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「良い経験になるよ」という悪魔の言葉

いつも仲良くしてくれるタイ人の女の子がいるのですが、
彼女が最近、メンタル不調になってしまったのです。


それは突然のことで、
仕事終わりに私が彼女と話していると、
彼女の目から涙がポロポロこぼれてきたのです。

実は、前の日から熱と頭痛に悩んでいて、
今日も病院に行ってきたと言っていましたが、

風邪やコロナということではなく、
疲れやストレスからくるものだということでした。


実は、上司からの悪魔のささやきに悩んでいるようでした。

頑張り屋さんの彼女は、よく仕事を頼まれるそうです。
時には、ボランティアのようなことも…


私が聞いた限り、完全に「やりがいの搾取」だと思いましたが、

彼女は自分自身が仕事を頼まれたり、人の役に立つことが好きで、それが、自分自身の喜びになっていると思っていたそうです。

しかし、そのことを知らず知らずのうちにストレスと感じていた彼女は、今日、その感情を爆発させてしまったということです。


何気ない日常の中で涙が出るということは、異常事態ですよね。



聞いていて、胸が苦しくなったと同時に、
自分にもそういう時期があったことを思い出しました。

大学時代、10名くらいが所属するゼミで活動していたのですが、先生に研究のことや、ゼミでのイベントのことなどを頼まれるようになりました。

私はいわゆるリーダーというか、人をまとめるのが得意なタイプではなかったのですが、仕事を頼まれるのがうれしくて、積極的に手伝っていました。

しかし、それが度を越して、自分のキャパを超えたと感じた瞬間に、涙が止まらなくなってしまったのです。

それからは何か理由をつけて断ったり、できる範囲で仕事を受けることで、何とか対応していくことができました。

他にも10名くらいゼミに所属していたので、「自分しかいない」と感じる必要はなかったのだと思いました。


そして、誰かに自分の状況を話して客観的に自分の置かれた状況を整理することで、相手にも自分にも非があったということを理解できたのです。



「この仕事はあなたにとっていい経験になる」

「あなただからできる仕事だ」

「あなたがいてくれないと困る」

というのは、単なる頼む側の都合であり、相手のことを考えた発言ではないということが、私の見解です。

それが自分にとっていい経験になるかどうかは、自分で考えればわかることなので、自分で判断してプラスになると思えば受ければいいと思います。

そんな自己中心的な考えで発言するような人に、自分の心を壊されてはいけないと思います。



自分も後輩に仕事を頼む際には、気をつけようと思いました。


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