バーテンダー、韓国のBARを巡る。 ~三日目(最終日)
韓国滞在三日目、夜が遊べる最終日。
翌日の昼過ぎに出国予定。
M+MS
2日目の最後、Tea Scentで「Chamにもう一度トライしようと思っている」と話したら「その近くならココ」とオススメしてもらった。
入るととてもシンプルな内装。
バックバーを見渡すと無機質な手製感あるボトルが並ぶ。
カウンターの端や奥に減圧蒸留機やら真空機、加圧容器などがあるのでなるほどそういう方向性なのね、と理解。
メニューを見せてもらう。
聞くとシグネイチャーはシーズンによってコンセプトから組み立てるとの事。
今季はファッションブランドのイメージをカクテルにしたものだと。
正直、どのブランドもそれ自体に興味もなければ着たこともないところばかりなのでブランドイメージとドリンクがリンクすることはなかった…(supremeなどだったから、たぶんストリート方面なんだと思う…。こういうところ、歳を喰っていると辛いものがありますね)。
しかしカクテルはそのストリートイメージとは裏腹。構成は攻めすぎない、バランスある作りだった。
ワサビを使ったオールドファッションドのツイストが印象に残った。が、どのブランドイメージのカクテルだったっけか…。
「Tea Scentですすめてもらった。バーテンダーで日本から来た」って話したら日本のBARの話になり、なんと共通の知り合いがいるという奇跡。世界は狭い。
ちなみにここでのウェルカム乾杯はそんな盛り上がりからか3回来た。どれもハイプルーフ。
Cham in season
M+MSへ行く前にChamにリトライしたらなんと定休日…今回は縁がなかったと諦めました。
で、調べてみたらPommeとは違うもう1店舗のココが営業中と知って伺ってみるも満席。今回も「よければ席空いたら連絡するけどどうする?」と。
最終日だし、ここで諦めるのも癪なのでお願いして待つことに。
どこで待とうか?というその流れで実はM+MSへ伺った。なにしろ1フロア下。もちろん時間潰しというのが大きな理由ではないけれどウェイティングなればこその利便性は考える。ともにクオリティもサービスもとても良い場所で良き思い出となった。
さてこちら、Cham in seasonではミントジュレップとモスコミュールの各ツイストをオーダーしたものの、味の記憶が定かでない…。
M+MSでそれなりの度数のを数杯飲んだし(それに加えて乾杯×3である)、英会話で頭を使っていて疲れたせいか。
この状態で乾杯すると確実に危険だと思いバーテンダーとは言わずにいたのだけど…オールドファッションドの作り方が見たことない作り方でいろいろ聞いていたら「バーテンダーですか?」と。
しかも日本語で。
まさか海外まで来て自国の言葉でそれ聞かれるとは思ってもみなかった。
「はい」と返しつつも、こちらで「乾杯!」…と言われるより先に「明日のフライト早いから…」と帰ろうとしたらチャムのオーナー(途中からカウンターに入っていた)に「ちょっと待って。好きなクラシックカクテルは?」と聞かれたので「ギムレット」と答えたら「作るから飲んでって!」(当然そうなるよね)ということでありがたく頂きました。
失礼ながら、もはや仕上がっていたため詳細はすっぽり抜け落ちているけど、美味しかったことは覚えている。
そこにいたゲストも話しかけてくれたりで最終日、最後のBARも良い時間と良い思い出になった。
余談だけど、韓国でKiroroって有名なんですね。「長い間」を学校で習ったと言われました。
しかし「バーテンダーで日本から来た」というと本当に歓待-と言うと大袈裟かも知れないが-され、「日本のバーテンディングは凄い」と言われまくった。
こちらからすると「我々ができないことをこなしているあなた方の方が凄い」と思うのだけど、話していくうちにこれは互いの無い物ねだりだなと思いました。
韓国のmodeに対するリアクション。そこに覚悟を持ってコミットする姿勢。
日本の病的なまでの細部とクラシックへのこだわり。
これは国として文化への関わり方-国民性とも言い換えられる-にもかかってくる話なので非常に興味深かった。
インスタントに落とし込める収穫はそう多くはなかったけれど、とても深いところで考えさせられる収穫はしっかりあった。
遠くない未来にまた行きたい。
伺えなかったBARも、再訪したいBARも含めて。
なにしろ、構えずともふらりと行ける距離と費用だしね。
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