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プレイリスト

11月も半ば。何となく、「今年ももう終わるなぁ〜」ムードが世間に漂い始めているような気がする。

今年の出来事としては時代が令和に変わったことが最もデカいが、同時に平成の30年を振り返ったり、ネットではそれぞれ自分の「10年を振り返る」投稿がよく見られた。

一瞬、私も「10年間を振り返る」をやってみようかと思ったけれど、面倒くさかったのと地味過ぎて逆に落ち込みそうだったのでやめた。

その代わり、何となく「10年前あたり」を思い出してみた。

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10年前、私は高校生一年生だったのだが、高校時代はまさに暗黒時代であった。

入学した学校に馴染めなくて友達ができず、勉強にもついていけず。授業が終わったらまっすぐ家に帰り、「5時に夢中!」を見て笑って何となく救われた気持ちになったり…。

そんな日々が2年ほど続き、高校3年生になると、大学受験を控えて勉強三昧の生活を送った。

漫画とかドラマで見ていたような華やかで楽しい高校時代とは程遠かったけれど、その暗く地味な時間に、自分の趣味や人格は形成されたような気がする。

邦楽ロックは今でも大好きだし、懐メロもよく聴く。都会の夜を歩くときはテクノっぽい曲をかけたくなる。音楽は詳しくはないけど大好きなので、色んな曲にまつわる思い出やエモがある。

本は、向田邦子とか井上ひさしとか昭和のエッセイが好き。小説だと吉本ばななとか西加奈子が好きだ。

ある程度大人になるとライフスタイルは多様になるし、「好きなものは人それぞれ」という概念をほとんどの人が持つようになるが、高校生くらいまでは人と違うものを好きだったりすると、単純に変わり者扱いされることが多かったように思う。

人と違うものが好きでも、なるべく浮かないように取り繕うことが生きる術なのかもしれないが、私はそれが上手にできなかった。

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あれから10年経った今、私は表面上は東京のOLとして、毎日ギリギリではあるが何とか周りとうまくやりつつ日々を過ごせている。

音楽サブスクリプションで作っているプレイリストは、昔TSUTAYAでCDを借りてiTunesに作っていた時のプレイリストと選曲があまり変わっていない。

こうして自分の好きなものや思いを伝えられる場があるのも嬉しい。

今では「人と違っても別にそれはそれで良いんじゃないか」と思っている。


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