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11/11 ~Retro Pocky cocktail

※このnoteは当店のインスタグラムにアップしたカクテル解説になっています。

11/11はポッキーの日。
はるか昔に「昭和のスナックではポッキーをカンパリに浸して出してくれるとこがあったんだよ。」ってお客様からお聞きしたのを奇しくもこの日に思い出したので作製。

まずはレシピ。

Retro Pocky cocktail
<build / tumbler glass>
カンパリ 30ml
コーヒーウォッカ(自家製)15ml
オレンジキュラソー 5ml
京番茶50ml
ポッキー 3本
ガーニッシュ:オレンジピール
※ ポッキーはお好みに応じて増減してください。
ほんの少し、アイラモルト落としても楽しめると思う。

当時はなんとも思っておらず「へー。そうなんですねー」だったけど、いま再考してみると「簡易インフューズじゃん…昭和のスナック、侮れねえ…!」って思いました。

これ、シンプルにカンパリソーダや水割りでも形になるのだけど、それじゃあポッキーの日に作るカクテルとしてはまるで面白くない。
かと言ってこの日に作ることに意味がある-逆に言えば他の日なら作る意味はない-から思考・試行する時間もない。ってことで経験値頼りの即興。ゆえに捻りはほぼ無し、言ってしまえばかなり無難な組み合わせ。
ネグローニをベースにしなかったことだけは自分を褒めてやりたいと思う。
出発点はMi-To(要するにネグローニとほぼ≒なわけだ。とはいえ出発点をどこに据えるのかは”個人的に”大事である)。
しかし変に複雑性出すとポッキーが喰われるので、シンプルでインパクトがあり主張しないもの、かつチョコレートと親和性高いものとしてヴェルモットをスモーキーな京番茶へスワップ。
そこに焙煎香と少しの苦味の補正、カンパリとの橋渡しとしてコーヒーウォッカ。香りづけのオレンジピール、それと全体をまとめるのにキュラソーを少しで完成。
ネーミングはもうまんま。
昭和のスナックのポッキー、カンパリ漬けを懐かしんでってことで。

こういうのはこの場(note)に残すようなものでなく、営業時にいつも作っているレベルだけど、まあたまにはこんなのもね。

しかし初めてコレをスナックで出した人はどこで閃いたのだろう。
当時において、およそアマーロとチョコレートの相性が良いなんてことを味覚として理解していた日本人なんてごくわずかだったんじゃなかろうか。
今ですら「アマーロって??」って普通に聞かれる状態。しかもそれにチョコレートを合わせると美味しいってわかっているなんてかなりの上級者では?
おそらくは舌の肥えたお客様に教えてもらったんじゃないかというのが予測です。

砂場で砂金一粒探すレベルかもしれないけど、バブル期の悪名高いカクテルとかもひっくり返して分解してみたら発見あるかもなあ、とふと思いました。

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