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育休とって思ったこと

職場の「男性職員の育児休業体験記」に寄稿したので転載します。最後に寄稿して改めて思ったことを追記しました。


育児休業取得のきっかけ・タイミング


私は長女(第二子)が生まれ、育児休業を2度取得しました。
(2度目は妻の職場復帰のフォローに必要で取得)

1度目は長女出産直後、長男長女の育児のために取得しました。コロナ禍で保育園の登園自粛、両親の助けもなく、とても辛く、大変だったことを今でも覚えています。しかし出産直後の女性は、例えれば「交通事故にあった直後くらい体が傷つき、体力が無い状態」です。妻の体力が戻るまで、私以外育児を行う人間はいません。とてもよい経験をさせてもらいました。

(1回目の育休は新聞記事にしていただきました。)

2度目は長女の保育園への慣らし保育のために休みをいただきました。保育園はいきなり朝から晩まで預けることができず、1日目は1時間、2日目は2時間、1週間後にお昼ご飯を食べる・・・とだんだん預ける時間を伸ばしていきます。

恥ずかしながら、預ける直前まで知らず、4月から職場復帰する妻を休ませられないので、3月末の直前に職場に慣らし保育中は有給休暇で休みたいと相談しました。

職員課からは、今後子供の風邪などで休む必要があると思うから、有休はとっておいて、「パパ育休」という制度を使って2度目の育休を取得してはどうかと提案(※)をいただきました。この時、有休を使っていたら今頃なくなっていました、本当に感謝しています。おかげさまで無事慣らし保育を終えることができました。(本当はもっと前もって職場に相談することが望ましいです)

※職員課へのフィードバックを今回の体験記ですることになりました。これを読んだ職員の方は、「薦めてみたけど本当によかったのかわからなかった。前向きなフィードバックがあってホッとした」とコメントをくれました。フィードバックって大切だなと思いました。

あと、現行の慣らし保育システムでは、まともにお母さんは職場復帰できないと思いました。預かる側の都合もわかりますが、預ける側からすると、4月入園の際、3月から慣らし保育をしてもらいたいと思いました。


育児休業前後の気持ち・行動の変化、家族の反応、仕事・職場への影響、仕事と育児の両立のポイント、これから育児休業を取る方へのアドバイスなど自由に記入してください。


育児ってお母さんがやるものって思っていませんか?

小山市の1歳半検診の問診票に「Q.お父さんは育児をしていますか?」という質問(※)があります。お母さんは育児していますか?という質問はありません。
この問診票は、お母さんが答えることが前提になっています。
(娘の一歳半検診より)
※国の「第2次健やか親子21」の中の調査項目の一つで全国的に使われている統計指標だそうです。

いきなりですが、ある本の引用を読んでください。

Aさんが愚痴ります。
「俺、子供が生まれてさ。もうー大変。子育てって大変なんだな。嫁が毎日ピリピリして、女は子供産むと変わるっていうじゃん。それ。俺には重要な仕事あるし、わかって欲しいんだけどな。けど、なるべく育児には参加しようと思って、手伝ってるつもりだよ。どうやったら嫁とうまくいくかな?」

それに対して、Bさん。
「僕はメジャーリーグの中継を見るんですが、メジャーリーガーや監督は時々試合を休むんですよ。
奥さんの出産はもちろん、お子さんの入学式や卒業式、家族のイベントで休むんです。彼らは立ち会いたいんです。一生に一度の子供の成長の記念日に。行かずにいられるかって感じで行きたくて行くんです。
でも試合中継の日本の解説者たちは『ああ、奥さんが怖いんでしょうねぇ・・・』と言うんです。彼らにはメジャーリーガーが行きたくて行っていることが理解できない。なぜなら自分はそう思ったことがないから。
メジャーリーガーは子供の成長に立ち会うことを父親の権利だと思い、日本の解説者たちは義務だとおもっている。そこには天と地ほどの差があるんですよ。
Aさんは子供を奥さんの付属物だと考えてないですか。だから”参加する”とか”手伝う”と言うんじゃないですか。子供を産んだら女性が変わるのは当たり前です。ちょっと目を離したら死んでしまう生き物を育てるんだから。
問題なのはAさんが一緒に変わってないことです。」

(ミステリと言う勿れ1巻から一部抜粋)


私は、第一子が生まれたときは、まさにAさんのような気持ち、姿勢でいました。

妻に何度も諭され、第二子が生まれ、2度の育休をいただきました。現在も育児をメインで担当しています。そしてようやくBさんの言っていることがわかるようになりました。最近コロナの影響で保育参観が中止になりとても残念な気持ちになりました。

仕事は大切です、しかし家族の方が大切なのは言うまでもありません。これが当たり前の職場、世の中になることを願っています。


最後に


寄稿にあたり、日頃交流のある子育て部門の方と意見交換しました。

その中で「育児に協力している職員は増えたけど、自分ごとにする人は少ないと思う。自分ごとにする方が増えることを願っています」とコメントをもらいました。

また「現実、会社はそんなに甘くない、休めない、育休取ると出世に影響する」とか「経済的に厳しく、仕事を休めない」という意見がよくあるそうです(当然そういう意見は多いと思います)。


育休の不在を許容してくれる職場に所属していた自分は恵まれていました。

ちなみに、職場が一番落ち着く時期、不在にしても組織運営に支障をきたさないと判断して育休を取得させてもらいました。また休み中、いつでも連絡が取れる体制、確認が必要なものはメール等で確認して、仕事を回していました。(もちろん職場の全面協力あってのもので、感謝しても感謝仕切れません。)

そして私のように行かない方、現場があって現場を離れられない方が、たくさんいることもわかります。

しかし、経験を通して思うことは、社会全体で男女で子育てするのが当たり前、男性が育休を取得することが当たり前になれば、その環境でなんとかしようと組織はうまく動きます。限られたリソースしかなければ、やり方を変えて、その中で結果を出すことができるのは、人間が持っている能力の1つだと思います。
(この本「自分の時間を取り戻そう」を読んで、さらにその思いを強くしました。)


事実、私の職場はうまく仕事を回してくれました。また私の職場では育休取得職員が増えていますが、時間外勤務(残業)の時間は年々減り続け、仕事のアウトプットはクリエイティブになり、前よりも成果が出ているように感じます(これは主観的評価ですが)。

例えば、1992年から官公庁に導入された週休2日制も始まれば始まったで、なんとかしていったのではないかとお気楽に思う次第です。(当時小学生だったので、職場にどういう変化があったのかは知る由もありませんが)

そんな社会になることを祈って、本文を締めたいと思います。

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