2022就職作品プレゼンの季節 ~採用側の思うこと~

今年もそろそろ専門学校巡りの季節がやってくる。今年もリモートでの開催になると思うが、季節はやって来る。
九州、関西、関東、東北とここ数年で専門学校をまわって来た。
その際に思った採用する側の観点で「こうだったらいいのにな~」って思うこと点をいくつか。

先生にも学生さんにも読んで貰えたら嬉しい。

■就活プレゼンで思うこと

メジャーなとこで言うとHAL専門学校のプレゼンは規模も大きく、人数も凄い。生徒さん達の寄ってらっしゃい見てらっしゃいオーラも凄い。少し歌舞伎町を歩いてる気分に近いとこもある。
リモートであっても見て回るのはもの凄く大変な規模だ。

●スーツじゃなくて私服参加でお願いしたい

ゲーム業界でスーツの人って滅多に見ないですよね?

だから学生さんとはいえ、スーツ姿の人に呼び込みされるとなんか身構えちゃう。リモートであってもスーツの人は苦手だ。

あとやはりアート系の人は特に、人と成りを知るのに私服の方が有難いのもある。ファッションを通じて分かる側面や会話の弾み方も変わるだろうし。
むしろ先生だけスーツって方が分かり易い。
みんなスーツだと若い先生なんかは分かりにくくて…
専門学校の方には是非ご検討頂きたく思う。

●学外の公募や自由課題なんかも入れて欲しい

課題で皆同じものを作るのは指導の効率を考えると一定数必要でしょう。
でもその他に、その人の個性を活かせる公募作品とか自由課題をなるべく入れて欲しい。

同じ課題が並ぶと技術的な優劣ばかり見えてしまい、損している学生もいるかもしれない。
キャラが得意なのに工業製品やメカもの作ってたり、背景頑張りたいのに苦手なキャラ作ったりは可哀想。
その人が一番力を発揮できるものや趣味趣向全開!!若さ爆発な作品を見たいのです。

●どっちか言うと学外公募、コンテスト参加がおすすめ

自由課題もいいが学外公募がいいのは、テーマさえ外さなければ表現は自由。しかも入賞したら自信にも売りにもなる。
うまく行けば一石二鳥だ。
このあたりは自分の体験談もあるので後半でご説明したい。

●どうせなら個性的に派手に

同じものが並び、同じ売り文句でプレゼンされ続けると採用側もキツい。
何となくそういう景色は学校では無く、職業訓練的な空気で硬い印象になってしまう。別に職業訓練を否定したいわけじゃない。明確な目的を持って技術を学ぶという職業訓練的な側面は専門学校にあって当然だ。

ただ、みんな若いしもっと自由で出品者の個性や可能性を感じる明るいイベントにして欲しいと思うのだ。
せっかくの学生さんの晴れ舞台だし派手でもいいと思う。
これから物作りをして行く人達なんだし、タメ口さえ気を付ければ少しラフくらいでもいいんじゃなかろうか?
僕らの方がずっとラフだし…勝手になんか申し訳ない気分にもなる。

■自分の体験談

美大に一浪して入学。
念願の美大に入ったものの入りたかった研究室の教授が退官してしまい…大学がいまいち面白く無い。
そこで1年休学してイメージフォーラムという学校に行きつつ片っ端から興味ある業界のバイトをしてみた時期がある。
同時にコンテストがあれば作品を応募してみたりもした。

●やってみたバイト
・エキストラ紹介所
・CMの美術制作工房
・着ぐるみの工房
・美術予備校講師
・DTPデザイン
・学生援護会の就職情報誌のモデル
などなど

普通のバイトはイヤで制作の現場、もの作り系特化でチョイス。
唯一、予備校講師だけお金のため。

●当時応募したコンテストや映画祭
・吉本興業、学生援護会主催、BATクリエイターズオーディション
・docomoの M-stage visual 動画CMコンテスト
・NHK デジタル・スタジアム
・RESFEST Japan

プロの撮影現場に立ち会えて自分が関わったものがTVに映る。
コンテストで賞を貰えればテレビや映画祭で自分の作品が流れたりもあり得る。
さらに、場合によっては授賞式で憧れの審査員に会ったりもできる。
寺井 弘典さん、佐藤可士和さん、カイル・クーパーさんとスゴい顔ぶれにお会いしてチビりそうだったのを今も覚えている。

中でも当時、サム・ライミ版のスパイダーマン2オープニング制作真っ最中だったカイル・クーパーさんに作品を見て貰えたのは嬉しかった。
恐れ多くも彼に名刺を手渡したら、笑顔でその名刺にサインして返してくれた。
そういう意味じゃなかったんだけど…そういうことね…って思った経験なんかも今となっては笑い話だ。

映画のオープニングシークエンス界では神のような人に日本語の訳わからない学生手作りの名刺渡すって身の程知らずな…そんなのも学生だからできたようなもので。

寺井さんはMTVのステーションIDを作る機会を下さったり、吉本のコンテスト受賞後、唯一来た仕事はなぜか就職情報誌のモデルだったり。
学生の時に色々外で経験してみるのは刺激になるし、何でも話しのネタにもなる。

中には、今の仕事に生きてくることだってあったりもする。って自分の話しばかり…

■あ、なんか面白そうくらいでいい

学校には行けずリモートの学生さんも多いこのご時世。
外に出て行きにくい状況かもしれないが、出ていかなくても表現の場は多い。むしろ自分の頃なんかよりずっと多い。
学校の課題も技術ももちろん大事だけど、それだけで作り続けて行くわけじゃない。自分の熱量を高めてくれそうな場があれば飛び込んでみるのも手だと思う。

あんまり後先考えずに「あ、なんか面白そう」程度で手を出しちゃうくらい気持ちは身軽でいい。
自分のようにおっさんになってしまうと何かと身動き取りにくいけど…

学生さんはそれくらいのノリで色々やってる人の方が魅力的だなと思う。
でも一応、卒業はできる範囲で…お願いします。

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