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大企業と中小零細企業は違いすぎる

あなたは転職をしたことがありますか?

今回は私の経験から、会社選びに迷っている方へ選択基準のひとつになるかもしれない視点をお伝えできればと思います。


平成の中頃から現在に至るまで転職市場は拡大し続けており、特に2013年以前とそれ以降で、20代の転職は2.4倍に増えています。
20代前半に限ると4倍近い増加となっています。

私は、社会に出てから何度か会社を移り、いくつかの組織に所属しました。
個人で仕事をした時期も少しありましたがあまり向いていなかったので、今は組織に属して過ごしています。

その中で知ったのは、規模が大きく、社会性を持ち、継続しているいわゆる大企業と、小規模で、社会の合間に存在し、業績の波が大きい中小または零細企業の違いです。

とはいっても、見かけ上それほどの違いがあるわけではありません。

むしろ、最新の流行に乗り、やる気にあふれた個人が業績を上げているスタートアップ企業は待遇、仕事内容、環境まで含めて素晴らしく、逆に有名で伝統のある企業が、実は中身はとても残念というところも多いです。


私もやる気にあふれたスタートアップ的な企業にいたことがありました。
若くて才能のある人が多く、オフィスは眺めのいい高層ビルの一角で、聞こえてくるのは明るい将来を予感させるような景気の良い話ばかり。

同業者からも羨ましがられる位置にいて成長し続けるはずの企業でしたが、現実には、とある時代の急激な変化に負けて急速に業績が悪化し、人員整理、規模縮小、移転、身売り・・・と坂を転がるように業界から消えていきました。

私はその途中で離脱しましたが、最近気になって検索したところ、かつての勢いはないとても寂しい状況のようで、彼らが大きな夢を描いて突き進んでいた時期を知っているだけにとても悲しい気持ちになりました。


社会との関わり方の違い


以上が私の体験ですが、これだけ聞いても、よくあるベンチャーの盛衰という以上の感想は持たれないかもしれません。
そして今の大企業も同じようなものじゃない?と思う人もいると思います。

しかし私の意見は違います。

社会に深くコミットしようとする組織は、社会の課題を見つめて解決を目指し、個人ではできない大きな規模のソリューションを準備し、実際に解決に向かって長期間努力していく組織力があります。

そしてそのような課題を解決した実績が新たな課題へ向かう意志を持つ人を呼び込み、組織を継続していきます。
そしてその結果として、優良企業や大企業、伝統的な企業と呼ばれる存在となっていくと思います。


しかしそうではない企業は、社会の合間にある何らかの落差を利用して、自分たちの儲けや居場所を得ようとします。

経済的な格差、情報格差、人気の格差などを見つけ、経済格差に不満な人の欲に付け込んだり、情報格差を利用して高く売りつけたり、不人気なものを買いたたいたりします。

悲しいことにそういった社会の落差はいたるところにあり、法律のすき間も意外と大きいので、それを見つけていち早く動ければ短期的な儲けは非常に大きいと言えます。


いやそんな悪意のある会社ばかりじゃない、とお思いの方もいるでしょう。

しかし悪意はなくても、例えばハラスメントを防がずに放置していたり、実質的に残業代や休日手当をルール通り支払わないといった会社は多いです。

またお客さんに対しても、サービスを解約しづらいようにしていたり、確たる根拠がないまま合格できるとか美しくなるとか投資で儲かるなどと宣伝していたら、同じことだと思います。


労働生産性の違い


さらにもうひとつ、小規模企業と大企業では、生み出す付加価値に大きな差が生まれています。

企業規模別・業種別の労働生産性 出典:中小企業白書2020

労働生産性とは従業員一人当たりの付加価値額ですが、青の小規模企業、赤の大企業で大きな差があり、建設・製造・情報通信などでは3倍以上となっています。

所属企業の大小だけで社員の能力が3倍も変わるとは考えられないので、企業規模による事業や経営のやり方の違いがこの差を生んでいると考えたほうが自然です。


私の経験から考えると、もし企業を選ぶなら、社会の中で求められる役割を果たし価値を生み出していて、さらに規模が大きく継続性のある企業なら理想的です。

もちろん中小・零細・個人事業主でも良いところはありますが、まずは社会との相互的な関係を保てている組織や人かどうかが重要だと思います。

会社選びや転職について今考えている人がいたら、このような見方を参考にしていただければ幸いです。



[マガジン] 平成って何だったの? こちらからもぜひお読みください!


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