大するとともに、航空輸送の利用による運送が増加することに起因する。  また、海上輸送や空運輸送で国境を越える前においても国境を越える後においても、トラック輸送や鉄道輸送、更に倉庫といった国

        初学者が学ぶ生活インフラ:「トラック運編」

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        • 生活インフラ:働き方
          4本
        • 生活インフラ:物流
          5本
        • 生活インフラ:散歩
          2本

        記事

          散歩道:「インド オールドデリー編」

          インドの首都であるデリーの旧市街であるオールドデリーという街を散歩してきたのでその道中をレポートします. 散歩ルートルート:市場〜モスク〜レストラン(約20分) デリーチョル市場からカリムホテルというレストランまでを散歩しました. この街は,元々ムガル帝国が治めていた土地で,今でもムガルの文化が多く残っています.今回の散歩では,その雰囲気を残すモスクであるジャマ・マスジット,そのモスクに連なる市場,そしてムガル宮廷料理を振る舞うカリムホテルを散策します. オールドデリ

          散歩道:「インド オールドデリー編」

          燃料費の上昇が物流業界に及ぼす影響

          1.現状  2020年4月から高騰が始まっている。 2.原因 ①新型コロナウイルスの影響  →世界中でロックダウンを行い、経済活動がストップ ②ロシアによるウクライナ侵攻 ③円安による輸入コストの上昇 ④原油国の自主減産  →市場に出てくる原油の減少 3.政府の対応  2022年3月4日にガソリンや軽油・灯油・重油の元売り会社に補助金をつけ、ガソリンがこれ以上高騰するのを防ぐといった対策を発表。(「燃料油価格激変緩和補助金」)  →この補助金のおかげでガソリン代は約30円

          燃料費の上昇が物流業界に及ぼす影響

          初学者が学ぶ生活インフラ:「時間外労働に対する割増賃金」

          2024年4月1日より,生活インフラの労働力に直結する「働き方改革」が実施されます.本ページでは,割増賃金についての変更点で学んだことをまとめます. 働き方改革についての割増賃金以外のまとめは以下のリンクにあります. 参考サイトは以下になります. 改正ポイント中小企業が,今まで60時間を超える労働に対しての割増賃金が25%だったのが,50%に引き上げられます. 中小企業・大企業定義 大企業の定義は,①の資本金額 or 出資の総額と②の労働者数が,いずれかに含まれる場

          初学者が学ぶ生活インフラ:「時間外労働に対する割増賃金」

          航空貨物輸送(JALとヤマトの提携)

           2024年4月からJALとヤマトが提携するみたいなので、航空貨物輸送が持つ可能性について考えてみた。 日本の現状 現在、航空輸送は国内貨物輸送の1%しか行われていない。 →陸と比べコストが8倍ほど高くなるのと、環境によくない。 欧米などとは違い貨物専用機が少なく、旅客輸送と同時に行っているというのが現実。しかし、航空機ほど、短時間で長距離にモノを運ぶことができる手段はない。 JALとヤマトの提携詳細 JALは経営破綻以降、貨物専用機を手放していたが、今回の提携を機に、3

          航空貨物輸送(JALとヤマトの提携)

          散歩道:「インド ガヤ編」

          インドのガヤという街を散歩してきたのでその道中をレポートします. 散歩ルートルート:ガヤ駅〜ガヤ公園(約25分) ガヤジャンクションからガヤ公園までを散歩しました. ルートは,以下で確認できます. 散歩道ガヤについて ガヤは,デリーから電車で約16時間ほどで行くことができる都市です. ブッダガヤ(ブッダが悟りを開いた場所)へ車で約30分で行くことができる都市で,古くから仏教とヒンドゥー教の聖地という特徴があります. ガヤ駅 散歩のスタート地点は,ガヤ駅です. 非

          散歩道:「インド ガヤ編」

          物流総合効率化法について

          概要  流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(物流総合効率化法)は①輸送網の集約、②モーダルシフト、③輸配送の共同化等の輸送の合理化により、流通業務の効率化を図る事業に対する計画の認定や支援措置等を定めた法律です。  国土交通省では、昨今の物流分野における労働力不足や荷主や消費者ニーズの高度化・多様化による多頻度小口輸送の進展等に対応するため、同法に基づき、「2以上の者の連携」による流通業務の省力化及び物資の流通に伴う環境負荷の低減を図るための物流効率化の取組を支援

          物流総合効率化法について

          初学者が学ぶ生活インフラ:「時間外労働の上限規制改定」

          2024年4月1日より,生活インフラの労働力に直結する「働き方改革」が実施されます.その中でも,本ページでは,労働時間について何が変更されたか学んだことをまとめます. 働き方改革についての労働時間以外のまとめは以下のリンクにあります. 参考サイトは以下になります. 背景:労働基準法の変更⻑時間労働は,健康の確保を困難にするとともに,仕事と家庭⽣活の両⽴を困難にし,少⼦化の原因,⼥性のキャリア形成を阻 む原因,男性の家庭参加を阻む原因となっています. ⻑時間労働を是正す

          初学者が学ぶ生活インフラ:「時間外労働の上限規制改定」

          2024問題②~業務の効率化~

           2024年4月1日から労働基準法が改正され、トラックドライバーの時間外労働の上限時間が960時間までに制限されることとなったことを2024問題という。  法改正により、ドライバー不足に拍車がかかる2024問題を解決するためには、①業務の効率化②物流ネットワークの見直し、③価格交渉(ドライバーの働く時間を短縮しつつ業界としては物流の生産性を高めること、配達方法、運賃の見直し)の3点を中心に考えていく必要があることは言うまでもないであろう。  今回は1つ目の業務の効率化につ

          2024問題②~業務の効率化~

          2024問題について①

           今回は2024問題について書いていこうと思う。2024問題とは、2024年4月1日から労働基準法が改正され、トラックドライバーの時間外労働の上限時間が960時間までに制限されることとなったことをいう。  これの何がそんなに問題かというと働ける時間が短くなったことで、ドライバー不足に拍車がかかることである。(現在のドライバーの数のままで、労働時間が短くなってしまったら、輸送機能は14パーセント不足すると言われている。)  前提として、トラックドライバーは他の業界と比較し、賃金

          初学者が学ぶ生活インフラ:「働き方編」

          2024年4月1日より,生活インフラの労働力に直結する「働き方改革」が実施されます.この内容について学んだことをまとめます. 調査概要この法令の目的は,長時間労働の抑制や雇用形態に関わらず公正な待遇の確保等になり,そのために改定されるもので,生活インフラに関連する業務全てに関連します. 参考資料は,下記になります. 改定内容改正の根拠の法令は,「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(平成30年法律第71号)です. この法令により,下記の法令が改定され

          初学者が学ぶ生活インフラ:「働き方編」