見出し画像

「琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術」

「琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術」
アーティゾン美術館



ねぇ、わたし1ヶ月ぶりの美術館やったんやけど。この1ヶ月美術館に行けるタイミング無くて、冗談抜きで情緒不安定やったわ。禁断症状でガックガクのブッルブルに手足震えてたわ(嘘です)。趣味って生きるのにほんまに大事やな。一生趣味してたいわ。というわけで、久々の休み!秒で美術館行ってきた!!!!!最高!!!!!初めてのアーティゾン美術館!!!!今年の1月にブリヂストン美術館からアーティゾン美術館に生まれ変わったんやけど、なかなかええ感じやったわ(おまえだれやねん)


で、今回お目当ての作品は、そう、俵屋宗達の国宝「風神雷神図屏風」!!!!!!!!!もう!!!!!!なんか!!!!!!!土下座!!!!!!!!尊崇高貴!!!!!!!!!(抑えられない衝動)

今年8月にトーハクで尾形光琳の「風神雷神図屏風」を見て、初めてそのタイミングで「風神雷神図屏風」ってのは宗達のが元祖で、それを真似して描いた光琳のがあって、またそれを真似した酒井抱一のがあって、なんなら鈴木其一も真似した襖絵もあるっていうことを知ったんやけど、やっぱ元祖のモチベーションえげつなかった!!!!!!!!!涙涙涙

やっぱドラえもんは大山のぶ代がいいやん?!やっぱセーラームーン(アニメ)の作画は90年代のやつがいいやん?!「風神雷神図屏風」も宗達のはずば抜けて素晴らしかったです!!!!!!

いや、もちろん光琳のも素晴らしかった。やけどチーム琳派とはいえ、この作品の間には約100年の時間が空いてるし、2人は会ってもいーひんから宗達から光琳は別に直接この絵に込めた想いとかそういうの聞いてへんし、ただただ推しの絵師の絵を真似して学びながらも、「俺ならこう描く」ってオリジナリティを出しつつ描いた絵やから、そりゃもうそれはそれで光琳の類稀な繊細且つ美麗なセンスと絵がうまい!っていうのを感じることができるものに仕上がってるんやけど、やっぱり「想い」の点で雲泥の差がある。


宗達の「風神雷神図屏風」は京都の建仁寺に実寸代のレプリカ屏風があって、わたしは家が近所なんで良く建仁寺に龍の天井画を見に&お昼寝しに行ってたのですが(?!)、いっつもレプリカじゃなくていつか本物が見たいわと思っていたので、「やっと会えたね…」と辻仁成ばりのロマンチックモードで長年の夢が叶った嬉しさが溢れまくってしまったのと、美術館が久しぶり過ぎて本物を見るということの尊さが爆発してしまったのと、思ってたよりうん億倍躍動感に溢れてて今にも大地へ恵の雨風を巻き起こしてくれそうなまさに神さまが目の前に降臨したのではないかと錯覚してしまいそうな眩しさに包まれて感動が最高潮に達してしまい、普通に死にそうになりました(感情の起伏が激しすぎる)。


「線が生きてる」ってこういうことをいうのかと、はじめてわかったかもしれません。映画館で3Dとか水びしゃーって飛んできたりするやつとかあんな手前みそな効果とかで臨場感出してんのがもう宗達に失礼なぐらい風神さんと雷神さんが目の前に舞い降りていらっしゃって、どうして??!!!?なぜ???!!!?ここはどこ!!!???!私は遠藤!!!!(?)と戸惑いながらも、「ありがたし…」と拝み倒してきました。屏風絵って調度品ですが、完全にあれは宗教画やった。素晴らしい。絵にこれだけの生命が吹き込まれるなんて、ほんまに驚いてしまう。こんなに心から生で見て良かったと思った作品久しぶりかもしれません。色も全然思ってたんと違ったから、尚更興奮しました。宗達お得意の「たらし込み」というにじみ技法を使ったところもまじでびっくりするくらい計算されてないクールさで死ぬほど幻想的でかっこよかったし、雷神の黒目が思ってたよりサイコパス味に溢れてて痺れました。はぁ、いいとこいっぱい言える…。いい絵楽しい…。



と、「風神雷神図屏風」について想いが溢れてしまいましたが、本展では琳派の作品と印象派の作品がいっぱい見れます!♡(雑な紹介)

ここに共通点ってあるんやろか?と不思議に思ってましたが、見た後もあんまり核心に迫るびっくり共通点はなかったかなって感じがしました(え)。でも1点1点の作品がどれも素晴らしかったです!!!アーティゾン美術館がお持ちの作品のいいこと!!!いい絵がたくさん見れてとっても幸せな気持ちになりました!!!!


特に琳派に関しては「継承」という点で大変学びがありました。琳派は師弟制度ではなくで、自分で推しの絵師の作品を真似しまくるという自称制度なので、教えが無いからこその自由度と個性に溢れてて伸び伸びした作品が多く、その中でも池田孤邨の「青楓朱楓図屏風」は光琳の作品を自分なりに解釈して描いた楓を描いた屏風絵なのですが、光琳のものをより削ぎ落として孤邨らしい美を見出しててとてもグッときました。「パクリ」ではなく「真似をする」ことで技術を高めていくという琳派の一連の流れについて、「尊敬」が大前提にある真似は個性を見つけるためにとてもいい方法で(「私ならこう描く」という部分が個性になる)、可能性をどんどん広げてくれる素晴らしい取り組みやなぁと改めて感じました。

昨今、品の無いパクリが巷に溢れすぎててがっかりすることが多いですが、ほんま、みんな琳派勉強するといいと思う。「0からこれだけの想いを込めてがんばってつくりました!」みたいなまるで思想があるような嘘をつくより、「○○の作品が素晴らしく、それを自分も会得したい。自分なりの解釈も含めてつくりました。」の方が圧倒的に美しいと思う…!


話がそれてしまいましたが、もう1点この企画展で感じたことは「やっぱり宗達の表現力はすごい!!」ってことです。伊勢物語で在原業平(と思しき主人公)が、駿河国の宇津山を越える場面を描いた「蔦の細道図屏風」という作品があったのですが、これがもう、一生見てられるんちゃう?と思うほど美しかったです。右隻から左隻へ道が続いてるように描かれてるのですが、なんとそれがまた右隻に繋がるように描かれてるんです。繰り返されることで、山は深くてこの先もまだまだ道が続いてるという屏風の枠をも越えた物語の世界がそこには表現されてて、「は?まじでおしゃれなんやけど」と完敗しました(何に?)。ちなみにこの前NHKの「100分de名著」で「伊勢物語」が特集されてたのを見ててほんとに良かった。物語を知っていると作品を見るときの解釈がまじで深まる。今のブルデューの「ディスタンクシオン」もめっちゃおもしろいよね。みんな見てる?1月2日は萩尾望都スペシャルだから絶対録画だよ◎(番組の回し者級にこの番組が好き)


というわけで、久しぶりの美術館が嬉しすぎて本当に楽しかったので元気もりもりになりました!(小2の感想文)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?