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ペアリングイベント2024 / 2ndのはなし ②

はい、今回は一皿目のモクテル。
和菓子とドリンクの全体はリンクを参照してください。
まずレシピ。

ノンアルコールジンと自家製ジュニパーウォーターのジンスリング ~バジルを添えて
<build / champagne glass>
ノンアルコールジン 15ml(ノンアルコールジン NEMA)
お茶 40ml(うおがし銘茶 うぬぼれ)
自家製ジュニパー水 15ml
シュガーシロップ 1/2tsp
ガーニッシュ:バジル1枚

カクテル用と同じく羊羹にもこちらのノンアルコールジンが入っている。

ありがたい偶然で、普段から使っているノンアルコールジンがバラをメインとしているけれどカルダモンもしっかり香るタイプだったのでカクテルが決まった時点で使うことにした。
要するにカクテルと近い景色を見せるデザイン。
なので構成もほとんど変わらないからあっさりできた…とはならなかった。ジンである以上、ジュニパーを香らせたい。
ここの強調に頭を捻った。
何パターンか試した結果、軽く擦り潰してお湯で抽出して寝かせたものがベストと判断。
で、そのあとは全体のバランス調整。
お茶はカクテルで使用したものと同じものを使用。ただし加水は無し。
ジュニパー水のバランス取りで何テイクか重ねて完成。
シュガーシロップを少し添加した。
カクテルがトムジン使用だからそこに近づけるため、というのもあるけど、液体としてあまりにニュートラルかつスムースに落ちてしまうので引っかかりや重さを出すためでもある。
このモクテルはカクテルからアルコールを抜いた形に近かった…というよりほぼそのままだったので製作工程はスムース。手間取ったのはジュニパー水くらいか。
それでもカクテルに比べれば微々たるもの。
個人的な収穫は蒸留抽出でなくとも寝かせると深くなるということ。
これは三杯目にも活かすことができた。

あまり試作的苦労がないと書くことも多くないですね。
ただ、思考とDay aging (=液体を寝かせること)の時間でそれなりに費やす苦労があった。
なぜなら失敗と判断した場合、また比率を変更して時間を費やすというのは、ある意味で試作して悩むよりタイトでシビア。寝かせる時間というのは試作する以上に有限な資源を使う行為。
予測は立っていても成果物には良くも悪くも誤差が生じるし、なによりそれをテイスティングしない限りその先には進めないのだから。
今回のモクテル、1杯目と3杯目は試作の苦労もさることながら素材そのものの出来上がりにかかる時間の苦労にずいぶん割いた面が大きかったように思う。

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