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藤井天真くんの保護猫アートTシャツプロジェクト「TENNEKO」

今回のメルマガはアトリエ作家第一号、藤井天真君のプロジェクトのご紹介です。2020年の春分の日から始まったこのアトリエで、一番最初から来ている男の子。当時8歳でした。彼の2年間での流れと作品を私の目線と彼のインタビューを元にお伝えいたします。なお、彼はもう作家として活動しているため実名にてご紹介します。

アトリエで最初に描いた猫の絵

<出会いとプロジェクト始動編>
まず最初に段ボールで秘密基地的なものを作った自分の部屋に、彼はこの絵を描いた。この素直な絵を見て、ああこの子は動物がとても好きなんだなと思ったのを覚えている。直後に左側の白い若い猫(保護猫)が病気で亡くなってしまい、彼はとても落ち込んだ。言葉にできない、したくない、話したくないけれど、この溢れるような感情をどうしたらいいんだろうという雰囲気だった。私はこういう時はあまり介入しない。彼の悲しみは彼のもので、丁寧に時間をかけることが必要だろう。それでもしばらく何も手につかないようで、ぼんやりしているので、私が「代わりに他の猫を助けたい?」と聞くと彼は深く頷いた。彼が描く猫の絵がとても魅力的だったため、保護猫プロジェクトを彼に提案してみたところ、「やる」という一言でこのプロジェクトは始動した。
保護猫プロジェクト「TENNEKO」は、彼がTシャツに1枚づつ猫の絵を描き、それを販売して売り上げを保護猫に充てるというものだ。まずはブランドネームを決める必要があるよねと話すと、彼は「TENNEKO」という名前を2秒で決めた。読みやすい、名前の由来が合っている、形や響きも良い。素晴らしい名前に私も口を挟む余地なく、すぐに決定。
最初は布に描くことやアクリル絵の具との付き合い方が上手くできずにイライラしたりしたが、諦めずにやっていくとすぐにコツを掴み、悲しみの行き場が見つかったこともあるのか、どんどんやり始めた。

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