永松歩

フリーランスのCG系プログラマ

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最近の記事

NFTコレクティブル "MOMENT" に関する覚書

NEORTにお声がけいただき、NFTコレクティブル "MOMENT" を制作させていただきました。本作は、2022年4月1日販売と展示をスタートし、4月30日に販売と展示を終了します。ここでは"MOMENT"についての覚書としてコメントを残そうと思います。 販売サイト OpenSea 作品説明MOMENTは、桜の花弁をモチーフとしたNFTのコレクティブル(=花)と、ギャラリーNEORT++でのインスタレーション(=木)で構成されます。 個別のNFTは、プログラムによって

    • NFTアートの学習と制作のことはじめ

      NFT作品を出したりしていく上で、様々な環境と照らし合わせて考えたことをつらつらと書いていく。そこそこ散漫なので注意。 焼き畑に加担しないNFTについて、バズや投機的な現象に飛びつくことは、悪くすると、ありえた文化の可能性を焼き尽くすことにもなりかねない。それ以外にも投機リスクをマイナスを被ったり、法制度と折り合わず裁かれたり、と様々なことが言えそうだ。投機への最適化を促すような言説や、技術自体を積極的にブラックボックス化する言説は、非対称性をつくる点で誠実なものではない。

      • CryptoArtの論点

        NFTによってデジタル・アートの取引が活発化してきている。老舗オークションハウスでBeepleのNFTが約75億円で落札された。ブロックチェーン技術にまつわる期待が資本を大きく後押しし、NFTプラットフォーム自体がさながらゴールドラッシュの活況であり、NFTに作品価値を帰属させるCryptoArtの流通・取引プラットフォームも単調に増えている。 こうしたプラットフォームに参加するアーティストも増えてきているし、そのチャレンジは素晴らしいことに思う。しかし、一方でその仕組の特

        • カオスラの件で反芻したこと

          カオスラにおけるハラスメント事件について、反芻したことを残しておく。 自分自身は、 - ゲンロンのなかでも黒瀬氏が登壇する動画や講演を数える程度ではあるが視聴していた - 黒瀬氏が企画した展示に足を運んだ(好意的な展評も残した) - 黒瀬氏をTwitterでフォローし紹介される執筆記事などを読んでいた という立場の単なるフォロワーかつ部外者な立場ではあるが、現代アートに興味と期待を持っている人間ではあると自覚している。また一方で、カリスマやワンマン経営の多いデザ

        NFTコレクティブル "MOMENT" に関する覚書

          TOKYO2021メモ

          TOKYO2021を見てきた。作品をとりまとめるコンセプトがキュレーションとして巧みに機能していて、総合的に仕上がりの高い展示・設計の行き届いた丁寧な展示だと感じた。個々の作品も程度の差こそあれ総じて強度があるおもしろい作品が続いていた。この内容がタダで公開されているというのは素朴に嬉しいし文化を耕している感じがする。(きっと今後よく参照されるのではないかな。) 災害ー祝祭という対比的なゾーニングも観賞がしやすくて良い。また、取り壊し前のビルのスペースと廃材を使った企画は巧

          TOKYO2021メモ

          選挙ムズイ

          選挙って行くのが当然という感覚が「行った側」にはあると思うが、実際に選挙にいって名前を書いて箱にいれるまでかなりのハードル(主に心理的な)が存在すると思う(実際に数字でも2人に1人が投票しなかった)ので、今回の自分の投票を振り返るという意味でもnoteにしたためておく。 1. 選挙に行く意義を見出す難しさ 2. 自分の政治観を語る難しさ 3. 賛同できる候補者・政党を選ぶ難しさ 1. 選挙に行く意義を見出す難しさ「投票に行くべきだ」とひとはいう。自分も大学生ぐらいのころは

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          選挙ムズイ

          Toturialを見てて唐突に出てくるパワーワード

          CGツールなどの即時的知識を得るためにTutorialをよく見ると思う。しかし、眺めていたら、即時的な知識を得たいはずが、唐突に深い、哲学的な言葉に出会い考え込まされてしまうときはないだろうか。(超レアか。)機能以上の学び、しかも割と長尺で考えてしまう言葉や概念。最近Houdiniのチュートリアルをよく見ているのだが、そこそこな確率で哲学的なワードに出会うので、中でも気に入った言葉をメモ程度に残しておきたい。 The Threshold Concepts1つ目はMark S

          Toturialを見てて唐突に出てくるパワーワード

          展評「オーディオ・アーキテクチャ」

          21_21 DESIGN SIGHTで開催された企画展「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」は印象深い点が多かった(2回足を運んだ)ので、ことばとしてアウトプットしておく。 ドミニク・チェン氏が書いているように、テーマに沿ってキュレーションされる類の展示形式ではなく、小山田圭吾(Cornelius)が展覧会のために書き下ろした新曲『AUDIO ARCHITECTURE』に対して作家たちが独自解釈し映像やアプリとして制作したものを一同に展示したものであ

          展評「オーディオ・アーキテクチャ」