お探し物は図書室まで
本当は紙の本が好きなのですが、今は賃貸に住んでいることと、実家が本の重みで傾いたことがあったので、本を買い手元に残すのは厳選しなければなりません。そこでいつも利用するのが図書館です。けれど購入してもらう本にも限りがありますから、自分で購入する際はまずKindleを利用するようになりました。
そういうことで、昨夜本屋大賞候補作品を1冊Kindleで読み終えました。
お探し物は、本ですか?仕事ですか?人生ですか?悩める人々が立ち寄った小さな図書室。不愛想だけど聞き上手な司書さんが思いもよらない選書と可愛い付録で人生を後押しします。『木曜日にはココアを』の著者が贈る、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。(「BOOK」データベースより)
著者の青山美智子さんはデビュー作「木曜日にはココアを」で第1回宮崎本大賞を受賞し、同作と2作目「猫のお告げは樹の下で」によって未来屋小説大賞入賞と勢いのある作家の一人のようです。私は本作が著者の作品初読みです。
本作の舞台は公民館に併設された小さな図書室。そこの司書小野さゆりさんは、訪れた人たちとの何気ない会話から、彼らに寄り添った本を選書され、彼女が選書した本と出会った人は自分の人生と前向きになっていく、そんな彼らの姿を描いた連作短編集です。
1 朋香 21歳 婦人服販売員
2 諒 35歳 家具メーカー経理部
3 夏美 40歳 元雑誌編集者
4 浩弥 30歳 ニート
5 正雄 65歳 定年退職
性別も年代も職業も全く違うのですが、これら5人が本と出逢うことで、自分が本当に「探している物」に気がつき、明日への活力が満ち、社会とつながるさまに自然と勇気がもらえます。さらにこの5人に何かしらのつながりが出てくるところもとても素敵でした。
小野さんが選書が終わるとカウンターの下にある引き出しの中から、小さな毛糸玉のようなものをひとつだけ取り出し、「本の付録」と言い本のリストを印刷した紙と一緒に渡してくれる羊毛フェルトも、想像するだけですが、とても可愛らしく、実際にあれば欲しいなと思ってしまいます。
「どんな本もそうだけど、書物そのものに力があるというよりは、あなたがそういう読み方をしたっていう、そこに価値があるんだよ」
司書のさゆりさんの言葉は、本を読む全ての人に向けての言葉だと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日という1日があなたにとってかけがえのない1日となりますように。
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