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おすすめ断髪小説(自分の以外)

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#断髪

断髪小説 ダブルス① 〜母の暴走〜

土曜日から高校最後の大会が始まる。
私とミユは卓球でダブルスを組んで全国大会の出場を目指している。
中学時代からペアを組んでいる私たち。
最高学年になって順当にいけば県大会は勝ち抜けるはずだ。
全国大会に出られれば東京の大学の特別推薦をもらえることになっている。
特段頭がいいわけでも経済的に恵まれているわけでもない私たちが都会の大学に行くためにはまたとないチャンスだ。

しかし2人とも何故かこのと

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自分の知らない自分

自分の知らない自分

「長い髪、鬱陶しいなぁ」
不意に夫が口にした言葉に雪は、愕然とした。
大切に伸ばしてきた髪を雪はもちろん、夫も好きでいてくれていると思っていた。
しかし、次の言葉でそれが今では現実ではないことを思い知らされた。

「もうすぐ梅雨だし、短くサッパリと切ろう」
切ろうというが、夫の髪ではなく、妻である雪の髪である。
雪は、恐る恐る聞いてみた。
「短く、てどのくらい?」

「最低でも刈り上げて、耳は出す

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断髪小説 彼女の匂い

断髪小説 彼女の匂い

GWが終わり私は学校に行くことにした
いじめられているわけでも勉強が嫌いなわけでもなく、あまり人の中にいるのが好きじゃなくて、なんとなく行きたくない…そんなふんわりとした理由で気が向いたら登校する感じの生活をしてきた
至って健康だから学校に行かない日は、親がやっている理容室で洗濯や掃除を手伝いもしている

5月最後の週末には運動会があるし、6月には修学旅行がある
特に興味もないのだが、普段はうるさ

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イチョウの木の下で (23.11/19 pixiv公開版)

お知らせ📢
※こちらの作品は23.11/19 pixivにて掲載した作品です。

イチョウの歩道が素敵に黄色く染まる頃。
毎年ここに必ず来て、
ある女の子のことを思い出す。
とっても素敵だった、大学生のひと時のこと・・・

〜10年前〜

当時私は離婚した母親に頼る訳にいかず、
奨学金で大学に通い、
講義、研究、アルバイト3つも掛け持ち、たまに一人暮らしの料理や掃除洗濯。
毎日暇のない忙しい日々

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女教師のいたずら

舞台は公立高校
理科の授業を終えた安藤百合子は理科室の片付けを行っていた。

コツコツ…ヒールが床を弾く音が聞こえる。

百合子は教師には似つかわしくない格好をしていた。

身長は165cmと高身長で、赤いヒールを履き、黒タイツにミニスカート、その上から白衣を羽織っており、赤縁のメガネをかけていた。

髪は漆黒の前下がりボブ、角度のついたボブで、襟足は思い切り刈り上げられていた。前髪は顎のラインま

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断髪小説 夏休み パターン① (20世紀の情景)

学校の夏休みも折り返しですね。
30年くらい前
夏休みの朝といえば朝のラジオ体操とプールでした。
そして「暑いんだから髪を短くしなさい」「プールで邪魔だから髪を切りなさい」って言われた思い出があります。
今日はそんなお話。

🎵〜 
大きなラジカセのスピーカーから賑やかな音楽が消えた
「はい。みんなよく頑張りました。では一年生から一列に並んでくださーい」
町内会の会長が、集まっている子どもたちに

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断髪小説 いとこの受難

断髪小説 いとこの受難

夏が来る。
夏は楽しいイベントもたくさんあるし、水泳のシーズンだから大好きだ。
私は小さい頃から水泳をやっていて、県大会でも結構いい成績をあげている。
だけどこの季節にはイヤなイベントが一つある。
それは散髪。

学校のプール開きの前になると、おばあちゃんが「夏だから髪切るよーー」って問答無用で髪を短くしてしまう。
おばあちゃんは私のお父さんやおばさんの散髪もしていたから腕前は確かだ。
夏が過ぎる

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断髪小説 ゴールデンウィークの憂鬱

断髪小説 ゴールデンウィークの憂鬱

今の私は全然幸せじゃない。こんなはずじゃなかったという気持ちでいっぱいだ。
プロの演奏家になる夢を諦めて、音大を卒業してから中学校の教員を4年続けている。
教員といっても1年更新の任期付き雇用だから給料も安い。
教員不足がニュースになっているけど音楽の教員は今も狭き門で、毎年チャレンジしているがまだ本採用にならない。

仕事自体は正規の教員とほとんど変わらない。
授業以外にも、吹奏楽部の世話など毎

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断髪小説 運動会

運動会の季節ですね。
運動会が近づく頃、髪を短く切ってきた友だちがいました。
本人は嫌がっても、親が「みんなが見に来るからちゃんとしなさい」とかなり強引に散髪されたみたいです。
短く切った髪が恥ずかしくて、赤白帽で必死に隠していたあの子。
そんなことを思い出しながら書きました。

小学6年生になった私は背が高く運動神経もいい。だから男子に「ヒナタは男みたい」なんてしょっちゅういじられる。
すごく嫌

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断髪小説 夏の島

中学3年生の夏。
病気がちな弟が入院して、夏休みの間お母さんの実家で過ごすことになった。
お母さんの実家は離島にあって、今は漁業をしながら民宿を営んでいる。
おじいちゃんもいるから、お正月にはよくおじゃましていたけど、夏は民宿が忙しいから泊まりに行くことはほとんどなかった。
島の生活は、受験のプレッシャーを感じ始めていた私にとって悪いことではなかった。学校の登校日や塾もオンラインで対応してくれるし

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断髪小説 母の横暴(後半)

(前半の続き)
家で散髪された次の日
学校に行くのがすごく嫌じゃなかったですか?
みんなに笑われるんじゃないか。からかわれるんじゃないか。
いつもの道で友だちに会った時・教室に入って帽子を脱ぐときのドキドキ。
帽子を脱いだときの周りの反応。
このお話を読んで思い出してください。

午後3時30分
美里の姉、香奈はテニス部に入っている。
勉強もできて、去年の夏から生徒会長もしている。
文武両道で後輩

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断髪小説 母の横暴(前半)

子どもの頃
家で散髪されたことありますか?
すごく嫌じゃなかったですか?
日曜日とかに突然「散髪するよ」って言われて
母の未熟な腕と横暴ともいえる押し付けで
鏡も見せられず、安い家庭用の散髪道具で庭先や部屋で髪を切られる時の不安
その不安は残念なことに当たっていて、とんでもなく短い髪型にされて泣いた思い出
みなさんはありませんか。
今日はそんなお話です。

私は美里。4月から小学6年生だ。
最近ま

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リクエスト断髪小説『報い』

リクエスト断髪小説『報い』

リクエスト内容(要約)小説情報本文
「もぅりっちゃん強いよー。また負けちゃった」

 頭にオレンジ色のポンポンの髪飾りを付けたポニーテールの女の子が頬を膨らませている。

「えへへっ。もう一回やろ、さっちゃん」

 りっちゃんと呼ばれた女の子はピンク色のパーカーを羽織っていて、肩につかないくらいのおかっぱにした女の子が勝ち誇った顔をしている。

 二人は近所でそこそこ大きい本屋にいた。店舗の一角に

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断髪小説『マネージャーの距離感 後編』

断髪小説『マネージャーの距離感 後編』

あらすじ小説情報本文 キィと音を立てて扉を開けると、早水が棚の前で立っていた。
 
――前にもこんな事あったような……

 いまいち思い出せないが、前にも見た光景な気がした。

「マネージャー? どうかした?忘れ物?」
「えっ!? あ、きゃっ!」

 カシャンと音がした。早水が屈んで、慌てた様子で落としたものを拾おうとしていた。しかし何か細長い物体がくるくると回転しながら、こちらに転がってきた。ど

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