浅見知秀

都市計画、交通政策、バス・鉄道に詳しい研究者、土木技術者。小山市イクメン講座講師をする…

浅見知秀

都市計画、交通政策、バス・鉄道に詳しい研究者、土木技術者。小山市イクメン講座講師をするなど小山市でも有数の子育てお父さんであり愛妻家です。

マガジン

  • まちなかウォーカブルのヒント

    • 17本

    ウォーカブルシティづくりのポイント、考え方、様々なウォーカブルな都市の事例などをまとめていくマガジンです。ウォーカブル政策づくりを担う人や、自分のまちで心豊かに楽しく暮らしたい実践者に役立つ記事を発信していきます!

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バスが変われば街が変わる?!ウォーカブルを実現するバス戦略

“まちなかウォーカブルのヒント”の公共交通担当を任命された浅見です。 私は、栃木県にある小山市役所で公共交通を担当しています。今回は、小山のバスの取り組み、ウォーカブルシティを目指す上で、実はバスって大切よねということをお伝えします。 はじめに:誰もが自由に移動できる世界をつくりたい!3年前、フランスの地方都市を旅行で巡りました。 小山よりも人口が少ない都市でも、比較にならないほど公共交通が便利で、お年寄りや車椅子の方も笑顔でまちなかに出かけてきている姿が日常になっていて

    • 人生の鬼時短〜都市計画・交通の視点から提案〜

      最近ChatGPTにお任せの無味無臭の記事が多かったので久しぶりの心をこめた記事を書きます。 鬼時短このキラーワードをボイシーで知り、私が専門にしている都市とか、交通の視点で実践している人生の鬼時短メソッドを紹介したくなり、筆(PC)を取りました。人生の鬼時短を実践して、家族の時間、自分の時間を獲得したい人の役に立てば幸いです。 本家は、職場の時短についての本です。 1.人生の鬼時短に必要なこと 私が人生の鬼時短に必要だと思うことは、「必ず時短して、もっと豊かな人生送

      • 公共交通の意外な真実:行政も知らない交通研究の知見

        最近、都市計画行政の担当者向け勉強会で講師を務めた際、受講者からの意見に驚きました。特に、公共交通の維持に税金が投入されている国の多さ、道路整備の限界、そして公共交通への新たな視点への目覚めなど、多くのことに気づいてもらました。私自身はこんなことも知らないのかと逆にショックを受けてしまいました。 ちなみに、次のように、受講者からの意見をもらいました。 「他の国では行政が公共交通の維持に税金を多く使っていることに驚いた」 「道路を整備しても渋滞が無くならないということにシ

        • 公共交通の不便さが若者の地元離れを促す?地域の実態を探る

          はじめに公共交通の不便さが、若者たちが地元を離れる理由の一つになっているかもしれません。この記事では、公共交通が地元の若者にどんな影響を与えているのか、実際の調査から見ていきます。 宇部市の調査結果高校生と大学生の回答 「宇部市の第5次総合計画で実施された学生アンケート調査(令和3年7月)」によると、宇部市では暮らさないと思う理由で、高校生は「公共交通が不便だから」を2位(選択率49%)、大学生は1位(選択率74%)に挙げました。 山口市の調査結果大学生の理想とする地域

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        • まちなかウォーカブルのヒント
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        記事

          帯広の秘密の隠れ家:会員制バーの魅力

          はじめに仕事で帯広に行ってきました。その際、地元名士の方に、一風変わった会員制バーに連れて行っていただきました。父親くらいの方が街を面白くしようと、楽しい居場所を作っているとに感銘を受け、その事例を紹介します。会員制バーということもあり、詳しい場所や名前を伏せて紹介したいと思います。まちづくりや地域活性化に興味のある方にとって、新たな視点を提供できれば幸いです。 ※以下の記事及びバナーはchatGPTが作りました。画像がその場所にそっくりでびっくりしましたw 会員制バーの特

          帯広の秘密の隠れ家:会員制バーの魅力

          地方都市に住むとクルマと家で1億円使ってる

          妻が毎日note投稿をしているので、私も定期的に投稿しようと決意しました。 さて、1本目は車の費用についての記事です。 ※アドバイスを受けてタイトル変えてみました みなさん、クルマにいくら使っているか知っていますか? いくつかデータがあるので紹介します。 以下の記事によると、プリウスを新車で購入して、8年間乗った場合の費用は、購入・維持あわせて、602万5960円(年間75.3万円)となります。駐車場代が月2万円計上されているので、それなりに都市部を想定しるようです。

          地方都市に住むとクルマと家で1億円使ってる

          世界一ウォーカブルな都市バルセロナ訪問レポート

          バルセロナは世界一ウォーブルな都市中村文彦先生が主宰するMaaSの部屋の「歩行者空間化を中心としたバルセロナのまちづくりについて(吉村有司先生)」を聴講して以来、ずっと行ってみたいと思っていたバルセロナの訪問レポートです。 吉村有司先生曰く「ウォーカブル政策、市民に車に乗ってくれるなとお願いするからには、オルタナティブの足がキチンと確保されていないと説得力に欠ける。まず私たちが初めにやったことは公共交通の質を確保すること。」という言葉を体現しているバルセロナは、バス路線再

          世界一ウォーカブルな都市バルセロナ訪問レポート

          自動車業界に伝えたい過疎地域の移動問題、自動運転、ウォーカブル 〜業界誌インタビュー③未来編

           自動車産業専門の調査研究会社「株式会社 FOURIN (フォーイン)」が発行する「FOURIN 世界自動車法政策調査月報」にインタビュー記事が掲載されました。  ご好意でインタビュー記事の転載許可をもらいましたので、このnoteで紹介したいと思います。今回は、未来のことについて語らせてもらいました。 タイトル「小山市、モビリティ・マネジメントでバス利用者数の増加に取り組み、2021年度は2017年度比27%増の84万人に」 まだ①、②を読んでいない方はコチラから↓ 1

          自動車業界に伝えたい過疎地域の移動問題、自動運転、ウォーカブル 〜業界誌インタビュー③未来編

          ジリ貧コミュニティバスを復活させよ 〜自動車業界誌インタビュー②小山のプロジェクト編

          自動車産業専門の調査研究会社「株式会社 FOURIN (フォーイン)」が発行する「FOURIN 世界自動車法政策調査月報」というレポートにインタビュー記事が掲載されました。ご好意でインタビュー記事の転載許可をもらいましたので、このnoteで紹介したいと思います。 タイトル「小山市、モビリティ・マネジメントでバス利用者数の増加に取り組み、2021年度は2017年度比27%増の84万人に」 まだ①を読んでいない方はコチラから↓ 5.小山市のプロジェクトスタート 実は最初から

          ジリ貧コミュニティバスを復活させよ 〜自動車業界誌インタビュー②小山のプロジェクト編

          赤字バスは本当に不要なのか?〜 自動車業界誌インタビュー①交通の知識編

           自動車産業専門の調査研究会社「株式会社 FOURIN (フォーイン)」が発行する「FOURIN 世界自動車法政策調査月報」というレポートにインタビュー記事が掲載されました。2022年3月4日開催第6回ReVisionモビリティサミットでご縁いただき、インタビューを受けたものです。ご好意でインタビュー記事の転載許可をもらいましたので、このnoteで紹介したいと思います。 記事タイトル: 「小山市、モビリティ・マネジメントでバス利用者数の増加に取り組み、2021年度は2017

          赤字バスは本当に不要なのか?〜 自動車業界誌インタビュー①交通の知識編

          Be inspired by Sustainable mobility!ーMaaS発祥の地フィンランドの公共交通と都市計画レポート②(ECOMM編)

          2022年5月29日から6月5日までフィンランドのヘルシンキ(2日半)とトゥルク(4日間)に行ってきました。目的は、国際会議 ECOMM(European Conference on Mobility Management)への出席・発表です。今回、ECOMMでの自身の発表や他の方の発表をレポートします。 European Conference on Mobility Managementとはヨーロッパ中のモビリティ・マネジメントの実践者と専門家、研究者が集う3日間の会議で

          Be inspired by Sustainable mobility!ーMaaS発祥の地フィンランドの公共交通と都市計画レポート②(ECOMM編)

          MaaS発祥の地フィンランドの公共交通と都市計画レポート(トゥルク編)

          2022年5月29日から6月5日までフィンランドのヘルシンキ(2日半)とトゥルク(4日間)に行ってきました。目的は、国際会議 ECOMM(European Conference on Mobility Management)への出席・発表です。ECOMM発表、トゥルク市まち歩きツアー、交通政策担当者との意見交換、HP情報などを基にレポートします。 トゥルク市とはヘルシンキの西側約160km、フィンランドの最南西にある人口約20万人(国内6位)の街。ただし、自治体合併をしなか

          MaaS発祥の地フィンランドの公共交通と都市計画レポート(トゥルク編)

          淺見知秀 自己紹介・業績

          交通政策、バス・鉄道、都市計画に詳しい研究者、土木技術者です。 (最終更新日2024.2.22) 略歴埼玉県菖蒲町(現久喜市)出身、筑波大学で都市計画、交通計画を学ぶ。 JR東日本にて、新駅建設・新幹線高速化プロジェクトなどに従事。その後、国土交通省にて、都市計画分野の政策立案、自治体支援業務に従事。小山市に出向時は、都市整備部長・技監として、都市計画、公共交通分野の指揮監督に従事する。現在、みちのりホールディングスにて、グループ各社に関わる交通計画の策定・支援、新モビリテ

          淺見知秀 自己紹介・業績

          育休とって思ったこと

          職場の「男性職員の育児休業体験記」に寄稿したので転載します。最後に寄稿して改めて思ったことを追記しました。 育児休業取得のきっかけ・タイミング 私は長女(第二子)が生まれ、育児休業を2度取得しました。 (2度目は妻の職場復帰のフォローに必要で取得) 1度目は長女出産直後、長男長女の育児のために取得しました。コロナ禍で保育園の登園自粛、両親の助けもなく、とても辛く、大変だったことを今でも覚えています。しかし出産直後の女性は、例えれば「交通事故にあった直後くらい体が傷つき、

          育休とって思ったこと

          なぜ僕はウォーカブルを目指しているのか

          筑波大学新聞に「卒業生からの手紙」というコーナーがあります。第368号(2022.1.31発行)に、「なぜ僕はウォーカブルを目指しているのか。」を後輩に伝えるために手紙を寄稿しました。 記事のリンクを貼ります。(7ページです) 筑波大学新聞 第368号 2022.1.31発行 さて、文字数制限で伝えたかった細かいニュアンスを削除して掲載されていますので、改めて原文をnoteに掲載したいと思います。ちなみに、見出しは編集側でつける決まりらしく、ちょっとイケてないものになっ

          なぜ僕はウォーカブルを目指しているのか

          住んでみてわかった、クルマを持たなくても豊かな暮らしができる地方都市 小山駅西口エリアの魅力

           小山市に引っ越してきてもうすぐ3年。友人、職場の同僚から「地方都市なんだからクルマ持つの当たり前だよね。」という圧力や、善意からの「クルマ持った方がいい。」という助言を振り切って、楽しくクルマ無し生活を続けています。今回は、あえてクルマを持たない、楽しく、豊かに、地方都市のローカルな魅力が味わえる小山駅西口エリアを紹介したいと思います。 1.まちなかに自然を感じられる川と森 私が思う、小山駅西口エリアの最大の魅力は、駅から1km地点に、思川という素晴らしい川があることです

          住んでみてわかった、クルマを持たなくても豊かな暮らしができる地方都市 小山駅西口エリアの魅力