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学校の先生が毎日の授業で意識していること

小学校教員は基本的に毎日6時間授業がある。その一つ一つの授業を入念に準備して臨んでいる先生は、全国にどのくらいいるだろうか。おそらく、1パーセント以下だろう。あ、もちろん僕はできてません。だから、そんな僕みたいな先生でも、少しでも子どものためになる授業をするためのポイントを紹介したい。


教材研究

指導要領を読み込み、きっちり教材研究して、指導計画を練って指導することはもちろんある。でも、常に出来るかと言ったら、それは不可能。独身時代のように、放課後の時間が無限にあれば話は別だが、今は違う。

特に子育てをしている先生だと、各授業の要点だけでも!授業のつかみだけでも!ワークシートだけでも!と準備できたらいい方で、教室で教科書を開いてから、これとこれは押さえようと決めて授業している先生が大半だと思う。これと今までの経験が実質の教材研究だ。

だから、そんな毎日の中で、どうすれば子どもたちに定着する授業になるかを考えた。


ピークエンドの法則

ダニエル・カールマンが提唱する「ピークエンドの法則」を利用する。

人は、感情が最も動いたピークと終わる時のエンドの記憶が強く残るらしい。

高校時代の記憶で一番強く残っているのは、学祭と3年最後の大会、あとは大学合格と卒業式。そんな人は多いのではないだろうか。

考えてみれば、行列に並ぶ人間の心理もこの法則で説明できる。

富士急で二時間並んで乗るジェットコースター。乗っている時がピークで、降りた瞬間に感想交流会というエンドを迎える。そして、また乗りたいという楽しかった記憶につながる。二時間ずーっと並んで待っていたことよりも、ピークとエンドが強いのだ。


それを授業に利用すると、導入ではなく、展開と終末重視でよい。

授業の中に子どもが、驚いたり、笑ったりする場面を作る。しかも、計画的に。

日常のどうでもいい話題や、子どもがハマっていることを話題にしつつ、気付いたら授業に繋がっている!

あるいは、大事な場面であえて間違う、ボケる、そして、子どもにツッコんでもらって…を繰り返して、子どもたちが結論にたどり着く、みたいなイメージだ。

こんなことを言うと同業者から批判の声が聞こえてきそうだが、教師が淡々と説明するより何倍もマシだろう。


アウトプット

精神科医の樺沢紫苑先生の「アウトプット大全」という僕の愛読書には、インプットとアウトプットの理想的な比率は3:7とある。

アウトプットを前提としてインプットするから定着するのだ。

自分が高校生の時、「ノート見せて!」関係にあった好きな子が休んだ時、必死になって勉強した。それは、あとでその子に説明する(アウトプットする)という大事な任務があったからだ。そういう目的があると、いつも以上に覚えているものだ。

ちょっと不純な動機の例えで申し訳ないが、授業では、自分で説明する活動や相手の言いたいことを説明する活動、ミニテストなどはしょっちゅう取り入れる。

それによって定着につながるし、学習に乗り気じゃない子もやらなきゃいけない理由ができるので、しないよりは効果があると捉えている。


子どもとの対話

実は、これが一番大事。人間は、信頼できない人の言葉を受け入れることはできない。論理的に正しいことも、ほとんど頭に入ってこないらしい。

だから、人を動かすには、右脳と左脳に働きかける必要があるって昔の偉い人が言っていた。

教材研究も大事だけど、限られた時間の中でやっていくなら、学級経営の方に比重を置くことが大事だと思う。

いい感じにボケ合い、ツッコミ合い、みんなを認め合い、それぞれのキャラが立つ人間関係を作ることが、全ての教育活動において有効なんじゃないかというのが僕の考えです。

異論は喜んで受け付けます。お読みいただきありがとうございました。




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