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伝わる文章とは?その8「起承転結は物語の基本」

とある出来事を伝える文章の作法として「起承転結」がある。もともとは漢詩を構成する“型”のことで、4コマ漫画なんかでも基本とされている。

」は事前情報。設定の説明と考えていい。「」は出来事の始まり。導入部分だ。「」は話の展開。その出来事が想定外の方向に進んでいく。「」は結果とか結論のこと。その出来事がどんなふうに収束したかを書くわけだ。「赤ずきん」という童話を起承転結に分けてみよう。

起:可愛い女の子がいる。いつも赤い頭巾をかぶっているので「赤ずきん」と呼ばれている。
承:その赤ずきんが、病気のおばあちゃんのお見舞いに行くことになる。それを知った狼は、おばあちゃんの家へ先回り……。
転:おばあちゃんの家に着いたら、そこにいたのはおばあちゃんに化けた狼。赤ずきんも狼に食われちゃう。
結:満腹で高いびきをかいている狼を、近くを通りかかった猟師が発見し、腹の中から赤ずきんとおばあちゃんを救出。狼をやっつけてめでたしめでたし。

という具合になるわけだ。もう1つ、日本人なら知らない人はいない「桃太郎」も起承転結に分けられる。

起:おばあちゃんが川で拾ってきたでけぇ桃から男の子が出てきた。その子は「桃太郎」と名付けられた。
承:桃太郎はすくすくと成長。都で鬼が悪さをしていると聞き、鬼退治を決意。
転:鬼ヶ島への道すがら、犬と猿と雉を家来に。鬼との戦いでは家来たちが大活躍。
結:見事に鬼を退治し、お宝を持って凱旋。めでたしめでたし。

「起承転結」は物語を作るときの基本と言っていい。しかし……だ。

起承転結は“最初から最後まで読まれる”ことを前提としているから成り立っているのであって、実はコラムには向いていない。なぜ向いていないのか、コラムの場合はどう書くべきなのかについてはまた次回




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