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スキンケア迷子をやめるには。  【バリア編】

こんばんは。

今回は医療者の観点から見た、
スキンケアについて。

とっても大事なお話です。

とくに
「自分は敏感肌でなかなか合う化粧品がみつからない…」
という方、是非見てください。


スキンケアにおいて
【絶対に知っておいて欲しい大前提】
についてのお話です。



①皮膚という最強の器官

▶︎皮膚はなんのためにあるか?

今、流行しているコロナウイルス
マスクをしていたら基本は大丈夫と言われてますよね。

目、鼻、口からウイルスは体内に侵入するからです。

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あれだけ、極小のウイルスでも、皮膚を通り抜けることはできない

それだけ、”ヒト”を守るために
めちゃくちゃすごいバリアを張ってくれている、

それが皮膚です。



②バリア機能が大事な理由

【ここからは頭の中で、一緒に想像しながら読んでみてください。】

いつもこの話を患者様に話すときは
こんなバリアを張る姿を
イメージしてお話ししてます。笑

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このような状態が「皮膚が健康」つまり
バリア機能が正常」だというイメージです。



▶︎「肌トラブル」=「バリアに穴が開く」

たとえば…

攻撃から守るために、さらに強いバリア、”炎のバリア”を張ったとします。

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自分を守るためだったはずなのに
バリアに穴が開いてたら
攻撃を受けるどころか
炎は中に入ってきてしまい
本末転倒…。


それを肌に置き換えると…

湿疹が出てたり、
痒くて擦ったり、
髭剃りで剃刀負けしたところは、
バリアに穴が開いてるのと同じです。

良かれと思って塗った化粧水やクリーム、
日焼け止めなどが、皮膚の中で火事を起こしてしまいます


▶︎「敏感肌」=「バリアがペラペラ」

"皮膚の赤み"は血が透けている色です。
皮膚の中でも一番外側(=表皮)には
血管は通っていません。

皮膚が広範囲に赤いということは
表皮が薄くなっていたり、
壊れてしまっていて

その下(=真皮)が透けている状態です。

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バリアの膜全体が薄いと、

ちょっとした攻撃には耐えられたとしても
強い攻撃には耐えられない
弱いバリア。


これが敏感肌という状態です。


③バリアを正常にもどす & 強くすることが第一優先

▶︎「肌の刺激」=「バリア外の敵の攻撃」  から身を守る

具体的に肌にとって攻撃とは、

髪が顔に触れることや
化粧品のこともあれば、
ほこり紫外線自分の汗のこともあります。

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バリアに大きな穴が開いていたら、それは立派な病気です。

湿疹や、ニキビなどがそうです。

薬を塗ったり飲んだりして治療することで
バリアを正常に戻します。


肌荒れも程度によりますが、

バリアに開いた”大きな穴”または
”たくさんある穴”
スキンケアだけでごまかして
とりあえずの応急処置をしていると、

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次から次へと攻撃をもろに受け、
そうこうしているうちに
さらに穴は大きくなります。

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薬などで短期間で穴を治しちゃった方が
すぐ攻撃を跳ね返せる状態に戻るので、
大ごとにならないで済みます。


▶︎化粧品が肌荒れを悪化させる場合とは?

なぜ、同じ化粧水でも数百円のものと
何万円もするものがあるか。


ほとんど同じ成分だとしても
ほんの数%の美容成分の研究に
たくさんの時間とお金をかけています。

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もちろん、それだけの価値はあります。

ただ、その効果が必要ない状態なら
高いお金を払って買う意味はありません


美容成分は良い作用もある分、刺激となりやすいです。

敏感肌の人ほど、むしろ特別な化粧品は必要なく
シンプルなケア
がいいです。

●バリアを元に戻すこと。
●最低限バリアが戻るまでの間は刺激を最小限におさえること。

ただ、これさえ徹底すれば
ある程度の刺激に耐えられる肌が戻ってきます。

それからプラスアルファの美容成分を求めたら良いのです。



バリアが弱っているとき、皮膚科の先生は、

「メイクを控えてください。」と言います。

「ノーメイクが無理なら、
せめてメイクしている時間を短くしてください。」
と。


いくら薬でバリアを元に戻そうとしても
強い刺激を与え続けていたらよくならないからです。

皮膚が赤くなっているところを
ゴシゴシ洗っているのも同じことです。


このバリア機能の考え方が
スキンケアの大前提です。


これがちゃんとわかっていると、

「皮膚科の先生の言う通りに
薬を塗ってるのに治らないのはなんで?!」

ってことにはならないですし

「SNSでこれが肌荒れに効くって言ってたのに私には効かない!」

ってことにならないです。


意外と刺激をゼロに近くしたら
けろっと治っちゃうことも少なくありません。

「なんで、この肌の状態なんだろう?」
まずは自分で考えてみるのが大事ですね。



肌って奥が深いようで
意外とシンプルで、素直です。

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以上がスキンケア迷子さんに
知って欲しかった、皮膚のお話。

当たり前のようで、
意外とピンときていない人が
多いのではないでしょうか。


でも知っていると
もっと化粧品選びが楽しくなりますし、
肌が調子悪い時、改善策を自分でも見つけやすいです。


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う〜ん。うまく伝えられたかな…。

もっとわかりやすく
伝えられるように、がんばります。


今回は概念的な話になってしまったので
またどこかで、具体的にどんなコスメを選んだらいいかは

話せたら良いなと思います。

それではまた。

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