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伝わる文章とは?その9「コラムは5W1H」

その8「起承転結は物語の基本」の最後で、起承転結はコラムには向いていないと書いた。Webのコラムやニュース記事などは、物語のように“最初から最後まで読まれる”という前提がない。数百文字程度なら読み切ってもらえる可能性もあるが、2000~3000文字にもなる記事を起承転結の手法で書くのはおすすめしない。そもそも起承転結は4行で完結する漢詩のための手法なのだ。

コラムを書くときは結論から先に書く。コラムのための手法は起承転結じゃあなくて、結起承転とか起結承転だ。「その8の「赤ずきん」のお話をコラムとかニュース記事風にしてみよう。

結:○年◯月◯日、幼い女の子と彼女の祖母が狼の腹の中から救出された。満腹で爆睡している狼を発見した猟師が腹の膨らみ具合を不審に思い、狼の腹を割いてみたところ、中から2人が出てきたという。幼女と祖母が救出された後、2人の代わりに腹に石を詰められた狼は、井戸に落ちて死亡している。
起:
◯◯森では狼に食われる人が後を絶たなかった。狼に食べられた女の子は、いつも赤い頭巾をかぶっていることから「赤ずきん」と呼ばれている。
承:その日、赤ずきんは病気の祖母を見舞うことになっていた。それを知った狼は、祖母の家へ先回りして赤ずきんを待つことに。
転:狼はまず、祖母を丸呑みし、その後やって来た赤ずきんも美味しくいただいた。

結起承転とか起結承転の文章を書くときに覚えておきたいのが、5W1H。When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)という要素を盛り込むことだ。これらすべてを1文に収めようとすると長くなるので、最初の「結」の部分に入れ込むくらいの感覚でいいだろう。

物語とコラムでは、全体の構造を変える必要がある。伝わる文章を書きたいなら構造は起承転結ではなく結起承転にし、5W1Hを盛り込むのがおすすめだ。


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