見出し画像

事業主(フリーランス)の方向け、借入の制度を説明します。

銀行員のケンイチです。

最近は、事業で必要な資金だけど、個人事業主では事業資金としての借入ができることを知らない方も多くなってきました。

働き方も多様化し副業をしたり、フリーランスとして活動する人が増えてきたからです。

副業としてでも確定申告をしていれば、個人事業主として銀行から事業資金の借入を行うことができます。

銀行から事業資金として借入できることを知らずに、個人消費資金として高金利で借入を行なっているケースが見受けられます。

事業資金として借入のメリットは?

法人ではなく、個人名義で借りるのであれば、

CMなどでもフリーローンでもおなじでしょ?

と思うかもしれません。

融資を受けて手元にお金が入るということでは、変わりはありません。

しかし、金利が大きく違います。

10倍近く変わることもあります。

そのため、事業で使うお金は事業資金として借入を行う方がいいのです。

個人事業主の方は、個人ローン、事業資金と両方で借りられる権利があるのです。

どのような使途で借りられる?

基本的に事業で必要となる資金であれば借入の名目になります。

例えば、
営業車が必要。
事務所で使う机やパソコンなど備品が必要。
手持ち運転資金が必要。
など、どのような資金でもいいのです。

極論を言えば、パソコンなどは事業で使うのか、個人で使うのかわからなくても事業資金として成り立ちます。

私は、個人で工務店を営んでいる人がベンツを買う資金を営業車購入として取り扱ったことがあります。

実際のところは、営業車としても使用しているでしょうが、個人の使用車としているはずです。

(工務店などであれば、トラックなどであれば疑いもなく営業車として納得できます。)

金利の前に説明したいことがあります。

金利の説明の前に、銀行が融資を行うにあたって大きく2つに分かれます。

まずはその説明をしたいと思います。

①保証協会付融資
すべての都道府県に最低1つは『信用保証協会』というものがあります。
馴染みがない機関だと思います。
私も銀行に入るまで聴いたこともありませんでしたし、銀行に就職してなければ、今も知らなかったはずです。

この信用保証協会という場所は、金融機関に対して保証をする場所になります。

例えば、私が個人でケンイチ工務店を営んでいたとします。
運転資金を銀行に申込をして、保証協会付融資で融資を申込みをした場合の流れは、

銀行へ融資申込
  ↓
銀行が保証協会へ保証依頼
  ↓
保証協会が保証承認
  ↓
銀行が書類作成
  ↓
融資取引

このような流れになります。

この場合の銀行のメリットは、ケンイチ工務店がお金を返さなかった場合、保証協会が融資金額を立て替えてくれるのです。

実際には、立て替えてくれるわけではないのですが、イメージとして立て替えるようなことです。

そして、銀行が持っているケンイチ工務店の債権を保証協会に引渡します。

そのため、銀行は損をすることがない仕組みになっているのです。

②プロパー融資
プロパー融資とは、上記で記載した保証協会を通さずに、銀行が直接ケンイチ工務店にお金を融資する形態のことです。

流れとしては、

銀行へ融資申込
  ↓
銀行が審査
  ↓
審査承認
  ↓
融資取引

となります。
この融資形態の場合は、ケンイチ工務店がお金を返さなければ銀行は損をすることになります。

そのため、審査は少し厳しくなります。
そして、だいぶ減ってきましたが取り損ねがないように担保や保証人を要求することがありました。

また、最初の取引では返済実績がないことからプロパー融資を受け付けない可能性もあります。

金利はどれくらい?

借入の金利は、保証協会付とプロパー融資で大きく変わります。

基本的に、保証協会付融資は国の制度に基づくので金利は決まっています。
金利は1.3%程度からとなっています。

プロパー融資は、銀行が独自で金利を設定するので比較的に高めです。
2%台と思っていいでしょう。
収入状況に応じて、さらに高くなる可能性があります。

金利も低いなら保証協会がお得?

金利が低いなら、保証協会が得に思えるでしょう。

でも、保証協会もタダで保証する訳ではありません。

融資に応じて保証料を収めなければいけないのです。

それが0.数%掛かります。

そして、保証協会付融資の場合は保証協会との面談や、書類が多くなり手間がかかることが多いです。

事業で必要なお金は事業資金として借りよう

無借金経営が1番理想ではあります。

でも中小企業の9割近くは借入を行なっています。

特に独立して最初のうちは経費が必要となります。

備品購入であったり、宣伝費なども掛かります。

すべてを手持ち資金で対応すると運転資金がショートしてしまう可能性もあります。

そうならないためにも、前向きな借入は恥ずかしいことではないのです。

ぶっちゃけた話をすると、会社員が生活費が困ってお金を借りるとなると自由に使っていいカードローンやフリーローンしかありません。

金利は10%を超えてきます。

これが事業主の方であると、本当は生活費であっても運転資金として借入を行うことができるのです。

そして金利高くても2%程度です。

さらに、さらに、個人事業主の場合は、金利は経費として計上することができるのです。

会社員からするとメリットばかりなのです。

少し踏み込んだ話になったので、長くなってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございます。

借入制度について、不明な部分があれば是非コメントからでもお願いします。

よければこちらもご覧ください。








よろしければサポートお願いします。サポートしていただいた費用で、日本の片隅から情報を発信していきたいと思っています。