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「悩みがスッと解決する」 現実的な仏教の思想とは?

 仏教と聞いて皆様、何を思い浮かべますか?

「金ぴかに輝く仏様が現れて、苦しみから救ってれる」とか、「お経を唱えて悪霊を退散する」とか、スピリチュアル的な要素が強い宗教、というイメージが強いのではないでしょうか?

 たしかに、仏教の代表的な宗教行事であるお葬式や、法事というのは、「亡くなった家族が、ちゃんと成仏するように祈る」という、霊的な儀式でもあります。

 しかし、仏教の創立者であるブッタは、こんな事を言っています。

「幽霊は存在するか、しないか? 死後の世界はあるか、ないか? 私はこれらの事はどうでもいい。なぜなら、心を浄化し、安らぎを得て、悩みから解放されるための、役にたたないからである」

 このようにブッタは、霊的な事は全く重要視ていなかったんですね。

 しかし現代の仏教といえば、「極楽や地獄などの死後の世界」、「死者の霊を供養する」など、スピリチュアルで霊的な方向に傾いていますね。

 それはなぜか? これはあくまで私の予想ですが、「ブッタの教えが画期的過ぎて、理解できない人が多く、長い年月を経て霊的な方向に傾いていった」と考えます。

 ブッタの言葉を見ればわかると思いますが、本来仏教が要としているのは、「心を浄化し、安らぎを得て、悩みから解放される」事です。

 さて、ブッタはなんの根拠もなく「心を浄化し、安らぎを得て、悩みから解放される」と語ったわけではありません。

 ちゃんと現実的かつ、具体的な方法を教えてくれています。

 それではあらゆる悩みが消えていく、ブッタの・合理的な「考え方」を見ていきましょう!

そもそも悩みってなに

「お金がない😢」
「SNSのフォロワーが伸びない😢」
「動画投稿したのに、誰も見てくれない😢」
「将来が不安😢」

 など、人は人生を生きる上で、様々な悩みを抱えて生きています。

 そこからストレスを感じたり、モヤモヤしたり、焦りを感じたり、落ち込んだり、時には精神を病んでしまったりします。

 このように人は悩みに振り回されていわけですが、そもそも悩みの正体ってなんでしょうか? 

 勿論、ブッタは悩みの正体について、答えを出しています。

 悩みの正体とはズバリ「心の反応」です。

 どういう事かと言うと、悩みとは、外部からの刺激によって、心がつい動いてしまうから生じるものなのです。

 例えば、「今から10キロ、ランニングしなさい」と言われたとしましょう。

 普通に考えて、10キロ走るのはしんどいので、「嫌だなぁ」とネガティブな反応をする人もいるでしょう。

 しかし、普段ランニングしていて、体力に自信がある人は「10キロなんて楽勝!」とポジティブな反応をする人もはいます。

 このように「10キロ、ランニングする」という刺激が、人を悩ませるのではなく、刺激を受けとる心が悩みを生んでいるんです。

 私たちは日々の生活、仕事、家庭内で……
「嫌な事があったら、つい腹を立てる、イライラする😡」
「思い通りにいかない現実に焦りを感じて、不安になる😖」
「他人の視線を気にして緊張する😢」

 これら全ては「心の反応」です。

 仏教が語る「悩みからの解放」というのは、「ムダな反応をしない」という事です。

 そして、ブッタは「ムダな反応をやめる」方法を教えてくれます。


心の反応は、なぜ生じるのか?

「悩みとは心の反応である」とわかったところで、次に進みましょう!

 人は『刺激』に対して、『反応』を生んでしまうのでしょうか? それは人には「求める心」があり、これが「反応し続けるエネルギー」となって、人の心で流れ続けているから反応が生じてしまいます。

 求める心というのは、いわゆる欲求であり、これは七つあるといわれています。

1、生きたいという欲(生存欲)
2、眠りたいという欲(睡眠欲)
3、食べたいという欲(食欲)
4、セックスしたいという欲(性欲)
5、楽したいという欲(怠惰欲)
6、美しいものを見たいという欲(感楽欲)
7、認められたいという欲(承認欲)

 さて、欲求がなぜ「反応するエネルギー」を生んでいるのかというと、わかりやすいので、「食欲」を例にしてお話します。

 人は「食欲」に動かされると、料理を作るか、ご飯を食べに行く、などの行動に出ます。

 そして行動の結果、『反応』が生じます。
 
 たとえば、「美味しいものがお腹いっぱい食べれて満足した」という欲求が満たされた、ポジティブな反応。
 逆に「料理が美味しくなかったり、時間がなくてご飯が食べられなかった」という、欲求が満たされない、ネガティブな反応。

 このように人生というのは
①欲求が生じる
②欲求に動かされて、行動する
③その結果に対して、ポジティブな反応かネガティブな反応をする。
 このサイクルを繰り返しているのですね。

 食欲はご飯を食べれば満たされますし、睡眠欲は眠れば満たされますが、7つの欲の中でなかなか満たされないものがあります。

 そう、承認欲求です。この欲求だけはなかなか満たされません。

 皆様も経験があるのでは、ないでしょうか?

 noteの記事がなかなか読まれなかったり……
 SNSの投稿にいいね♥️がつかなかったり……
 仕事や勉強を頑張ったのに、ほめられなかったり……

 こうした思いを作っているのは、「自分を認めてほしい!」、「注目してほしい!」、「愛してほしい!」、「評価してほしい!」という承認欲求です。

 そしてこの承認欲求を拗らせると、「嫉妬心」や「人目が気になる」という、様々な悩みを生みます。

 もちろん、ブッタは「承認欲求」に対しても、ちゃんとした解決方法を教えてくれます。

 それは「わたしには承認欲求があるんだ」と認めてしまう事です。


心の状態を見て、反応しない

・「SNSの投稿にいいね♥️つかなくて、辛い」のは、「周りが間違っているからだ!」
・「仕事で頑張ったのに誉められなくて、悲しい」のは、「ちゃんと私を見てくれない」

 このように悩みの原因がわからないと、人は落ち込んだり、憤慨したり「ムダな反応」をして、原因を他人に求めます。

 しかし、承認欲を認めれば、悩みの原因がわかります。

・「SNSの投稿にいいね♥️つかなくて、辛い」のは、「注目してほしいという承認欲がある」から……
・「仕事で頑張ったのに誉められなくて、悲しい」のは、「評価してほしいという、承認欲がある」から……

 このように自分は承認欲に動かされていたという、悩みの原因に気づくだけで、心が楽になる事があります。

 しかし悩みの理由がわからないと、苦悩はいつまでも続きます。

 反応せず、まず理解する、これが悩みを解決する方法です。

 苦手な人の前で緊張してしまったら、「私は緊張している」と自分の心の状態を確認します。

「いいね♥️がつかないな」と思ったら、「私は承認を欲している」と、自分の心の状態を確認してください。

 そして仕事中でも、家族といる時でも、時々「今、自分の心はどんな状態か?」と意識するようにしてください。

「イライラしている」、「気分が落ちている」というように、心を客観視する訓練をするだけで「ムダな反応」から抜け出せるようになります。

 このように心の状態を「言葉で確認する」ことを、仏教ではラベリングと言います。
 心の状態にぺたりと「名前」を貼って確認するのです。

 このラベリングを掃除をしている時、仕事をしている時など、日常的に行う事で、心の状態を言葉で確かめる習慣を身に付けていきましょう。

 すると「ムダな反応から抜け出せる」事ができ、心の安らぎを得る事ができます。

 今回の記事を書くにあたり、参考にさせてもらったのは「反応しない練習」という書籍です。

 是非ご覧ください。


 

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