玉ねぎから学ぶ子育て教育
皆さんこんにちは。
昨日夕飯を作っていると、2歳の娘がやって来て「お手伝いしたい」とのこと。
本人の希望通り、みじん切りにした玉ねぎをボウルの中に放り込んでもらいました。
その時に、途中で「目が痛い!!」と大騒ぎ。
そんな娘の姿を見て、約2年前の保育園での出来事を思い出したので、今日はそれについてお話ししていこうと思います。
保育園での食育
その「保育園での出来事」というのは、食育を行っている時のこと。
子どもたちにとって、料理のお手伝いが出来る食育の日はとても楽しみな日です。
その日、みんなにお願いしたのは玉ねぎの皮むき。
1歳児クラスの子にもやってもらうので、内容としてはとても簡単です。
ところが、ある一人の男の子(4歳)だけは玉ねぎを触ってもくれませんんでした。
「何が嫌なの?」と聞いてみると、「目が痛くなるのが嫌なの」とのこと。
「なんだそんな事か」と思って、「みんなどうしてる?目痛そうにしてる子いる子いる??」「大丈夫そうだと思うけど・・・」と話してみても
「僕は絶対にやらない!!!」
その一点張りでした。
いつもであれば、その子は率先してやってくれます。
それどころか、自分から匂いを嗅いでみるなど、とても積極的な子です。
しかし、その日はどうしてもダメでした。
理由はたったこれだけのこと
当然やりたくない理由が気になったので、聞いてみることにしました。
すると、「今朝、お母さんが『玉ねぎって目が痛くなるから気をつけてね』って言ってたから怖いの」と話します。
ええ。たったそれだけです。
でも、それが全てでした。
そう。こう言ってはなんですが、大人の何気ない一言がこんなにも子どもに大きな影響を与えていたのです。
どちらかと言えば、その子はあまりお母さんの話を聞かずに、いつも叱られている子でした。
しかし、その一言がどうしても心に刺さってしまったようで、その日は動くことが出来なかったようです。
なんでそんなに?
なぜ、そんなにも「その一言」がその子の心に刺さってしまったのでしょうか。
私は、その子が一言に衝撃を受けたからだと思っています。
人間って心が動くような衝撃的な出来事が、記憶に残ると言われています。(情動なんて言われますね)
今回の場合、普段慣れ親しんで食べている玉ねぎが「実は恐ろしいものだったのか」と印象に残ってしまったのでしょうか?
どちらにせよ、消極的な方向で深く記憶に残ったことには間違いありません。
で、子どもの機会を奪った
「子どもの体験を奪ってしまった」と言えば、言い過ぎかもしれません。
だって、玉ねぎの皮むきなんていつでもできるもの。
でも、その時出来なくなってしまったことは事実です。
だから、それだけ大人の一言が子どもの人生を変えてしまう可能性があるという事を知っておいてもらいたいんです。
私は、と言うか保育士は、なるべく子どもに不要な言葉をかけない事を常日頃から心がけているつもりです。
それでも、後から「あれって言わなければ良かったな」と後悔することはたくさんあります。
意識していて子どもと関わっていても、そういうことはよく起こってしまうんですね。
もちろん、私の経験不足が招いている部分もあるかもしれませんが、「教えておいてあげるんだ」なんて安易な考えだと、それは子どもにとってマイナスになってしまうかもしれないのです。
だから何事も経験してほしい
でも、不要な事を話さないようにしているのは、「子どもの経験を奪うから」というだけではありません。
アドバイスする時としない時があると、子どもたちはどうなってしまうか。
それは「今回は言ってくれなかったから失敗した。嫌な思いをした」と、人に責任を押し付けるようになってしまいます。
でも、自分で選んで行ったことについては、自分で責任を取ることが出来ますよね。
だから原則として、命に関わる事や人を傷つける事でなければ、何も話さないようにするのが良いと思います。
もしくは、質問されて初めて答えるようにする。
こういった理由から、特に私は安易に話しかけないようにしているのです。
・誤った事を一切させないように厳しくするべき
なんて意見も多く見かける厳しい世の中ですが、子どもたちの「学び」それから「責任」に焦点を当てると、「アドバイスしない」という関わりも良い思いませんか?
ご意見お待ちしております。