おばあちゃんの介護、やるのはここまでと決めようと思った話し
認知症の義母を、夫と私で介護しているのだが、なかなか想定外の苦労が多く、エネルギーをどんどん吸いとられていく。
もっと大変な苦労を長期にわたってされている方は世の中には沢山いらっしゃると思うのだけど、誰かの参考になることもあるだろうから、今現在の我が家のケースをかいてみる。
実際やっている事は、三食の支度とその他必要なものの買い物、病院の送り迎え、薬服薬管理、週一デイサービスの送迎時に立ち会うこと、おばあちゃん居住部分を週一二回掃除機かける。これは、定年して家にいる夫と、パートの仕事をする私の日常生活の中でそれ程負担も無く出来ることだった。義母の認知症が進むまでは。夫の妹も週一位であれこれ世話を焼いてくれる。
排泄の介助が必要になる段階で、施設も検討する。というのが、夫の考えで、私もそれが妥当と思っている。それまでは、自宅で過ごすのが一番で、同居の私達が支えるつもりでいる。
なんとなく緩やかにおばあちゃんの機能が低下しているうちはまだ良かった。でも、認知症が進んだ現在は、三食を私たちに頼っている事自体を毎回忘れ、米がないんだけどどうしよう、晩御飯はどうしようと日に何度も狼狽えて聞きにくる。その都度大丈夫ですよ、用意してあるからという。この無限ループもなかなか辛いが認知症なのでしょうがない。
私たちの目下の悩みは、デイサービスを休みたがることと、自分でお風呂に入ったつもりだが全然入っていないので、ほっておくといつまでも入らないこと。毎日同じ服を着て、言っても着替えてくれない事。自分では、掃除も洗濯も入浴も人の手を借りずにできていると信じきっているので、頑として手伝いを拒む。これも認知症の周辺症状の一つで、介護拒否というらしい。
おばあちゃんは、おしゃれだし身だしなみもキチンとしていたし、家事も完璧な人だった。なので、お風呂はいってないよ、毎日同じ服きてるけど着替えて、などと夫が言うと、そんなはずない!と物凄い勢いで怒る。見るにみかねた夫が、昼間にお風呂を沸かして、はい、入って!!と無理やり入浴の機会を作ると、その度に大揉めして、やっと入る。お風呂から上がると、物凄い揉めた挙句にやっとの事で入浴したことなどケロリと忘れる。一度あまりの揉め具合に私が仲裁に入ったが、巻き込まれて大事故になった挙句、何の解決にもならなく、物凄い徒労感に襲われたので、もうこの件には口出さないことにした。
周りに相談すると、デイサービスで入浴サービスを使うか、訪問介護で入浴介助してもらわないとダメかもねとの事だった。家族より、ユニフォームを着たスタッフの言うことを聞く場合も多いらしい。
夫と私は、デイサービスを休みがちなおばあちゃんをなんとか週1、いや願わくば2回行っててもらって、そのときにお風呂に入ってもらおうと考えた。
その時点では、要支援2という状態でデイサービスを利用しているので入浴サービスは使えないはずだった。でも、3月の介護認定で聞き取り調査が行われて、認知症が進んでいるので要介護2がついた。これで、入浴サービスが使えるようになる。今月末には、新たにケアマネジャーがつき、介護ケアプランを作成してもらう。その時に相談してみよう。そのためには、おばあちゃんがデイサービスにいってくれて、訪問ヘルパーさんがくる場合はそれを受け入れてもらわないと。
休みがちだったデイサービスも、また行く習慣を作らねば。そう思って、送迎が来る日の朝は、渋るおばあちゃんをあの手この手で説得して行ってもらうことにした。そうは簡単に騙されないのだが、あれこれ色んな事をいっては支度してもらい送り出すこと1ヶ月。
疲れた。もー疲れた。前の晩に一時間説得し、当日の朝一時間説得して、夫はさらにバスが遅ければその間30分近く待機する。そして、おばあちゃんは決して憶えてはいないので、毎回同じ話しを最初からして説得する。話している側から忘れるので、まるで穴が大きく空いたバケツに必死に水をいれ、少し溜まったかと思ったら、すぐ空になるかの如く忘れるので、話しが伝わらない。本人には悪気はないのだが、私たちは精神的に物凄く疲れる。そこまでしてデイサービスに行く必要ある?お風呂も入らなくても死なないんじゃね?夫と話して、おばあちゃんがいやがる事を説得するのは私たちが疲れるだけで、このままずっとは精神的にもたない。なので、デイサービスも行く機会はそのままにして、行かないと言ったらそれ以上は言わない。休みが続きすぎて、向こうから断られたらそれもよし。お風呂の件も、無理矢理進めようとしない。私たちのエネルギーを温存しようという事にした。これがいいのか悪いのかよくわからないけど、できるのはここまで、と線引きをしてみようかというのが現在のところだ。
夫と私は、まあいいか、まだ私たちが誰かわかってるし、うんこ投げたりしてないし。(うんこ投げる人がいるかどうかしらないけど、単なる妄想です)と、頑張らない方針を確認しあったのだった。
まだまだ先は長そうなので、全速力で走らない方がよさそうです。