マガジンのカバー画像

【読書関連記事】

91
私がこれまでに、書きました読書関連記事のまとめとなっております。
運営しているクリエイター

2023年9月の記事一覧

【‘‘悟性’’/墨象の美】

【‘‘悟性’’/墨象の美】

水墨画というものは、非常に奥深い世界であり、書道家の篠田桃紅先生の描く、墨象と呼ばれる水墨画の造形美を追究した芸術には言葉では表現出来ないものが作品には宿っていると考えさせられるものがありました。
墨の濃淡による色や繊細な一本の線には、あらゆる言葉を凌駕する力強さというものがあるということを感じられます。
そして、先生が晩年に記された最後の随筆集である『これでおしまい』には、先生の全てが込められた

もっとみる
【‘‘活字好きの小言’’】

【‘‘活字好きの小言’’】

本を読んでも、読んでもなかなか減らない。
読み終えてもまた別の本を買ってしまって積ん読が増えてしまう一方であり、自宅に眠って未だに読んでいない本が半数以上あることは確かである。
暇さえあれば、本を読んでいるのに、一度に買う本の冊数が多い為、一生かけても読み終わらない本がほとんどだと思いながら、積ん読を全て消化するという決意はとっくの昔に諦めたところがあります。
活字好きにとって、読書の時間は至福の

もっとみる
【‘‘読書家とは何か?’’】

【‘‘読書家とは何か?’’】

日々の読書の中で、私にとってある疑問が脳裏を過ったことがありました。
それは、‘‘読書家’’とは何か、ということについてであります。
一般的な定義として、読書家というのは、人並み以上に本を読む人のことを指した言葉であり、私自身、SNS上では読書アカウントを運営しているにあたって実際のところ、読書家として名乗っていいのだろうかという疑問がありました。
月に読む冊数というのは、仕事やプライベート、その

もっとみる
【最近、読んだ本紹介】23年ver.

【最近、読んだ本紹介】23年ver.



[PART:Ⅲ]前回の続きより↓

[ビジネス]

■一冊目記憶には理解の組み合わせによって実現されるものであり、表層的なものだけを記憶するのではなく、それを支えている要素について注意を向けながら記憶していく。
その積み重ねが理解を深めていくことになる。
細部までしっかりとした記憶、必要なときに取り出せる記憶が、物事を理解するために必要である。
思考力や発想力にも記憶が関係する。
記憶力という

もっとみる
【‘‘推しの日本文学 厳選3選’’】

【‘‘推しの日本文学 厳選3選’’】


-現代の日本文学を読み解くための読書案内-

◆一冊目ゴルディロックスゾーンというのは、 宇宙において生命の誕生と生存の維持に適した領域のことを指す言葉であるらしく、本書を手に取るまでどういった物語なのだろうかと読む前は全く分からなかった。
だが、読み進めてみるとページをめくる手は止まらなくなった。
学校生活に馴染めずにいる依子とたった一人の友人であるさきとの交遊などはとてもリアリティがあり、男

もっとみる