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夢と近況

今朝の夢はすごい夢だった。

僕は大都市の街ー渋谷や新宿みたいな、いつも人が混んでいる所ではないーでコーヒーを淹れる屋台みたいな、得体の知れない店(ワッフルも売っていたような気がする)を発見した。そこのコーヒーは抜群に旨いと街では評判だったらしい。噂の通り列も長かった。僕は後ろに行ってコーヒーを飲むために(他にやりたいことがなかったから)並んでいた。しかし、突然列が分岐して後ろから前に移動することになった。そこから夢の内容は急変した。

その後ろにコーヒーのために並んでいるお父さんがいて、父さんの視線から逃げるために僕はビルの地下街に入ったのだが、実は地下街というよりビルの下は発掘途中の地層みたいになっていて、えらいことになっていた。僕は連れに「仕方ないな。このまま下に降りてみよう」と言って地層の中に潜入した。そしたら広い部屋が目の前に現れた。部屋?と思ってその部屋に住んでいる人々を観察した。昔の、中学時代の友達もいれば、知らない人もいた。知らない人と共に行動するらしく、友達は「ここで君は何かをやらなければならない」と、脅かすのではなく合理的な口調で話した。

それでもやっぱり可笑しいのである。なぜそこに友達がいて、知らない人達はビルの地下で僕たちを待っていたのか。無論夢の中で僕は疑うことも出来ずに、人たちの言葉を信じて何かをやった。具体的には覚えてないのだが、重要な仕事をやってそれからパーティを開いた。実は、このパーティというのも怪しいんだけど、多分これは夢の物語的には「パーティ」じゃない別の何かだと思う。それはさて置き、僕は医大を卒業した友達と一緒に(夢中で連れが変わる事はしょっちゅうある)部屋を出ようとした。でも脱出が上手くやりきれず、夢の最後は曖昧な、もちろん僕が覚えていないだけかもしれないのだが、エンディングに帰着した。起きたら時はもう昼ごろだった。

ここで夢の内容を親切に解説するのも良いかもしれない。でも、敢えてそうしないことにした。代わりに、夢と現実を繋げる糸のようなものを期待しながら同時にそれが無理だと判っていても、僕の近況を並べる。

僕は一月の末から2月の中旬にかけて、どうしてもどう足掻いてもやるべき仕事ができない状態で、仕事せずに映画を見たり、美味しい料理を食べに行ったり、アニクリに寄稿する短編小説を書きながら鬱屈な気持ちでスランプの時間を過ごしてきた。しかし、今考えてみればそれば長いサイクルの中では跳ね飛ぶ時間の寸前に経験するしかないスランプだったような、そんな気がする。昼はそんな風に過ごしたけれど、夜も眠れぬ日が続いていて、僕は心臓が止ったら一人で死ぬのではないかと不安に駆られた。本当に死が怖かった。僕の不安を嘲笑うかのように、身体は朝になれば元気になっていた。それがバレンタインデイを起点に回復し始めたと思ったら、昨日の夜、変な夢を見たせいでいろんな思いが頭の中を奔走するのを抑制できず、まるで僕は夢に揶揄われる様になっていた。

夢の僕(コーヒーの列からビルの地下に潜入した別の自我を持っている人)は一体何が言いたかったのだろう。もしも僕が見失っている大事なメッセージがあれば、夢は「物語」の形を借りてそれを無雑作に(ランダムに等しい無意味な事件の羅列で、これは夢の中で一杯のコーヒーを待っている人の列が急に分岐したのと共鳴するのでは?)提示することで、リアルの僕にそのメッセージを伝えようとしたかもしれない。現在の段階でそれが何だったのかは判らないのだが、最近書いている短編の内容が夢の内容と一致するような、一致しないような気がして、やっぱり仕事を再起動するためにも今書いている小説を完成するべきだと、それしか答えはないのだと思っている。

PS. Apple Musicで高峰伊織の「POLESTAR」と「Nil」をひとつのリストに纏めてそれをずっと流している。素晴らしいアルバム。

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