クラムボン

哲学と文芸批評。文学修士。29歳。作家歴:同人雑誌『アニクリ』10号に小説「瞳の中」、…

クラムボン

哲学と文芸批評。文学修士。29歳。作家歴:同人雑誌『アニクリ』10号に小説「瞳の中」、4s号に短編「さよならグリーン」、12号に小説「非言語ゲーム」、2s号「いびつな三角形」を寄稿する。『潮が舞い子が舞い』と『アリスと蔵六』の影響受け。リアルと物語の間に付き纏う緊張を常日頃考える

最近の記事

  • 固定された記事

ツイート纏め

まとめて後で読むために僕のツイートの中でも再読する価値のあるツイートをここに纏めている。 元々はVTuberの話をしたかったのだが、ヒントだけ残っている。

    • 『ブランダム 推論主義の哲学』 読書会の募集

      こんにちは。クラムボンです。 新しい読書会を立ち上げることになりました。この読書会で読むテキストは白川晋太郎さんの『ブランダム 推論主義の哲学』です。最初はレジュメを用意してレジュメを読む方式でやりましょうと提案しましたが、他のメンバーの事情により、全員の輪読でテキストの箇所を読む方式に決定しました。 リンク https://amzn.asia/d/4tHoxFm 想定する人数は5人を目処にして、あと3人以上が参加するのであれば、始めたいと思います。オンライン読書会になり

      • ゲンロンカフェ(小説)

        「今日何かいいことでもあったの?」 「いいえ。ひとつも」 「そうか。表情が晴れててそう思った。僕は人を待ってる」 「誰ですか?」 「それは秘密だね」 僕は机の向こうで電話を待っている東浩紀さんが、誰を待っているのか気になった。その前「興味がある」と言ってたニューヨーク出身の日系アメリカ人の女性かもしれない。または、彼が最近興味を持っている、ほかの人かもしれない。僕は彼の口からの返事を待たずにーこんな事はしばしば起こるのだーゲンロンカフェから外に出た。 「おはようご

        • 雲の向こう、ESの場所

          タイトルは新海誠監督の映画『雲の向こう、約束の場所』をオマージュしたものである。もちろん映画の中で主人公の二人は「約束の場所」にたどり着けない。そもそも約束した場所なんてこの世に存在しないのかも知れない。そこにはあらゆる可能性があるのだが、今回したい話はそれとはちょっと異なる。 例えば大学の新入生が自分の専攻を選ぶ際、彼・彼女は偶然の出来事や偶発的な選択で専攻を選ぶことがしばしばおこる。一年生には有限の選択肢がそれぞれに与えられる。選択肢の中で一つの選択肢を選ぶのは大概「自

        • 固定された記事

        ツイート纏め

          夢と近況

          今朝の夢はすごい夢だった。 僕は大都市の街ー渋谷や新宿みたいな、いつも人が混んでいる所ではないーでコーヒーを淹れる屋台みたいな、得体の知れない店(ワッフルも売っていたような気がする)を発見した。そこのコーヒーは抜群に旨いと街では評判だったらしい。噂の通り列も長かった。僕は後ろに行ってコーヒーを飲むために(他にやりたいことがなかったから)並んでいた。しかし、突然列が分岐して後ろから前に移動することになった。そこから夢の内容は急変した。 その後ろにコーヒーのために並んでいるお

          呟きと真剣交際など

          「未来の大阪府、関西弁を駆使するトゥアンとミァハ(15歳)は18歳未満の「真剣交際」を押し付けられる社会の雰囲気に抵抗し、「真剣ではない身体目的の交際」をすると決意。しかしトゥアンはミァハにガチ恋をしてしまった。彼女の身体に手を出すミァハは大阪府警倫理課に殺され、それから13年が経った…」これは冗談なんだけど、『ハーモニー』の感想にもあり得る。 ぱげらったさんの「妹が分 裂した」を10話まで読んだ。思春期のある時期に想像界と象徴界の部分が強制的に分離されて、その経験から「裏

          呟きと真剣交際など

          来歴の河を渡る

          僕はゼロ年代が嫌いだ。前回の文で青山景の『ストロボライト』を扱っていて、その漫画に「来歴の河を渡る」という台詞が最後に独白として現れる。 青山景の『ストロボライト』は、まるで夏目漱石の遺作の『明暗』がそうであるように、ゼロ年代を精一杯生き抜いてきた浜崎という主人公が、町田ミカの眼の中に存在する「人」の存在を発見して自分が犯した罪と自分の才能に気づき、小説家になってまた町田ミカの家を訪れる。そういう文脈で読者に提示されるのが上の「俺は傷つきながら来歴の川を渡ってきた」という、

          来歴の河を渡る

          呟きなど

          僕は漫画から「離れること」ができないため、漫画が描けない。逆に僕は小説から「離れること」がときに、偶にできるため小説が書ける。映画もそう。あらゆる映画から「離れること」ができるので僕はきっと映画も撮れるはずだ。映画を撮らないだけで実は、僕の中には編集を待っている映画が何本もある。 青山景の「ストロボライト」から逃げる。それが20代の目標。 千葉雅也の『動きすぎてはいけない:ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』を読み返す必要がある。伊藤計画の『ハーモニー』を読んでみる。消失の