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何のために商売を大きくするのか|「商人」ねじめ正一


時代は江戸中期。かつおぶし卸売商、伊勢屋にんべんの次男に生まれた伊之助が主人公。創業者である父が亡くなったあとを伊之助の兄が継ぐ。不運に見舞われ、心身を病んでしまう兄。その兄の跡を継ぎ、三代目となった伊之助。「商人は何のために商売を大きくするのか」。このシンプルな問いを、一時は経営不振となった店を盛り返しながら、伊之助が学んでいく物語。


「商人」、あきんど。シンプルなタイトルです。勤務先の推薦図書として挙がっていたので読んでみました。
主人公伊之助を取り巻く家族、特に母親や兄嫁、伊之助の妻が生き生きとしていて、物語として読み進めやすくなっています。
商売を学ぶなら世の中にはビジネス書が腐るほどあるので、そちらに任せればいいですが、物語になっていると、自分や周りと重ね合わせて考えたり、共感できる点が優れていると思います。


そして、全く知らなかったのですが、この物語になっている「にんべん」、実在する会社なんですね!!!
物語の最後に「物語は高津家文書を参考にしたフィクションです」とあって、えっ?高津一族は実在するの??と調べてみたところ、あるじゃないですか、株式会社にんべん。元禄12年創業、かつおぶし専門店。
つゆの素などでけっこう有名なんですね、知りませんでした(ごめんなさい)。


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