それは誰のためのルールですか?【ルールを守らない子は悪いのか?】
こんにちは!ぽん先生です。
先日妻と子どもについての話をしていた時に、盛り上がったことを今日は書いていきたいと思います。
というわけで、今回の話は「子育てにおけるルール作り」について。
ルールというやつをちょっと考え直してみませんか?というのがテーマ。
別にこんな真面目な話をいつも妻としているわけではありません。
真夜中に車に乗っていたからこそ、真面目な話が出てきただけです。
ルールは何のためにある?
日本には憲法や法律、条例などなど様々なルールが存在します。
それと同じように、子どもたちにとって身近なルールといえば、保育園のクラスのルールや、学校の校則などと言ったところでしょうか。
また、家の中では家族内だけのルールが存在しますよね。
そもそもルールって何のためにあるのでしょうか。
何だと思いますか?
ルールというのは個人を守るために存在します。
例えば、人を殺してはいけないという法律があるのは、個人の自由を制限している一方で、自分が誰かに命を奪われることがないということの保障でもあります。
このように、一見するとルールは個人を縛るもののようにも感じますが、そもそもは個人を守るために作られているものだと考えるのが一般的でしょう。
保護者は何のためにルールを作っている?
日本は民主主義国家です。
つまり、誰かの一存で勝手に法律を作ったり、それによって裁かれたりすることはありません。
一方で、家庭独自のルールというのは非常に危険です。
なぜなら、個人の力で配偶者や子どもたちのことをいくらでも支配できてしまうからです。
つまり、家庭内のルールは非常に独裁的なものになりやすいのですね。
もちろん、中には家族全員で話し合ってからルールを作るという民主主義的な形式をとっている方もいると思います。
とはいえ、現実的には力の強いものが一方的にルールを作っているという状況にある家庭の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
3段階に分かれるルール
独裁的にルールを作ることで起こる弊害と言えば、どんな事を考えますか。
ちょっと考えてみましょう。
思い浮かびましたか?
色々あると思いますが、私は「個人を守るためのルール」でなくなってしまう事が1番問題になりやすいかと思います。
つまり、ルールを作る側の利便性しか考えられないでルールができてしまうという事です。
私は家庭で作られるルールには、大きく分けて3つの段階があると考えています。
1 命を守るためのルール
2 保護者のためのルール
3 自分勝手なルール
1つずつ見ていきましょう。
1 命を守るためのルール
これは本当に必要な場合にだけ設けられる、最低限のルールだと言えるでしょう。
例えば、
・道路に飛び出してはいけない
・キッチンのコンロを勝手に触ってはいけない
なんて言ったところでしょうか。
特徴としては最低限と言ったように、普通に過ごしていれば違反することはないですね。
意図的に破ろうとしない限りは大丈夫そうです。
つまり、子どもを無駄に縛るルールではありません。
2 子どものためのルール
これは保護者としてはやってもらいたくない。
もしくは、一般常識的に考えてあまり良いとされない行為を防ぐためのルールです。
例えば、
・トイレットペーパーで遊んではいけない
・勝手にケータイを触ってはいけない
家庭内のルールで考えると、金銭に関わるものがほとんどではないかと思います。
これは命を守るためのルールに比べると、かなり具体的な内容が多くなってきますね。
しかし、ある程度常識的な知識を身につけてもらうためには、必要なルールだと言えるでしょう。
子どもの行動をやや制限するものではありますが、金銭を守ることや、他人に不要な迷惑をかけない事を考えると、必要なルールだと考えて良さそうです。
3 大人のためのルール
さて、最後は自分勝手なルールです。
これは大人が自分の家事や育児を楽にするためや、子どものことを思い通りに動かすために作ったルールだと言えます。
つまり、子どものためではなく、自分のために作っているルールです。
例えば、
・自分で靴下を履かないと公園へ連れて行かない
・ご飯を残さず食べないとテレビを見せない
なんて言ったところでしょうか。
「〇〇しないと〇〇させない」が基本形ですね。
これらは一見普通のようにも感じますが、大人の都合で子どもの自由を制限してしまっています。
つまり、子どもを自分の思うように動かすためだけのルール。
言い方を変えれば「自分の話を聞かない子どもを罰している」だけなのです。
とは言え、実は1、2、3の境界は認識によって変わってしまうんです。
例えば、料理中はキッチンに立ち入ってはいけないというルールを作ったとしましょう。
このルールに関して、火を使ったり包丁を使ったりすることの危険性を子どもに説明し、理解して納得してくれれば1や2です。
しかし、「足元をうろつかれると邪魔だから」という事では3になってしまいます。
守ってもらうためには
子どもがルールを守らないという話はよく聞きます。
しかし、ルールを守ってくれないのは、多くの場合、何のためのルールであるのかを見失っているのです。
そのため、「子どもにルールを守らせたい」と考えるのであれば、ルールの作り方について勉強する必要があります。
ルール作りには以下の3つの要素が欠かせません。
①ルールが自分を守ってくれる事を説明する
②子どもたちと一緒にルールを作る
③ルールは全員に適用される
この3つが1つでも欠けているものは、絶対に子ども自らが守ることはないでしょう。
①ルールが自分を守ってくれる事を説明する
ルールというのは、大前提として個人を守るためのものです。
しかし、子どもはどうしても自由が制限されてしまうものだと思いがちです。
そのため、「廊下を走ったら相手をケガさせてしまう」という制限の側面だけでなく、「あなたが誰かにぶつかられてケガをさせられる心配がない」というルールによって自身も守られていることについても伝える必要があります。
しかし、作られたルールが単に子どもの自由を制限するためだけではどうでしょうか。
これでは絶対に納得してくれませんね。
このように、ルールを作るには合理的な理由が必要です。
②子どもたちと一緒にルールを作る
これは民主的な方法でルールを作るということです。
自分で作ったルールは守れるでしょう。
しかし、他人から一方的に押し付けられたルールはどうしても守る気になりにくいものです。
日本では参政権は18歳からですが、少なくとも子どもの生活に関わる家族内や学校のクラス内のルールについては、自分たちで決めると良いでしょう。
そのためには、ルールが自分を守ってくれる事を説明するということをハッキリとしておかないかぎり、ルール作りには賛成してくれません。
また、完全に一緒に作ることは難しくても、「一緒に考えた」という感覚や同意したという事実が必要です。
このように、民主的なやり方でルールは作られなくてはなりません。
・ルールは全員に適用される
「大人は別」
よく聞く言葉ですね。
子どもだけに適用されるルールが家庭内には数多く存在するでしょう。
しかし、これでは子どもたちは納得しません。
なぜなら、それはただの差別であることを子どもたちはよく分かっているからです。
例えば、「テレビは寝転がらないで座ってみる」というルールをみんなで作ったとすれば、それは大人も子どもも同じように適用されなくてはなりません。
「大人だから」という決まり文句を言っているようでは、子どもたちはルール作りに賛成しないでしょう。
このように、全ての人に対して平等にルールは作られなくてはなりません。
平等を勘違いしないで
ただ、ちょっと注意していただきたいことがあります。
それは③ルールは全員に適用されるです。
先ほど「大人は別」「大人だから」という決まり文句を言いました。
これは大人が特権階級であるというように読み取られてしまうからです。
しかし、よく考えてみればそういった考えが危険な場合があります。
例えば、雨の中で風邪を引いてもいいから公園で遊びたいと言い出したとします。
ここでよく考えてみましょう。
もしこれを高校生が言い出したのであれば、それは可能です。
なぜなら、もし風邪を引いたとしても自分の責任で持って病院へ行くことができます。
しかし、同じことを5歳児が言い出したとしても、それは受け入れられない話です。
なぜなら、自分で責任を負えないからです。
このように、一部の場合では平等な自由が違ってくることがあります。
つまり、自分が責任を取れる範囲で、自分の自由にできるということです。
そのため、場合によっては大人だけができて、子どもについては自由が制約されることもあります。
とはいえ、大人自身にここの区別がついていないと、ルール作りに失敗する可能性が高くなってしまうのです。
まとめ
今回は育児に関連するルール作りについてお話ししました。
「うちの子はルールを守らない」なんていった話はよく聞くものですが、そもそもルールは個人を守るために存在するものです。
そのため、家庭内でルールを設ける際には、もう一度"誰のためのルールであるか”を考えてみる必要があるかもしれません。
また、子どもたちにルールを守ってもらうためのポイントとして、
・ルールが自分を守ってくれる事を説明する
・子どもたちと一緒にルールを作る
・ルールは全員に適用される
という3つのポイントは、1つでも欠けているとルールが意味をなさなくなってします。
なぜなら、それは単なる押し付けであるからです。
大人が子どもに対して作るルール。もう一度見直してみませんか?
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