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コーヒーの保存方法について

しっぽにちは。BBです。
今日はコーヒーの保存方法について書いてみます。これまで、生豆なら常温保存、焙煎してれば冷凍保存、くらいの感覚でしか考えていなかったのですが、調べてみると色々な考えがあるようです。ざっくりとまとめると以下の感じです。

コーヒーの保存方法

内容について少し書いてみます。

コーヒーの保存方法
コーヒー豆は、置かれている環境に応じて、味の変化や劣化が起こる。主に、光・熱・空気・水分の4つから影響を受け、基本的にはそれらの影響下にある期間が長いと影響も大きいと考えられている。主な影響としては、酸化、炭酸ガスの減少、ポリフェノールなどの化合物の減少がある。良い味わいを維持するには、そのような影響を低減するための対策が必要である。
対策としては、暗室に置く(光対策)、低温で保存(熱対策)、密閉にする(空気、水分対策)、などがある。対策が多いほど手間やスペースなどが必要になるので、実際に消費するまでの期間に合わせて適切に組み合わせて対策するのがより良い。ただし、対策の方法を誤るとさらなる味の劣化を引き起こす可能性があるので注意する。例えば、冷凍保存は、総じて、味の変化(感覚評価による)の影響を受けないとする研究成果などがあるものの、単純に冷凍庫に保存するだけでは、結露などによる水分の影響を受けたり、他のものからの影響で風味を大きく失う恐れがあるので、必ず密閉にするなどが必要である。一方で、焙煎豆の場合は、冷凍保存(豆をより低い温度に)することで、挽いた時の粒子分布が均一になり、風味がよくなることを示唆する研究もあり、期間が短い場合であっても冷凍保存により良い影響を受ける場合もある。

今日はコーヒーの保存方法について書いてみました。コーヒー豆はとりあえず冷凍保存しておけば良いと思っていましたが、諸説あり、一概にそうとは言えないようです。すぐ飲む場合(1~2週間以内)に限っては、常温で保存して味わうようにしようかと思い直しました。コーヒーは、保存方法一つとっても多くの知見があり勉強になりました。今後も継続して勉強し、以下最初に立てた目標に沿って色々と書き進めようと思います。

References

コーヒーの保存方法(学術研究)
[1] The effect of bean origin and temperature on grinding roasted coffee
コーヒー豆の製造プロセスの違いが、粉砕時の粒度分布に影響するかどうかを調査。2016年 nature (scientific reports) 誌。結論として、粒度分布は産地や加工方法に依存せず、豆の温度に影響を受ける。
ポイント:温度は、液体窒素(-196℃)、ドライアイス(-79℃)、冷凍庫(-19℃)、室温(20℃)を設定。温度が低いほど粒子分布の歪度が高く、粒子径の最頻値が低下。粒子が小さいほど表面積と体積の比率が大きくなるため、風味の観点からは好ましい特徴。工業的な観点の考察として、冷たいコーヒー豆を挽くことで、粒子分布の均一性が高まり、抽出が完了せずに廃棄される無駄な豆の量を最小限に抑えることができることを示唆。

[2] EFFECT OF STORAGE CONDITIONS ON THE SENSORY QUALITY OF GROUND ARABICA COFFEE
挽いたコーヒー豆を室温および冷凍で保存した場合の味わい(sensory)の変化を期間別に調査。結果の解釈が少し難しい。必ずしも長ければ悪いということではなさそう。
ポイント:0週(新鮮)、1週、2週、3週の期間(条件)を設定。各条件間で、味の区別が可能であるか、及び、香り、風味、苦味、総合的な嗜好性の属性を比較。室温保存の場合、0週(新鮮)と2週の場合を有意に区別できたが、0週と1週、3週の区別はできなかった。味わいに関して、苦味は、1週の場合で最も強く、また、2週の方が0週よりも強い。香りは0週が最も強い。嗜好性については、2週よりは0週、1週よりは2週の場合がより好まれた。冷凍での保存では、1週と2週の場合を有意に区別できた。味わいに関して、2週の場合、0週に比べて、香りと苦味が強かった。嗜好性については、どの条件間も有意な差がなかった(冷凍すると、期間による味の変化による嗜好性低下が弱いことを示唆)。

[3] The content of polyphenols in coffee beans as roasting, origin and storage effect
有機栽培のコーヒーと従来のコーヒーを長期(12ヶ月間)保存した際の化合物の含有量を比較評価。
ポイント:有機栽培のコーヒー豆は、従来のコーヒー豆に比べて生理活性化合物(総フェノール、フェノール酸、フラボノイド)の含有量が高い。どちらの場合も、12ヶ月保存した後には一部減少(有機 vs. 従来の各成分の減量率。総フェノール:83.4% vs. 82.9%、フェノール酸:90% vs. 93%、フラボノイドは保存期間の影響を受けなかった)

[4] Changes in sensory quality characteristics of coffee during storage
焙煎したコーヒー豆の長期保存(9ヶ月、18ヶ月)による影響を調査。
ポイント:焙煎したコーヒー豆を真空包装し、常温暗室で長期保存(9ヶ月、18ヶ月)。焙煎したてのコーヒー豆との味わいを比較。9ヶ月間保存すると、コーヒー飲料としての品質が低下。ポジティブな香りと風味の強度が減少し、ネガティブな香りと風味が有意に増加。18ヶ月保存では、酸化過程を示す腐敗臭と風味が増加。コーヒーパッケージの賞味期限は12ヶ月から24ヶ月以上とされている(※ 2016年時点でのオーストラリアで)ことに対する味の変化への注意を示唆。

コーヒーの保存方法(国内)
[5] 鮮度を保つコーヒー豆の保存方法|粉の保管場所・期間・豆の選び方を解説
UCCの説明。
[6] 最適なコーヒー豆の保存方法とは?保存場所から挽いた粉の扱い方についても解説!
キーコーヒーの説明。
[7] コーヒー豆・粉の味が長持ちする保存方法とは? 気を付けたいポイントとおすすめ保存容器
小学館の説明。
[8] 【保存期間別】コーヒー豆の保存方法とは?気をつけるべき4つのこと
生豆も含めて解説。
[9] コーヒー豆の保存方法と場所!常温・冷蔵庫・冷凍庫?保存期間で変わる?
わかりやすい
[10] 【コーヒー豆の保存方法】冷蔵庫と冷凍庫、保存するならどっち?
期間に応じて整理。わかりやすい
[11] 【完全解説】コーヒー粉・豆の保存方法。保存容器から注意点まで 自宅での保存方法を工夫して、おいしさを保ちましょう
[12] 冷凍保存と保存期間 | コーヒー豆を沢山買ってしまったあなたへ
色々な観点で説明。
[13] あらためて、「コーヒー豆の保存」。
絵があってみやすい。
[14] 冷凍保存も完璧じゃない。それでも冷凍保存をお勧めする理由。
冷凍保存を検証。
[15] コーヒー豆の保存場所はどこが適切?保存期間や鮮度を保つ方法も紹介
わかりやすい
[16] 冷凍庫でコーヒー豆の保存は正解? プロはやらないコーヒーのいれ方
淹れ方含めて解説。
[17] コーヒー豆の保存方法
キャニスターの違いなど検証。

コーヒーの保存方法(海外)
[18] How to Store Coffee
National Coffee Associationの説明
[19] Coffee Bean Storage: Vacuum vs Sealed Containers
真空パックと通常の密封(メイソンジャー)の効果をデータに基づいて分析。全体的には真空パックの方が味の評価が高いが、抽出量はどちらも同程度。
[20] HOW TO STORE COFFEE BEANS
焙煎日から7~14日後に豆を購入し(焙煎後7日間は豆を休ませた方が良い)、その後4~5週間以内にコーヒー豆を使用することをお勧め。
[21] Best Coffee Storage Container 2021
いくつかの保存容器をメリット・デメリットで紹介
[22] 11 BEST COFFEE CANISTERS
劣化の原因や目的別でのおすすめのキャニスターなど紹介
[23] How to Store Coffee Long Term – Prepper Style
長期的な保存方法を紹介
[24] Long Term Coffee Storage: How to Keep It Fresh for Years
コーヒーの種類毎(インスタント、生豆、焙煎豆、など)の保存期間や方法を紹介

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