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怪奇骨董音楽箱

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音楽に関して書き連ねたことを、ここに格納していこうと思います。個人趣味から、プログレッシヴ・ロック近辺が多くなる……かも?
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#bucktick

俯瞰する牛――星野英彦というスタイル

俯瞰する牛――星野英彦というスタイル

 星野英彦。素敵な名前だよね。ロマンスの主人公みたいだよね。
 しかしその実、彼が髭の剃り跡が濃くて四角い顔をしたBUCK-TICKのギタリストであることを知っているのは、ファンまたはそれに近しい人ぐらいだろう。これはバンドの宿命で、中心人物やキャラが目立つ人物の認知は高い。しかしドラムやベースといった「屋台骨」はとかく名前が知られず、メディアにも「バンド代表として」出ることもない。樋口兄弟は広報

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拝啓、櫻井敦司様。

拝啓、櫻井敦司様。

 このような手紙を書くことになるとは思いませんでした。きっとあなたは、永遠に生き続けるに違いないという勝手な思い込み、それが確信となってなぜか私の中に常に、住み込んでいました。
 男から男へ送る「love letter」のようで気恥ずかしくもありますが、それ以上に、喪失感が拭えません。報せから1週間が過ぎても、未だに実感がなく、実感を得ようとすると「この声の持ち主が、すでにこの世界から旅立ってしま

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特定ミュージシャンを好きになると、その先に待っている各種地獄

特定ミュージシャンを好きになると、その先に待っている各種地獄

 誰かを、好きになる。
 それって恋でも趣味でも同じ、やはり「盲目」に陥りがち。好きすぎて対象の全部を知りたくなり、すべてを自分のものにしたくなる。
 いや別に、これは男女に限ったわけでもなく。それこそ趣味、音楽でもそういう人は少なくないのじゃないだろうか。
 クラシック愛好家は同じ曲でも指揮者やコンサート・ホール、オーケストラなどの違いを楽しむし、ジャズ愛好者は同じ曲の演者や楽器、編成や年代など

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『DANCE 2 NOISE』とは何だったのか?

『DANCE 2 NOISE』とは何だったのか?

 ダンス・トゥ・ノイズ。
 BUCK-TICKやSOFT BALLETを「とっても」好きだった人にだけ通じる「ああ、そんなのあったねぇ」というワード。かすっていない人には「何ですかソレ」になってしまう響き。
 ご存知でしょうか、皆様。そこで泣いてる人、あなたのために書いてますよこの文章は。

 この『DANCE 2 NOISE』と銘打たれた作品群は、ビクターに在籍する若手からベテランまで、メジャー

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