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自分だったら銀行員から投資信託は買うか?

「投資信託を買おうと考えているが、どう変えばいいか?銀行で買うのはどうか?」最近親が聞いてきた。もちろん、私が銀行員だからというのもある。

正直、法人営業と本部が長い私にとって個人顧客への投資信託の営業はやったことがないので、偉そうなことは言えない。ただ、絶対に正しいと思えるアドバイスを一つ、親に言った。

「まずは、自分で勉強した方がいい。その上で銀行から買わなければならない理由があれば、銀行に相談に行けばいい。」

何となくわからないから、銀行にいくのは止めた方がいい。これは投信だけでなく株、債券、または保険、おおよそ全ての金融商品を買うときに頭に入れるべきだと思う。銀行だけでなく証券会社や保険会社に相談に行くときにもだ。

これはもはや釈迦に説法、キリストにバイブルを寝る前に読み聞かせるのと同じレベルで皆んな知ってることだが、ただ購入するだけなら手数料はネット証券の方がはるかに安い。インデックス投資なら手数料なんて風速0.2cm/s位に気にしなくてもいいレベルだ。

客がその店や人から商品やサービスを購入するのは大きく以下のケースだ。

① その商品がその企業や店でしか購入できない

② 企業と客の間に情報格差や専門性に有意の差がある

①は我々がモノを買う通常の動機であるが、私の好きなミラノ風ドリアはサイゼリヤでしか食べられないし、買ったことはないが、新車でポルシェを書いたければ、それを扱っているディーラーに行く必要があるだろう。

②はやろうと思えば自分でできるが、専門家に頼んだ方がいいケース。例えば髪を切る、パーソナルトレーナーをつけて筋トレをするなどだろう。

上記を銀行に照らすと、銀行は①②両方の場合でサービスや商品を提供している。融資や預金は銀行に頼らざるを得ない①だとして、銀行でなくても買える投信は②にあたるだろう。

ではどれ程の情報格差があるか?

正直に言えば、個別株や仕組債などになってくれば、金融機関との情報格差はあるが、投資信託のレベルであれば、個人と銀行員の間に差はほとんどないと思う。

現に、銀行員も証券営業マンも自分が薦める商品を自分では購入してないケースがほぼ100%と思った方がいい。これは別に個人として購入したくないケースもあるが、そもそもインサイダーなどの関係で厳しく制限されて好き勝手買えないのだ。だから、購入経験者としての意見は言えない。

パワプロはプロ級だが、実際に野球はやったことがない子ども部屋おじさんが、リトルリーグのコーチをやるケースを考えて欲しい。

だからこそ、まずは自分で調べ、勉強した方がいい。

では、銀行員から投信を買うのはバカげているのか?自分が銀行員だからと言って銀行の肩を持って高い高いするわけではないが、そうは思わない。

自分で調べたもののよくわからない、不安だ、結局どの情報を信じればいいのか?そのような時に、一人の人間として信用できる銀行員がいれば安心して一歩を踏み出せる。圧倒的な専門性よりかは、そっと肩を押してあげる人が必要なのかも知れない。特に高齢者にとっては。アドバイザー兼コーチ料として考えればネット証券との手数料の差はそこまで有意のものではないのかもしれない。

それでは、愛を込めて、合掌

#業界あるある

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