ぬあー

『不毛』

その会議がいつから始まったのか。
もはや誰一人覚えてはいない。

「仕方がないことを考えていても仕方がない」

「仕方がないという奴が、たいてい一番仕方がない」

「仕方がないなんて絶対にいうな!」

「仕方がないというよりも……どうしようもない」

「どうしようもないことを考えていても、やっぱり、どうしようもないじゃないか」

「どうしようもないという奴が、たいてい一番どうしようもない」

「どしようもないなんて絶対にいうな!」

「どうしようもないというよりも……致し方ないっていうか」

「致し方ないことを考えていても、やっぱり致し方ない」

「致し方ないという奴が、たいてい一番致し方ない」

「致し方ないなんて絶対にいうな!」

「致し方ないというよりも、詮無い」


もはや何の会議だったのかさえわからぬまま、
しかし、会議は一向に終わる気配を見せなかった。

「だからさ、詮無いことを考えていても詮無い――」

そのときだった。
果てしなく続くかと思われていた不毛な会議に、
突然の乱入者が現れた。

ガラガラガラ!

「おい! お前らひとんちの庭で会議すんのやめろよ!」

フミャーッ!

ンニャーッ!

ニャーンッ!

ミャーオッ!

ぬあー!

彼らは、蜘蛛の子を散らすようにして次々と姿を消した。

「まったく、毎晩毎晩、なにをそんなに話すことがあるんだか……」

ガラガラガラ! ピシャッ!

仕方がない、また明日ニャー。

おわりニャ=^_^=ぬぁー

水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。