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今日の本

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面白かった本、印象に残った本、役に立つ本を紹介します。
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#読書感想文

比べるものではないけれど|「三流シェフ」三國清三

この本でいちばん素晴らしいのは、このカバー写真だと思っています。 一方は、若き日のとんが…

猫を飼いました|「動物のお医者さん」佐々木倫子

高校生のころからの愛読書。 もう、幾晩の枕のお供になってきたかわからない。 なのに、本が増…

刑事とともに内省を深める|「冷血」髙村薫

一家四人強盗殺害事件の長編犯罪小説。 犯罪小説は、グイグイ読ませるエンタメ要素の強いもの…

人それぞれの枠組み、線引きのなかで生きる|「1Q84」村上春樹

時々雑誌で特集を組まれたりする、当代きっての小説家、村上春樹さん。 海外小説やエッセイ、…

現代日本女性のふつう|「姑の遺品整理は、迷惑です」垣谷美雨

タイトルの通り、姑の遺品整理をする物語。 姑は、部屋中いたるところにモノをぎっしりと詰め…

知られざるスーパースター|「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」増田俊也

柔道家・木村政彦。戦前、史上最年少で「全日本選士権」を制し、1949年に優勝するまで一度も負…

姑を女性として尊敬する|「扉の向こう側」ヤマザキマリ

著者ヤマザキマリさんといえば、その経歴の特異さ。 17歳で高校退学、イタリアの美術学校に留学。詩人と恋に落ち、妊娠しシングルマザーとして帰国。その後年下のイタリア人と結婚し、夫の仕事都合で家族3人、シリア、リスボン、シカゴ、イタリア等に暮らしながら歴史漫画を描く。 ヤマザキマリさんの持つ世界観に興味があり、漫画はもちろん、エッセイはほとんど読んでいます。 エッセイにちょこちょこ出てくる、つまりヤマザキマリさんに多大なる影響を与えたであろう母親・リョウコの大ファンです。 この

何のために商売を大きくするのか|「商人」ねじめ正一

時代は江戸中期。かつおぶし卸売商、伊勢屋にんべんの次男に生まれた伊之助が主人公。創業者で…

「平気」で生きる|「自分の中に毒を持て」岡本太郎

いつも本屋さんで見かけるし(つまりロング&ベストセラー)、いつかは読んでみようと思ってい…

とにかく切り返せ!|「職場の嫌な人から自分を守る言葉の護身術」後藤千絵

職場での人間関係は攻略済み、ここのところ平和が続いていましたが、子どもを通じたママ同士の…

「ふつう」の家庭の食卓とは|「ぼっちな食卓-限界家族と『個』の風景」岩村暢子

普通の家庭の「食卓」を定点観測。その「食卓」は10年後、20年後どうなったか、調査した結果を…

問題は、「色」ではない|「非色」有吉佐和子

いわゆる「戦争花嫁」の物語。 日本に駐留したアメリカ黒人兵士と結婚、日本に残された妻と子…

マイベスト・アガサ・クリスティー|「春にして君を離れ」アガサ・クリスティー

言わずと知れたミステリの女王、アガサ・クリスティー。 数多いアガサのミステリシリーズの中…

お酒がなくても生きられる安心感。|「飲まない生き方 ソバーキュリアス」ルビー・ウォリントン

「ソバーキュリアス」という概念、生き方をご存知ですか? 「お酒は飲めるけど飲まない生き方を選択している人たち」のことです。 この本は、著者ルビーさんがお酒をガブガブ飲む人生から、ソバーキュリアンになっていく過程、そこで経験した喜びや苦しさ、コツなどを解説したもの。 私もお酒を飲み始めて20年弱。30代後半から、「もういい加減、酒は人生の定量に達した。貴重な時間を無駄に浪費している気がする」との考えがよぎるようになってきました。意を決してやめてみたり、酒席に呼ばれたことがきっ