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【沼津の思い出の海】

沼津で暮らしていた頃は毎日のように海を見に行った。沼津の駅から遠く、暮らすには不便な土地だったが海の近くなので利便性は気にならなかった。近所にコンビニやスーパーがあることよりも海のあるほうがいい。

早朝に起きて朝焼けを見てから仕事に行く。仕事が定時で終わった日にはそのまま海岸によって夕陽を眺めた。夏の日中は日差しで強烈な暑さになるが海風は心地よい。波のリズムをずっと見ていられる。

海岸から眺めると沼津の海は湾曲した地形で対岸が見えるせいかそれほど広さを感じない。太平洋のようにどこまでも続く途方も無い広さも好きだけど駿河湾は親しみやすさを感じる。気の済むまで眺めたら海岸の防風林を住処にする野良猫と戯れて帰る。だいたい毎日をそんな風に過ごしていた。

沼津アルプスを歩いた帰り道、久々に海を眺めてみたがやっぱり見飽きることはなかった。五年や十年では海は当然変わらない。途方もなく暑い。親しみを感じる広さ。静かな波。空にトンビが羽を広げるのはどこの海も同じだろうか。

山はどれだけ歩いても飽きない。
海はどれだけ眺めても見飽きない。
やっぱり山も海も好きだ。

あの頃と同じ海。


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