別所 弘章

飲食店限定ビールGARGERYを展開するビアスタイル21 代表取締役/エチゴビール マ…

別所 弘章

飲食店限定ビールGARGERYを展開するビアスタイル21 代表取締役/エチゴビール マーケティング室長(会社をまたぎ兼任)実家は原宿の酒屋、キリンビールに26年間勤務(’89-‘15 海外事業 M&A 企画 営業等)。夜な夜な飲み歩きブランディング活動。

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ビールの新しいストーリーは続いている

株式会社ビアスタイル21という会社と、GARGERY(ガージェリー)というビールブランドについて話したい。社員数3名の小さな会社、全国約1,000の飲食店で扱っていただいているビール、その成り立ちと20年以上に渡る物語は、少し面白い。 取締役兼ビール醸造責任者の佐々木正幸、営業&ブランド伝道師の座間雄樹、そして代表取締役(※)でありマーケティング責任者の自分、別所弘章の三人 、この3人になるまでの紆余曲折は置いておくが、事業開始の2002年当時は4名だったので、成長ストーリ

    • 30年へのカウントダウン

      日本においてクラフトビール(当時の呼び方は「地ビール」)が誕生したのは、1994年2月の酒税法の改正により、ビール製造免許を取るのに必要な最低製造量が大きく引き下げられたことで、中小の造り手によるビール製造が可能になったことが契機となっている。このとき全国で最初にブルーパブの営業を開始し、日本で初めての国内製造クラフトビールとなったのがエチゴビール。つまりエチゴビールの創業は、日本のクラフトビールの誕生でもある。 あらためて当時の事の流れを見てみると… 今年が2024年だ

      • 「ロマンを語ろう、舞台に立とう!」のはじまり

        「全国第一号地ビール」に恩返しをしたい ビジネスで自己紹介しろと言われれば、飲食店限定ビール「ガージェリー」を展開する株式会社ビアスタイル21の代表ということなのだが、それと共に2018年春からエチゴビール株式会社でマーケティング責任者の役割を担っている。正確に言えば、株式会社ビアスタイル21がエチゴビール株式会社のマーケティング業務を受託し、半身だけ出向したような形でエチゴビールのマーケティング室長というポジションに就いている。 株式会社ビアスタイル21は2002年に大

        • 旅立つ時が来たのかも

          ここ数年、人によって感じ方や行動の仕方は様々だったと思うが、各地で賑わいが戻り、なかなか旅行に出れなかった人も、そろそろという感じになっているだろう。あの時諦めていたことは、そのまま眠らせるのではなくて、今すぐにでも手をつけて再起動させよう。そういうメッセージを込めた新商品を送り出した。 「檸檬ジンジャー楽園エール」は、人気の白熊シリーズとして企画した、この夏から秋までの限定醸造ビールだ。小麦麦芽を主原料としたホワイトエールをベースに、レモンピールと生姜を使用して、気分をリ

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        ビールの新しいストーリーは続いている

          優しく包み込むように

          下の写真はgoogle検索の画面をキャプチャーしたものだが、何という言葉で検索した結果か想像つくだろうか? 女性がショールを羽織っている写真がたくさん並んでいるが、その中に、あれ?と思う画像が混じっている。ページをスクロールすると、やはり延々とショールが並ぶが、僅かながら毛色の異なる写真が混ざっている。一枚はビールの写真で、一枚は何か商品ロゴのようなもの。 それは「GARGERY Xale(ガージェリー・エックスエール)」の写真であり、商品ロゴ。Googleの画像は「xa

          優しく包み込むように

          最後までステージに立っている

          街の空気感が変わった。動き出した。 思ったよりも熱気がある。 待機することが多かったから、この活発さに戸惑う。 自分は乗り遅れたんじゃないか。 そんなことを感じながら、いつものカウンターに着き、一杯。 ガージェリーは、ブランド名、ロゴのデザインなどに様々なメッセージが込められており、一杯のビールが、飲み手に何かを語りかける。そして、いくつかの要素の中でも、最も雄弁なのがガージェリーのオリジナルグラスである「リュトン」だと思う。 リュトンを持ち上げたとき、台座の穴の底に刻

          最後までステージに立っている

          コクサイカの在り方

          さて、ここ数年、持ち出せる状況ではなかったので、引き出しの片隅に追いやっていた話題だが、やっといろいろが戻ってきた。 そう、海の向こうを意識した話だ。〝グローバル〟なんていうと大げさな感じがするので、少し古くて控えめな感じのする〝コクサイカ〟という言葉にしておこうか。僕は昭和の人間なので「国際化」という言葉に憧れてきたわけだけど、平成終盤から令和の時代に向かう中で、この言葉から思い浮かぶイメージはずいぶん変わってきたと思う。 自分が経験してきたビールに関わる仕事で言えばこ

          コクサイカの在り方

          王冠をいただきたい

          ガージェリーと言えば、専用オリジナルグラスの「リュトン」を思い浮かべる方が多いと思う、というか、そうなるようにブランドづくりをした。ガージェリーの名前を思い出せなくても、リュトンの形は記憶に残る。 このリュトンがガージェリーの「顔」であると言っても過言ではないのだが、これがとても個性的であるが故に、飲食店それぞれの考え方で、敢えて他のグラスを使用される場合もあるし、スペースやオペレーションのご都合上、使用が叶わない場合もあるのが実情だ。もちろん、リュトンを使用していなくても

          王冠をいただきたい

          移ろいゆく理由

          ガージェリー・エステラは、2004年にGARGERYブランド第2の商品として生まれた。以来、少しずつ取扱いのお店を増やし、現在は100ほどの素敵なお店でサーヴされている。お店の業態は、ダイニング、和食、イタリアン、フレンチ、オーセンティックバーなど、幅広くお使いいただいている。 その理由は、このビールが食事にとても合わせやすいからだと思う。従来の大手のピルスナータイプビールのように、食事中に口の中に残った脂分などを洗い流し、さっぱりとリセットするような役割ではなく、食事の味

          移ろいゆく理由

          微笑みが咲き、想いが実りますように

          エチゴビール、2023年最初の新商品「林檎とハーブの微笑みエール」が発売された。僕がエチゴビールの商品開発を請け負うようになって、もう何商品目になるだろう?幸いにもこの白熊シリーズはずっと好評をいただいており、SNSでお客様が楽しんで召し上がっている様子を見るのが楽しく嬉しい。 白熊シリーズを最初に発売したのが2018年のALWAYS A WHITE(2・3回目はALWAYS A WITに商品名変更)で、当初このキャラクターを使用したのは、白ビールだからということと、女性に

          微笑みが咲き、想いが実りますように

          泡跡(ほうせき)をつみ重ねる時

          それはエンジェルリング(天使の輪)やレースの模様に喩えられる。 ビールの出来、コンディション、注ぎ方、グラスの洗い方、そして飲み方まで、醸造所から飲む場所、飲む瞬間までのいろいろが関わってできている、物語の結末のようなものとも言える。 時には、ふんわりやわらかく、 時には繊細な模様を描き、 時には何かを語りかける記号のようだ。 この特別な空間で、光と影の中に佇むリュトンを見ていたら、エンジェルリングでもビアレースでもない、もっと相応しい呼び方を思いついた。 泡の跡

          泡跡(ほうせき)をつみ重ねる時

          おいしさ時間は、“酸化”することに“異議”がある

          「おいしいビールを飲みたい!」といった主旨の話は大抵、ビール会社・ビアスタイル選びから始まり、グラス選び、注ぎ方、ビールの温度、料理とのペアリングというようなことで締め括られることが多いが、ビールそのもののコンディション、特に鮮度について触れているものが少ないと感じる。昔からビール工場で飲むビールはおいしい、と言われるが、その逆で、工場を出荷した後のビールは生鮮食品のように「劣化」という脅威に常にさらされていると思わなくてはいけない。そこに目をつむっては「おいしいビール」を語

          おいしさ時間は、“酸化”することに“異議”がある

          転職モラトリアム期の言葉

          Facebookの機能で過去の同じ日の投稿を「思い出」として表示してくれるのがあるのだけど、2014年10月のこんな投稿が出てきた。長年務めたキリンビールを早期退職することを決めたけど、まだビアスタイル21社に復帰することは決めていなかった時期だ。僕のキリンビールでのキャリアを簡潔によくまとめてあるので、メモとして、こちらにコピーしておく。 *** 以下 2014年10月13日 Facebookへの投稿より *** この1ヶ月ほどの記事を読んで、別所はどこかに転勤するのか

          転職モラトリアム期の言葉

          ひとくちで、ドラマ。

          クラフトビールをはじめとする様々な飲みものの情報を紹介されている『CRAFT DRINKS』のヲキトシヒコさんに、ガージェリーブランドの一番大切な芯の部分を素敵な文章で表現いただきました。是非ご一読ください。

          ひとくちで、ドラマ。

          はじまりの前のことば

          前回の投稿のとおり、2022年7月25日に株式会社ビアスタイル21は設立20周年を迎えた。2002年に大手ビール会社の社内ベンチャーとして設立し、2007年に同社との資本関係を解消したのだが、そこから数えても15年ということになる。さすがに「昨日のことのように」ということはなく、実感としても遠い昔の話であり、自分でもちょっとした "おとぎ話" のように思える(笑)。 創業当時の話はこちらをどうぞ。 僕らのGARGERYブランドに対する想い入れは当時も今も相当なものだと自負

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          20年にありがとう

          2022年7月25日、 株式会社ビアスタイル21は、設立20周年を迎えます。 弊社は、2002年にキリンビール株式会社の社内ベンチャーとして設立されました。新しいビジネスモデルで新しいビールブランドを展開する事業を立ち上げる、というミッションでした。5年経過したところでキリン社の資本を離れることになりましたが、それから数えても今年で15年ということになります。 創業当時は “生みの苦しみ” があり、新規事業ならではの障壁もありましたが、大手資本を離れた2007年以降には

          20年にありがとう