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6. Wugularrのマーゴ奏者たち

ミッキー・ホール、の描き方とか、ものすごい丁寧やねん


G : トム・ケリー、ミッキー・ホール、デビッド・ブラナシ、思い返せばダリルもふくめて、それぞれのお人柄というか。どんな印象やったんですか?

M : ミッキー・ホール、ぼく教えてもろとってん。絵の描き方とか。ものすごい丁寧やねん。

H : すごい優しい感じやったよね

[Mickey Hall & Tom Kelly 2001]

M : 「次回7時集合ー!」って言うたら、みんなもうバーンって集まってはんねやんか。ぼくら「眠たぁー」言うてゴソゴソって起きて来て、「すんませーん」って感じやってんけど。めちゃくちゃ時間守る人たちやなーと思って。もっと早いんやろな、朝の行動が。

H : なんか向こうも気合い入ってたと思うよ。

G : ぼくもミッキー・ホールは優しいなーっていう印象でした。トム・ケリーはなんかドッシリした印象でしたね。

H : うん。親分肌っていうか、ナンバー2だけど実質親分はトム・ケリーかなって感じだった。

G : そんな口数多い感じでもないですもんね?

H : 面倒見いい感じ、人の。職人さんの棟梁みたいな感じ。

G : ガタイもいい感じですしね。


デビッド・ブラナシの人柄にせまる

G : ブラナシはどうでした?

H : 飄々とした感じ。

G : ツアーとして、外国からいっぱいお客さんが来てるわけじゃないですか?それに気遣うとか、サービスするみたいな感じはあんまなくて、マイペースって感じですか?

M : あんまりかまってけーへんタイプ。

H : 勝手にやっとけやーっていうぐらいの感じ。

M : そうそうそう。

[David Blanasi making Mako]

G : そんな中でもこんなこと話したなーとかあります?

H : あんまり話さなかったね、あの人ね。

G : 口数自体が少ない?

H : そうだね。そん時あんまり人前でしゃべったりもしないし、吹こうともしないし。ただコロボリーの時は、なんかそれまでダルっとか、ニコっとか、ダルっとか、ちょっとフニャってしてたのが、いきなり目が三角になって、背筋がキッてのびて。「そこー!」みたいな、「そこだー!」みたいな色々指示は出してたよね。

G : あ、そう!

H : ちょっとこうテンション変わるなぁ、みたいな。こんなに変わるんだーみたいな感じだった。

M : セレモニーの時?

H : うん。「こっちからあっちに来んなよ」とか、そこでそれを言ってた。誰かそっち行こうとしてたの写真取りに。「アカン、アカン」みたいな。

G : やっぱそこでソウルがのるんですねぇ

H : そう。だから、お祭りの時にうるさい年寄りみたいな。ヨボヨボしてたなぁと思ったら急に車椅子から立ち上がって、指示を出して、踊り出すみたいな、そんなおじさん。

G : その時は一ヶ月後にブッシュで姿を消す、なんてことは想像もしてないじゃないですか?

H : 全然してないねぇ、うん。


ブラナシ、めちゃ普通に元気やった

G : だからその頃のブラナシって、印象としては、大御所やけどまだまだ元気やな~って感じですか?

H : うん。まだ行けるんやろなって思った。別に身体悪いとも言ってないし。

G : たしかにブッシュを歩いて斧をふるってマーゴをカットできるって、そこそこ体力ありますもんねぇ。

H : やっぱでもちょっとアルツハイマーじゃないけど、記憶障害みたいなのがあったのかもしれないけど。徘徊じゃないけど、もどれないっていうか。

やっぱただでさえブッシュ入ったら、ねぇ。もどってこれない確立高いと思うし、もし一人で行ったとなると、わかってて行ったのか、どうなんやろう? それこそ、ほら謎で。

G : うん、そうですよね。てことは身体的にはすごい元気そうに見えたってことですか?

H : めちゃ普通に元気やったと思う。

M : 元気やったよね

G : カット自体はヒデさんに「お前やれ」みたいな感じじゃなくて、ブラナシが一人でやってたんですか?

H : サクサク自分で何でも。

[David Blanasi holding Mako]

G : へぇー!イダキ・マスターは晩年大分しんどそうやなっていう感じはありましたねぇ。

H & M : うーん

G : 切る数が減ったし、やっぱり暑いんで「アァー」って座りこんだりして、体力が落ちたなぁっていうのはあったんですけど、話聞いてる分にはブラナシは体力的には元気そうだなっていう。

H : うん。めちゃくちゃパワフルではないけれど、なんか抜けた所でフワフワーっと、こう楽に過ごしてたかも。カッティングもあんま無理してない感じだったし。カットした木も細くて長いからそんなに重たくないし。


ブラナシの音は聞けたのか?

G : なるほどねぇー。そん時は彼は一切音は出さずに終わったんですか?

H : 音出さなかったね。出してた?

M : 出してない。

G : みんなとにかくそれを見たかったのにね!

H : 期待して行ったんだけど、結局吹かずに、CDに残ってるっていうだけで、それが最後の録音だったみたいだけど。あれ、たぶん現場録音だよね?あそこのね?

M : 現場録音やと思う。ぼく音源取ってきててんやんか、夕方と朝と。ほんだら一緒やねん。

G : 三上さんは録音してたんですね!

M : うん、録音してたよ。でもそれだけ。自然の音が欲しいなーって思ったから。

G : 彼らが演奏しているコロボリーのところは録音してないんですか?

H : 録音したらダメって言われてなかった?でもラーズは録音してたけど。

M : ヒデちゃんなんかDATかなんか持ってなかったっけ?

H : オレあん時何も持って行かなかった。

H : このツアーのYouTubeの動画にコロボリーの映像あったっけ?

G : なかったんちゃうかなぁ

H : なかったよね。あの動画の中にいろんなアクティビティの様子は映ってたけど、コロボリーの映像なかったよね。 


 このインタビューに使われている写真は全て三上賢治によって撮影されました。無断転用はお控えください。All photos were taken by Mikami Kenji. Unauthorized use is prohibited.


>> 7. デビッド・ブラナシが日本に来ていた

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