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クックパッドとの思い出をビジュアル化。抽象から考え、具体で検証する、コミュニケーションデザイン。

食べたり作るたびに、笑ったり、あの日のことを思い出す料理、みなさんはありますか?

先日、そんなあの日の料理と、クックパッドをご利用いただく中でのエピソードを募集した「クックパッドあの日のごはんエピソードコンテスト」の受賞作品が発表されました。

クックパッドのコミュニケーションデザイナーとして働く、私🍟(@azusanpome)が今回この施策を担当しました。
企画を具体化する段階から主体となって取り組み、具体的にどのように考え、動いていったのか、もっとこうすればうまくいったかも?ということを自分の備忘録も兼ねてお伝えします。

受賞したエピソードを書き起こした漫画。その他の作品は上記LPをご覧ください。


🍙目的をコンセプトにして形づくる

クックパッドではレシピを募集するコンテストを定期的に開催しています。今年は私の所属するチームで少し違ったエピソードを募集するコンテストを実施したいという企画が提案されていました。まだクックパッドでレシピを書いたことがない方に、レシピを書くことの楽しさをもっと知ってほしいという思いからです。
他の施策との兼ね合いもあり、私は具現化する段階でプロジェクトオーナー兼デザイナーという役割で関わることになりました。

普段担当しているLPやバナーのデザインだけでなく、その前段階のタイトル決め、賞の設計、募集方法、審査、発表の仕方も決めることに。仕事の内容が膨らんだように思いましたが、まずは目的を考えて整理しました。

抽象と具体を行き来しながら企画を練ってい来ました


目的を抽象と具体にわけ、ターゲットからどんなことを期待され、どう感じとってほしいのか、具体的には何をしなければいけないのか整理していきました。
(この間私は迷いまくり半泣きで、優しいディレクターの先輩にひたすら壁打ちしてもらっています。)

考えたことを一度まとめ、再び抽象的なコンセプトへと落とし込みます。そこからこのコンテストの世界観やメインビジュアルを考えて、素材を制作していきました。

なんの料理かわかるレベルまで抽象化し、それぞれのあの日のごはんを想起させる狙い。グラフィックは切り絵をスキャンして制作し、手書きのタイトルと合わせ情緒を表現しました。

クックパッドでは先輩デザイナーが作ってくれたデザインシステムやガイドラインが大変充実しているので、それを守りつつ変化を持たせたい部分に引っかかりが生まれるようなグラフィックを作ることを目指してみました。

そうして、なんとかできた企画&LPのラフデザインをPO(プロダクトオーナー)に確認してもらったところ、実施するにあたってより具体化しないといけないことが出てきて、議論になりました🤔

🍔具体的な結果や動きをプロトタイプで確認する

POに質問されたことは具体的で細かな部分でした。

タイトルやテーマの設定はクックパッドを利用したことがある人限定にするのか?ちゃんと私たちが伝えたいレシピを書いたり、見て作ったエピソードが集まってくるのか?募集文字数は適切で、そこに制限は必要なのか?

などなど。
自分の頭の中ではなんとなく落とし所が見えていることも、うまく説明できずなかなか納得していただけません。
中でも募集文字数については、応募文のサンプルを検討して用意していましたし、指摘されると思ってもみませんでした。

今回募集した作品を発表する際に漫画に書き起こしてSNSで発表することになっていて、一枚の画像で収まるものに仕立てるならこのくらいの文字数かな、という文字数で設定していました。

より具体的に説明するために、Twitterで読まれている短編の漫画作品をたくさん集めて文字数を数えてみました。そうすると当初最大の応募文字数だけを考えていたのですが、短い文字数で成立するシンプルな漫画はかなり絵に工夫があったり、漫画ありきでオチがあることがわかりました。また、一つの投稿で貼り付けられる量の漫画の限界文字数もはっきりしました。

募集テーマを分け発表と同様に漫画に書き起こすことで、
投稿してほしいエピソード例をわかりやすくした。

その上でサンプルの漫画を自分で書いてみて、改めてPOに提案し、企画を進められることになりました。ものづくりをする人間ならそうして物事を確認していくのが大事だね、とフィードバックをもらいました。

デザインの段階では作って壊すことは今までも経験のあったことですが、施策を組み立てる段階初期段階でも細かく具体的にプロトタイプに落とし込んで考えることが有用だったことに改めて気付かされました。

目的から積み上げて考えることが多い自分にとって、ゴールから具体的に考えていくのは全体のデザインだけではなく、施策全体で有用なことは、今後につながる気づきでした。


(そしてここで漫画ラフを書いたことで、本番の書き起こしも、自分がやることに決まり一人3役に分身🍟🍟🍟)


🍣こぼれるタスクを逃さず仕上げていく

その後、着々とデザインを仕上げ施策を進めていく中、あまりうまくいかなかったと思っていることは、こぼれるタスクを逃してしまいそうになったことが何度かあったことです。

進行の段階で、タスクを細かく分けて、別部署で掲出するコラボ記事や受賞者との連絡などチームの方にお願いできることをお願いしていきました。
その間も、自分でTwitterのキャンペーンを計画してバナーを作ったり、他の部署に相談したり。
しかしだんだんと実行に近づくにつれて、できると思っていたところに思わぬ確認事項が潜んでいたり、申請が必要だったりとバタバタすることが出てきました。

こういったことも、はじめに細部まで具体化し、チームに共有できていれば、私の気づかないところをより早くフォローしてもらえたなあと施策の振り返りの際に気づきました。

次回は、定例をもうけたり、メンバー間でタスクを細かく共有することを、実行段階になったとしても続けようと思いました。途中で発生する最初に具体的でなかったタスクを途中で拾い上げる助けになるでしょう。一人で仕事はやっぱりできないので、頭の中を積極的に同期させていきたいですね。


🍦コミュニケーションデザイナーが越境する時

ここまで読んでいただいて、デザイナーのnoteなのにデザイン以外のことがたくさん書いてあるなと思われたかもしれません。

自分の中でも自分のなりたいデザイナーってどんなデザイナーなのかずっと考えています。
施策を考えるのも、イラストを描くのも、グラフィックを作るのも好きだけど、どれか一つを専門にするのはなんだか違う気がする、その中ではものを作りたい気持ちが一番。

そんな気持ちでずっと学生時代から動いてきて、今に至ります。
デザインという領域において、あらゆる手段を使って、見えない物事を目に見える姿にし、人を喜ばせること、そういう役割がなんだかしっくりくるような気がします。

デザイナーがなんでもできるっていうのは個人的には奢りだと思っていて、
コミュニケーションデザイナーが越境する時は、誰かと目的達成のためコラボレーションしようとはみ出すような、そんな時なのではないかな、と思っています。

みなさんの思うコミュニケーションデザインの仕事があれば、ぜひお話しましょう。


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